現在位置

ホーム > 健康・医療・福祉 > 健康・医療 > 感染症・予防接種 > 結核 > 結核に関する診療マニュアル

更新日:2020年8月11日

結核に関する診療マニュアル

ここから本文です。

神戸市では、年間約300人の患者が新たに発生しています。うち6割が70歳以上の高齢者です。高齢者はほかの疾患で治療中に結核の発病がわかることも多いため、日常の診療の中で、結核のことも念頭に置いていただきますようお願い致します。

結核を疑うべき事項

  • 咳が2週間以上続くとき。
  • 胸部単純画像で、空洞を認めるとき。
  • 微熱、全身倦怠感、食欲不振などがあるとき(特に高齢者では呼吸器症状以外も多い)。

結核を疑った時の対応

  • 咳がある場合には「咳エチケット」を推奨(マスク着用、咳をするときはタオルなどで口を覆う)。
  • 咳がある場合には検査、診察を速やかに行う(優先診察)など待ち時間の短縮。
  • 他の患者と分離した部屋での待機が理想。

結核(特に肺結核)診断のための検査

  • 喀痰抗酸菌塗抹・培養(適切な痰、3回)、結核菌群核酸増幅同定検査(PCR法、LAMP法等)。
  • 抗酸菌培養陽性=結核菌群陽性ではないので培養後の同定は必須。イムノクロマトグラフィー法の一つであるキャピリアTB-Neoは即日結果がわかり精度も高い。
  • 培養陽性の場合は薬剤感受性検査を行う。転院先で菌が培養されないことも考え、既に患者がいない場合にも行う。必要であれば転院先に菌株を送付する。
  • 喀痰が得られない場合は誘発喀痰、吸引痰、早朝胃液、気管支洗浄液等を検体とする。
  • 菌陰性で診断困難な場合、IGRA検査(クォンティフェロンTB ゴールド、TスポットTB)【検査機関に要予約】を参考にできる。ただし、乳幼児、BCG未接種者ではツベルクリン反応検査が優先される。

治療について

  • 標準治療はINH、RFP、EB(またはSM)、PZAの4剤2ヶ月、その後INH・RFPの2剤で4ヶ月の計6ヶ月(180日)である。
  • LVFXはINHまたはRFPが使用できないときに投与を検討する。
  • 菌が証明されなくても症状や画像所見から臨床的に結核の可能性が高いと判断して治療する場合にも、単剤による治療は薬剤耐性の原因となるので行ってはならない。

保健所への届出が必要な状況

  • 抗酸菌塗抹陽性かつPCR法、LAMP等で結核菌群陽性と判明したとき。
  • 未治療例で、PCR法、LAMP法等により結核菌群陽性、または抗酸菌培養陽性かつ結核菌群と同定したとき。(死亡後判明した場合も)
  • 画像所見や除外診断等から活動性結核と診断、または活動性結核の可能性が高く治療を開始するとき。
  • 治療が必要な潜在性結核感染症(LTBI)と診断したとき。

保健所への届出手順

  • 直ちに「患者発生届」を患者居住区の区役所・支所の下記届出先に提出(FAXでも可)。

届出様式及び届出先

入院の必要性の判断

  • 喀痰抗酸菌塗抹陽性かつPCR法、LAMP法等で結核菌群陽性の場合(感染性有)は原則入院(保健所保健センターより入院勧告を行う)。
  • 状況により入院:喀痰抗酸菌塗抹陰性だがPCR法、LAMP法等で結核菌群陽性、抗酸菌培養陽性かつ結核菌群と同定、画像上排菌の可能性が考えられる、菌陰性だが咳が多い(特に、施設入所・医療機関入院中等の場合)。
  • 原則外来対応可能:喀痰抗酸菌塗抹3回陰性で、激しい咳がない。

感染性が否定できない患者への指示(検査中の場合等)

  • 外来受診時・外出時(同居者が要る場合は家の中でも)はマスクを着用する(咳エチケット)。
  • 外出を控える。特に公共交通機関は使用しない。
  • 多くの人や小児と接する職種の人は仕事を休む。

患者が入院に同意しない場合

  • 患者居住区の区役所・支所に届出のうえ、担当者と相談。

神戸市周辺の結核病床のある病院

西神戸医療センター 神戸市西区 TEL:078-997-2200
 地域医療室 TEL:078-993-3714(直通)
兵庫中央病院 三田市 TEL:079-563-2121
谷向病院 西宮市 TEL:0798-33-0345

入院・外来治療の依頼・紹介等

  • 入院必要例は、隔離の必要・部屋の確保等があることから、必ず前もって電話連絡すること。
  • 上記医療機関以外の外来での治療相談・患者紹介についても予約が望ましく、感染性が少しでも疑われる場合は必ず前もって電話連絡する。
  • 結核疑いで西神戸医療センターの外来へ紹介する際には、地域医療室を通じてFAX予約するシステム(参考 http://www.nmc-kobe.or.jp/renkei/index.html)があることから、活用されたい。

紹介時の患者・家族への説明要旨

  • 感染性結核の可能性が高く、周囲への感染を防止するため結核病棟への入院が必要である。
  • 入院期間は、個々の状況によるが、治療開始時に感染性が高い場合1~2ヶ月程度となる。
  • 保健所から入院勧告を受けての入院の場合、手続きを行えば利用できる公費負担制度がある。
  • 現在重症で全身状態が不良である場合を除き、適切な治療を受ければ治る病気である。

移動についての指示

  • 自家用車、介護タクシー、民間救急車等を使用(患者はマスク、同乗者はN95マスク着用)。
  • 全身状態が不良で、早急に搬送が必要な場合のみ救急要請する。

家族への感染についての説明

  • 周囲への感染防止は、本人の「咳エチケット」が最も大切といえる。
  • 家族等、濃厚接触者は感染している可能性があるが、咳や痰がなければ他人にうつすことはなく、行動制限も必要ない。
  • すぐに検査しても感染の有無はわからないため、検査の必要性や時期を区役所・支所こども保健係(保健センター)と相談する。

感染対策

  • 患者が滞在した空間(部屋、車等)は、十分に換気をすればよく、特別な消毒は必要ない。
  • 接触者健診の必要性と範囲については区役所・支所こども保健係(保健センター)と相談する。
  • 医療機関内の感染が疑われる場合にも区役所・支所こども保健係(保健センター)と連携して接触者健診を行う。

自院での治療時の留意点

  • 結核指定医療機関であることが必要。
  • 薬剤耐性がある場合、副作用により標準治療が行えない場合には、呼吸器内科医に相談する。

お問い合わせ先

市政、くらし、各種申請手続でわからないことは神戸市総合コールセンターにお電話ください

電話 078-333-3330 Fax 078-333-3314

このページの作成者

健康局保健所予防衛生課 

〒650-8570 神戸市中央区加納町6-5-1 神戸市役所1号館6階、1号館21階 西側フロア