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環境DNA分析による海域魚類調査

最終更新日:2023年4月18日

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これまでの経緯

  • 瀬戸内海は日本最大の内海で、多種多様な生物が生息する漁業資源の宝庫です。
  • 高度経済成長期(1955年から1973年頃まで)の急速な工業化、都市化の進展に伴い、大量の工場排水、生活排水が瀬戸内海に流入し、瀬戸内海は急激に水質が悪化し、「瀕死の海」と呼ばれるようになりました。
  • 1973年に制定された瀬戸内海環境保全特別措置法に基づく厳しい排水規制、公共下水道等の生活排水処理施設の整備により、現在瀬戸内海の水質は大きく改善しました。一方で、現在ノリの色落ちやイカナゴ等の漁獲量の減少など新たな課題が顕在化しており、栄養塩類の減少がその原因の一つとして指摘されています。
  • このため、神戸市では、豊かな海の再生に向けた取り組みとして、平成28年度より垂水下水処理場において栄養塩類管理運転の試行に取り組むとともに、毎月測定している公共用水域の常時監視データを適宜HPに公開することで最新の海域の栄養塩類状況の情報共有を行っています。
  • また、海域魚類の生息状況を確認するため、令和2年度に海水の環境DNA分析による海域魚類調査を行い、適切に調査ができることを確認しました。このため、令和4年度より当調査を実施しています。

環境DNA分析とは

  • 川や池などの水中に存在するDNA(魚等から排出された粘膜や糞などに含まれるDNA)を「環境DNA」といいます。採取した水を分析した結果、検出した環境DNAと既知の生物のDNA情報とを照合することにより、その水域に生息する生物を調査する手法です。
  • 水中の生物を採取することなく、水を分析することにより、その水域に生息している生物を推定することが可能であることから、①生物を傷つけない、②生息環境を損なわない、③現地調査にかかる労力が低減される等の利点があり、生物種の存在を確認するための手法として有効です。

環境DNA_概略図

令和2年度環境DNA分析による海域魚類調査結果

  • 令和2年4月から令和3年2月に6回(4月、6月、9月、10月、12月、2月)、22地点において調査を実施しました。
  • 全地点合せて167種の魚類が検出されました。
  • 令和2年度結果概要(PDF:226KB)

令和4年度環境DNA分析による海域魚類調査調査結果

  • 令和4年4月より令和5年3月まで毎月、11地点において調査を実施しました。
  • 全地点合わせて200種の魚類が検出されました。
  • 令和4年度結果(PDF:216KB)

お問い合わせ先

環境局自然環境課