- ロタウイルス感染症の予防接種は2020年10月1日より定期予防接種となりました。
ロタウイルス胃腸炎とは
ロタウイルス胃腸炎は、ロタウイルスによって引き起こされる急性の胃腸炎で、乳幼児期(0~6歳ころ)にかかりやすい病気です。ロタウイルスは感染力が強く、ごくわずかなウイルスが体内に入るだけで感染してしまいます。ふつう、5歳までにほぼすべての子どもがロタウイルスに感染するといわれています。大人はロタウイルスの感染を何度も経験しているため、ほとんどの場合、軽い症状ですむか、症状が出ません。しかし、乳幼児は、激しい症状が出ることが多く、特に初めて感染したときに症状が強く出ます。主な症状は、水のような下痢、吐き気、嘔吐(おうと)、発熱、腹痛です。脱水症状がひどくなると点滴が必要となったり、入院が必要になることがあります。5歳までの急性胃腸炎の入院患者のうち、40~50%前後はロタウイルスが原因です。
ワクチンの効果
ロタウイルスワクチンは、重症化予防に効果があるとされています。
ワクチンを接種することにより、ロタウイルス胃腸炎による入院患者を約70~90%減らすことができたと報告されています。
定期接種の対象者
以下の要件を全て満たしている方
- 接種日時点で下記の接種期間内にある方
- 接種日時点で神戸市に住民登録がある方
(注)規定通りの接種間隔・接種期間内に接種できなかった場合は定期(無料)として接種できませんので、ご注意ください。
接種期間・接種スケジュール
ロタウイルスワクチンは2種類あり、どちらも生ワクチン(弱毒化したウイルス)で、飲むワクチンです。2種類とも、予防効果や安全性に差はありませんが、ワクチンの種類によって接種回数が異なります。途中で、別の種類のワクチンに変更することはできませんので、2回目以降は、必ず1回目に受けたワクチンと同じワクチンを接種してください。
ロタウイルスワクチンの接種期間・接種回数
ワクチン名 |
ロタリックス |
ロタテック |
接種期間 |
出生6週0日後から24週0日後まで |
出生6週0日後から32週0日後まで |
接種回数 |
2回接種(27日以上の間隔をあける) |
3回接種(27日以上の間隔をあける) |
標準的な接種期間
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- どちらのワクチンも、1回目の接種を、生後2か月から出生14週6日後までにします。(※出生15週0日後以降の1回目接種は、安全性が確立されていません。)
- 2回目以降は、27日以上の間隔をあけますが、できるだけ早く接種しましょう。
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接種スケジュール表

接種費用
無料
【注意】予防接種券は、接種日現在、神戸市に住民登録がなければ使用できません。また、定期接種として規定している接種間隔を満たさない場合や接種期間を過ぎた場合は使用できません。場合によっては、接種料金を返還していただくことがありますのでご注意ください。
接種場所
- 神戸市内または明石市内(一部)の予防接種契約医療機関で接種できます。
- 神戸市内の契約医療機関は、[予防接種契約医療機関一覧]や市総合コールセンター(TEL:0570-083330または078-333-3330、FAX:078-333-3314)にてご確認ください。なお、医療機関の希望により、ホームページへの掲載を見合わせている場合もあります。まずはかかりつけ医等にご確認ください。
- 神戸市外で接種される場合は、接種前に別途手続きが必要です。手続き方法は、[市外の医療機関等での予防接種の受け方]をご確認ください。
接種方法
- あらかじめ電話等で、予防接種契約医療機関に、接種日時の予約をしてください。
- 予防接種当日は検温を必ず行い、健康状態が良好であることを確認してください。接種前には、予防接種の注意をご確認ください。
- 医療機関に予防接種券、母子健康手帳、本人確認ができるもの(健康保険証等)を持参して接種を受けてください。接種を受けるお子様の健康状態を十分に把握している保護者が必ず付き添ってください。
※予防接種券の必要事項を事前に記入して持参してください。
※母子健康手帳は、接種歴の確認や接種したことの記録をします。
※予診票は医療機関に準備しています。
紛失・転入などで「予防接種券」がお手元にない方へ
予防接種券を紛失された方・神戸市に転入をされた方で接種券がお手元にない方は、母子健康手帳(予防接種歴のわかるもの)を持参のうえ、住民登録のある区の区役所・支所の保健福祉課窓口で交付を受けてください(即日発行)。
住民登録のある区の区役所・支所への来所が難しい場合は、郵送での手続きも可能です。郵送で申請される場合は2週間ほどかかります。郵送申請の申請方法は「
予防接種券について」の「郵送手続きの方法」をご確認ください。
接種を受ける際の注意事項
ワクチンを接種する前
- 接種前には、予防接種の注意をご確認ください。
- ロタウイルスワクチンは飲むワクチンです。赤ちゃんのお腹がいっぱいだと上手にワクチンを飲めない場合がありますので、接種前30分ほどは授乳を控えましょう。なお、ワクチンがうまく飲めなかったり、吐いたりしてしまった場合でもわずかでも飲み込みが確認できていれば、ワクチンの効果に問題ありませんので、再度接種する必要はありません。
ワクチンを接種した後
どのワクチンも接種後に副反応が起こることがあるため、接種後はお子様の様子をよくみてください。また、ワクチン接種2週間程は、赤ちゃんの便の中に、ワクチンのウイルスが含まれることがあります。おむつ交換の後など、ていねいに手を洗ってください。万が一、高熱、けいれんなど、異常を感じた場合は、すぐに医師の診察を受けてください。
腸重積症について

ロタウイルスワクチンを接種した後に、腸重積症の発症頻度がわずかに上昇することが分かっています。腸重積症とは、腸が腸に入り込み、閉塞状態になることです。腸重積症になると、腸が詰まって血液の流れが悪くなることで、腸の組織が壊死することがあります。ワクチンの接種にかかわらず、3か月~2歳くらいまでの乳幼児がかかりやすい病気です。
接種後(特に1週間)に、以下のような症状が一つでも現れたら、腸重積症が疑われます。
症状に気づいたら、すみやかに医療機関を受診してください。接種した医療機関とは別の医療機関を受診する場合は、ロタウイルスワクチンを接種したことを医師に伝えてください。
腸重積症は、手術が必要になることもありますが、発症後、早く治療すれば、ほとんどの場合、手術をせずに治療できます。
接種できない場合
明らかに発熱(通常37.5℃以上)している人や、重度の急性疾患にかかっている人、過去に同じワクチンで強いアレルギー反応が出た人は、接種することができません。また、未治療の先天的な消化管障害のある人や、過去に腸重積症をおこした人、重症複合型免疫不全(SCID)のある人も、接種できません。このほかにも、接種を中止したり、延期したりしたほうがよい場合もありますので、予防接種当日は、よく医師と相談してください。
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