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更新日:2020年11月9日

阪神・淡路大震災 消防職員手記(消防局本部・施設課)

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工務班(施設課)奮戦記(1995年3月号掲載・服部 功)

資機材1月17日午前5時46分、市役所2号館6階は押しつぶされ、1人が下敷となった。清掃会社の社員である。同僚社員助けを求める声が。召集で集まって来た施設、職員課の職員で救助に向う。何も器材がない。器材を求めて近くの署を駆け巡ったが、各署も手一杯。その間、わずかな器具を使って救助を試みたが不調に終わる。建築協力会の応援を得て削岩機で床に穴を開け、守口門真消防救助隊の協力を得て救助に成功。時は午後6時、外は、夕闇、火災の炎が目にしみる。

震災と同時に消火活動に出動した車両の燃料不足が懸念された。午後からは他都市応援部隊が続々到着しはじめた。ガソリンスタンドも営業不能。被害の大きさから見て市内油槽所のダメージも大きいと判断。何とか手配しなければ。姫路に出光の油槽所がある。姫路消防に手配を依頼。15時、14klローリー4台が神戸に向かう。途中凄まじい交通渋滞に巻き込まれ、長田消防署前に到着したのは18日の午前1時頃、10時間を要したことになる。その間悪戦苦闘する長田消防署の要請で昭和シェル石油の全面協力を受け、燃料補給が行われていた。また、中嶋石油の協力を得てミニローリーにより工務班の手で放水中の各車に燃料を配送した。その後昭和シェル石油には、最後までお世話になることになる。

その頃、生田以東の各署から燃料補給を求める悲鳴に近い電話が続々。気は焦る。神戸に到着したタンクローリーにも難問が。大型ローリーから直接給油の方法がない。その時、新開地に近いガソリンスタンド「関西アポロ」が24時間営業していることをキャッチ、同じ出光系だ。直ちにローリーを関西アポロへ。責任者の了解を得て地下タンクに投入、ドラム缶への移し替えに成功。そこに連絡を受けた消防科学研究所長以下の面々が大型トラックで到着。全員慣れないドラム缶転がしに挑戦、ここに燃料配送が開業。ますます過酷さを増す交通渋滞と応援部隊の増加にドラム缶配送だけでは間に合わない。中嶋、高田、平井、石坂商事各石油店から1kl積ローリーの協力を得たことも、消火、救急、救助活動がスムーズに行えたものとして感謝に堪えない。
ちなみにドラム缶輸送に大活躍した消防局のトラックは、後継トラックの配置により後2~3日で廃車手続きの運命にあったが、老体にムチ打ちながらよく働いてくれた。ご苦労さん。

困難な条件で活動する各署からホースが足りない、資器材が不足している、と求める声が続々入る。直ちに購入手配をする。神戸市内の取引事業所は事々事々被災者。大阪の関係先に電話。営業していない所が多い。何としてもホースの購入を、と考えるが在庫がない、あっても栃木県との返事、そこを何とかお願いする。ホースを500本徹夜で製造してくれた会社。夜を徹して栃木県から輸送してくれた会社。各社とも神戸の緊急事態に損得を忘れて、大渋滞の中疲れ果てた姿で深夜に到着を告げに来られた姿に思わず涙する。この様なことは長い人生の中にも無かったことだ。人々の暖かい心に感謝以外表す言葉がない。調達品の主な物は次表のとおり。

  • ホース 1,400本
  • 防塵マスク 5,200個
  • 発電機 40台
  • 強力ライト 480器
  • 投光器 40台
  • コードリール 47器
  • 防塵メガネ 300個
  • エンジンカッター 40台

また、携帯無線機40台の寄贈も受け、電気通信監理局の超法規措置により直ちに活用できたことも、現場活動に大きく寄与した。

調達した資器材は市役所3号館を目指して送られて来る。3号館周辺は大混乱。到着した資器材を大渋滞の中にいかにして各署に届けるか大きな問題である。そこで登場したのが夜間専門運送隊。比較的渋滞が緩和する夜間に配送しようとの苦肉の策。12月に配置された新車トラックの出番である。担当は工務班、出発は真夜中、配送計画を立て東奔西走少しでも現場の役に立ちたいの一心からの行動である。
大渋滞、自動車での連絡は不可能に近い。自転車があれば、皆が考えている時、災対本部から自転車が割り当てられた。またまた各署への配送が大問題。遠い署にはトラックで、近くの署には銀輪部隊を編成し各署へ。帰りはもちろん徒歩。

灘消防署望楼上部倒壊、葺合消防署望楼倒壊転落、よくぞ下に人が居なかったものとゾッとする。二次災害防止のためにも解体撤去が急がれる。営繕部の協力を得て解体業開店。灘消防署前は大渋滞。深夜作業しか許可が出ない。第1日目解体に失敗、2日目にやっと事故なく成功。ホッと胸を撫で降ろす。

葺合の撤去作戦は夕方の5時、大渋滞の中消防車と防水シートで事故防止策を取ることでやっと警察の許可を。署員の協力を得て通行人が見上げる中、事故無く完了。何となく満足感にひたりながら帰庁。
葺合消防署は大阪ガス空室に緊急移転し業務開始。大阪ガスも被災者、復旧工事の拠点として利用の意向。直ちに仮設庁舎用地の確保に奔走。三宮周辺空地を調べるも適地なし。理財、都市計画両局の暖かい協力を得て、葺合は新神戸駅前、生田は旧下山手小校庭、青木は都市計画用地に確定、直ちに葺合の仮設庁舎工事に入る。業者には工期を巡って散々難題を。葺合と青木は3月中の完成予定。署員の不自由さを思えば苦労も何のその。
空屋となった葺合、生田、青木は盗難防止の塀づくり。日頃お世話になっている業者の素早い対応に感謝するのみ。
水に濡れ、泥まみれ活動して帰署しても風呂は無し。劣悪な環境で活動する隊員を思うと何とかしなくては。しかし水が出ない。ガスが出ない。せめて湯が沸かせないか。取引の無い伊丹産業の協力でプロパンボンベとガスコンロを配布して貰う。更に水道が復旧すれば都市ガスが供給されなくても直ちに風呂が沸かせるようプロパンガス用風呂釜の取付を業者に依頼。都市ガスが供給されていない今日(2月25日)大いに活躍している筈である。各署に配送した20キロ、50キロは100本を越える。

今回の地震を教訓に数々の復旧と施策が打ち出されている。施設課の担当するものは多い。平成6年度補正と7年度予算で

  • 使用不能庁舎の仮設と本設、庁舎修復
  • 耐震防火水槽の建設 50基設置
  • 10トン水槽車 11台購入
  • 海水利用システム用車両購入 9セット
  • ポンプ車、高規格救急車、その他車両
  • 通信機器整備
  • 地震関連破損車両整備及び修理

その他の経常業務を加えると総額は数10億を超える。
阪神・淡路大震災の大きな余震は当分施設課で続く。

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