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麻しん・風しんに注意!

最終更新日:2024年3月27日

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2024年2月以降、国内で麻しん(はしか)の感染事例が10件発生しています。近隣では、東大阪市で3月1日に麻しんの発生があり、今後国内における感染事例の増加が懸念されています。麻しんの感染力は非常に強く、免疫を持っていない人が感染するとほぼ100%感染し、重い脳炎を発症することもあります。先進国でも1,000人に1人が死亡するといわれています。
参考:2024年3月麻しん(はしか)に注意!!(市民の方向けリーフレット)(PDF:468KB)

麻しん(はしか)

麻しん(はしか)は感染力が強く、空気感染するため、手洗いやマスクでの予防ができません。
麻しんは発熱が1週間程度続き、呼吸器などの症状も強いので、入院が必要になることもあります。麻しんにかかると免疫力が低下するので、回復後に他の感染症にかかると重症になりやすくなります。また体力や免疫力の回復には約1か月程度かかります。さらに肺炎や脳症などの重い合併症を引き起こすこともあるので注意が必要です。

症状

10~12日の潜伏期間があります。
※ワクチン接種歴がある人は、潜伏期間が長くなることや症状が見られないことがあります。
 
  • カタル期:はじめの3~4日は、38度前後の熱が続き、咳、鼻水、結膜(目)の充血などの症状(カタル症状)が次第に増強してきます。一時的に熱が下がったころに頬粘膜に白色の小斑点(コプリック斑)が出現します。
  • 発疹期:その後、少し解熱し、再度高熱が出ると同時に全身に発疹が出ます。発疹は耳の後ろから顔、体幹、手足へと広がり、高熱は4~5日続きます。
  • 回復期:熱は次第に下がり、発疹は出現した順に消えて、色素沈着が残ります。
  • 肺炎や脳炎などの合併症がない場合は、7~10日で症状が回復します。
  • 発症の1日前から熱が下がった後3日間は、感染力があります。特に初期症状の時期が感染力が最も強いです。外出(通勤・通学)を控えてください。

感染経路

空気感染、飛沫感染、接触感染
麻しん患者が咳やくしゃみをすると、周囲に麻しんウイルスを含んだしぶきが飛び散り、しぶきが乾燥してウイルスがしばらく空気中を漂います。このウイルスを含んだ空気を吸った人たちに感染する恐れがあります。その他に飛沫感染、接触感染もあります。
麻しんの感染力は非常に強く、麻しんに対する免疫がない集団のなかで1人の発症者がいると、周囲の12~14人の人が感染するとされています(インフルエンザでは1~2人)。

市民のみなさまへ

症状があるときの注意

  • 母子健康手帳でワクチン接種歴を確認してください。
  • 体温が37.5度以上になった場合や症状が出た場合は、すみやかに病院へ事前に電話連絡をし、麻しん患者と接触したかもしれないこと、現在の症状を伝えて、周囲に感染を広げないように病院の指示に従い受診してください。また、受診の際は公共交通機関の利用は控えましょう。

麻しん(はしか)に注意が必要な人

  1. 麻しん患者と接触または同じ部屋に居た人
    麻しんは空気感染するので、麻しんウイルスにさらされた可能性があります。
    ただし、ワクチン接種等で麻しんに対する十分な免疫をもっている人は発病しません。
  2. 麻しんに対する十分な免疫を持っていない人
  • 麻しんに罹患したことがない人
  • 過去に麻しんのワクチン接種を受けたことがない人
  • 麻しんワクチンの接種が2回済んでいない人、または過去10年以内に麻しんワクチンの接種を受けたことがない人
  • 血液検査で、麻しんの抗体がない、または十分な量がないと言われた人

麻しんと診断されたされた場合

診断された医療機関から保健所へ届出があり、お住まいの区保健センターから病状や発症前後の行動などの聞き取りを連絡しますので、協力をお願いします。
神戸市では医療機関からの相談があり、疑わしい接触歴や麻しん発生届の基準に該当する場合、遺伝子検査を実施しています。

海外へ渡航予定の方へ

海外では麻しんが流行している国があります。東南アジア、欧州等麻しんの流行国へ渡航される際は、麻しんの免疫があるか確認しましょう(罹患歴・予防接種歴)。また渡航先だけでなく空港でも、いろいろな国の人と接する機会がありますので、注意が必要です。
感染予防にはワクチン接種が有効です。過去に予防接種を受けたことがない方、定期予防接種を1回しか受けていない方は予防接種を受けましょう。

海外渡航前の必要な予防接種に関してはFORTH(厚生労働省検疫所ホームページ)をご確認ください。
麻しん(はしか)は世界中で流行している感染症です(厚生労働省リーフレット:出国前・帰国後の注意事項)(PDF:337KB)
FORTH(厚生労働省検疫所ホームページ)リンク

医療機関のみなさまへ

麻しんを診断した医師は、患者の氏名、住所等を直ちに保健所に届け出る必要があります。
麻しんに特徴的な発疹、発熱、咳・鼻汁・結膜充血などのカタル症状や、予防接種歴、患者との接触の有無などから麻しんを疑う患者を診察した医師は、届け出前に神戸市保健所へ連絡をお願いします。(TEL:078-322-6789)
確定診断の検査として、行政検査で遺伝子(PCR)検査を行っていますので、検体の採取(血液・咽頭ぬぐい液・尿)にご協力をお願いします。

関連資料

風しん

2018年の関東を中心とした流行では、風しん患者のうち約8割が男性で、特に30~40代の男性が多く感染しました。30~40代男性は、他の年齢層に比べ風しんの予防接種を受ける機会がなく、受けていない者の割合が高いため、注意が必要です。
風しんは妊婦、特に妊娠20週頃までの妊婦が風しんウイルスに感染すると、胎児も感染し、難聴、心疾患、白内障等の障害を持って生まれてくることがあります。(先天性風しん症候群)
風しんは予防接種で感染を防ぐことができます。
(※麻しんの感染も防ぐため、麻しん風しん混合ワクチン(MRワクチン)の接種を推奨しています。)
これから生まれてくる赤ちゃんを守るために、すべての人が免疫をもつことが大切です。
あなた自身に予防接種歴があるか、免疫があるかを確認し、なければ予防接種を受けて免疫をつけましょう。

風しんとは

  • 咳やくしゃみなどに含まれた風しんウイルスを吸い込むことで感染します。
  • 潜伏期間は、感染から14日~21日(平均16日~18日)。
  • 症状は、顔から全身に広がる赤い発疹、発熱、耳の後ろや首すじのリンパ節の腫れです。
  • 妊娠初期に風しんに感染すると、お腹の赤ちゃんにも感染し、心臓の病気や目や耳に障害を生じることがあります(先天性風しん症候群)。

医療機関のみなさまへ

風しんは、感染症法で全数届出が必要な5類感染症に定められており、風しんと診断した場合、患者の氏名、住所等を直ちに保健所に届け出る必要があります。
風しんに関する特定感染症予防指針(2017年12月一部改正)で、原則として全例に行政検査としてウイルス遺伝子検査(PCR検査)を実施することとなっています。全身性の小紅斑、紅色丘疹、発熱、リンパ節腫脹等の症状や予防接種歴、患者との接触歴の有無などから風しんを疑う患者を診察した医師は直ちに神戸市保健所まで連絡(TEL:078-322-6789)をしていただき、遺伝子検査の検体の採取(血液・咽頭ぬぐい液・尿)等にご協力をお願いします。

風しんに関する情報

予防にはワクチン接種が効果的!

空気感染をすることから、手洗いやマスクでの予防では十分な効果が得られません。
過去に予防接種を受けたことがない方、定期予防接種を1回しか受けていない方は予防接種を検討しましょう。
詳しくは、神戸市の予防接種のページを参考にしてください。

保健所麻しん・風しん予防接種のページ

麻しん、MR(麻しん・風しん混合ワクチン)

定期の予防接種が麻しんと風しんとの混合ワクチン(MRワクチン)が基本となった事から、麻しん単独ワクチンの製造は少なくなっています。MRワクチンは、麻しん単独ワクチン、風しん単独ワクチンをそれぞれ接種した場合と、効果や成分は同じですので、麻しんワクチン接種を希望される場合にはMRワクチンでの接種も考えてください。ただし、風しんワクチンも含まれるため、妊娠を考えている方は、接種後2ヶ月間は避妊するなどの注意が必要です。

麻しん風しん混合(MR)ワクチン接種の考え方(国立感染症研究所)(PDF:185KB)

定期の予防接種

定期の予防接種(無料)対象者は、他の予防接種よりMRワクチンを優先して受けてください。また、今後の麻しんなどの感染症流行を予防するためにも、定期の予防接種を受けましょう。
保健所麻しん・風しん予防接種のページ

【参考:麻しん・風しんワクチン(MRワクチン)の接種スケジュール(定期接種)】

  • 1期:1歳の誕生日前日から2歳の誕生日前日まで
  • 2期:小学校就学前1年間
【重要】新型コロナウイルス感染症の発生に伴い、定期予防接種を受けることができなかった方へ:新型コロナウイルス感染症に関連する「特別の事情」がある場合、接種期限を過ぎても接種が可能となる場合があります。

麻しんの予防接種をしている医療機関

かかりつけ医に相談するか、麻しん・風しん混合(MR)ワクチン定期予防接種の実施医療機関を参考に、医療機関に直接お問い合わせください。

参考:神戸市ホームページ

啓発ポスター・リーフレット(厚生労働省ホームページより)

 

お問い合わせ先

健康局保健所保健課