四種混合ワクチンは、ジフテリア・破傷風・百日せき・ポリオを予防するための予防接種です。
2023年4月1日より定期接種期間が変更になり、接種開始時期が生後3か月から生後2か月に繰り上げられました。 |
このワクチンで予防できる病気
ジフテリアとは
ジフテリアはジフテリア菌により発生する疾病です。その発生は最後に報告されたのが、1999年であり稀になりましたが、かつては年間8万人以上の患者が発生し、そのうち10%程度が亡くなっていた重要な病気です。
主に気道の分泌物によってうつり、喉などに感染して毒素を放出します。この毒素が心臓の筋肉や神経に作用することで、眼球や横隔膜(呼吸に必要な筋肉)などの麻痺、心不全等を来たして、重篤になる場合や亡くなってしまう場合があります。
ジフテリアにかかった場合、一般に10%程度の方が亡くなってしまうといわれています。また、特に5歳以下や40歳以上の年齢の場合は重くなりやすく、最大で20%の方が亡くなってしまうといわれています。
ワクチン接種により、ジフテリアの罹患リスクを95%程度減らすことができると報告されています。
破傷風とは
破傷風は、破傷風菌により発生し、かかった場合に亡くなる割合が非常に高い病気です。以前は新生児の発生もみられましたが、近年は30歳以上の成人を中心に患者が発生しています。
主に傷口に菌が入り込んで感染を起こし毒素を通して、さまざまな神経に作用します。口が開き難い、顎が疲れるといった症状に始まり、歩行や排尿・排便の障害などを経て、最後には全身の筋肉が固くなって体を弓のように反り返らせたり、息ができなくなったりし、亡くなることもあります。
ワクチン接種により、100%近い方が十分な抗体を獲得すると報告されています。
百日せきとは
百日せきは百日咳菌によって発生します。名前のとおり激しい咳をともなう病気で、1歳以下の乳児、とくに生後6か月以下の子どもでは亡くなってしまうこともあります。
主に気道の分泌物によってうつり、咳のために乳幼児では呼吸ができなくなるために全身が青紫色になってしまうこと(チアノーゼ)やけいれんを起こすことがあります。また、窒息や肺炎等の合併症が致命的となることがあります。
百日せきにかかった場合、一般に0.2%(月齢6か月以内の場合は0.6%)のお子さんが亡くなってしまうといわれています。また、肺炎になってしまうお子さんが5%程度(月齢6ヵ月以内の場合は約12%)いるとされており、その他けいれんや脳炎を引き起こしてしまう場合もあります。
ワクチン接種により、百日せきの罹患リスクを80~85%程度減らすことが出来ると報告されています。
ポリオ(急性灰白髄炎)とは
ポリオ(急性灰白髄炎)は脊髄性小児麻痺とも呼ばれ、ポリオウイルスによって発生する疾病です。名前のとおり子ども(特に5歳以下)がかかることが多く、麻痺などを起こすことのある病気です。
主に感染した人の便を介してうつり、手足の筋肉や呼吸する筋肉等に作用して麻痺を生じることがあります。永続的な後遺症を残すことがあり、特に成人では亡くなる確率も高いものとなっています。
ポリオウイルスに感染した場合、弛緩性麻痺を起こす割合は1%以下とされていますが、麻痺性の急性灰白髄炎を発症した場合には、一般に2~5%の子どもが亡くなってしまうといわれています。また、特に成人の場合は重くなりやすく、15~30%の方が亡くなってしまうといわれています。
日本では、1960(昭和35)年に、ポリオ患者の数が5千人を超え、かつてない大流行となりましたが、生ポリオワクチンの導入により、流行はおさまりました。1980(昭和55)年の1例を最後に、現在まで、野生の(ワクチンによらない)ポリオウイルスによる新たな患者は出ていません。
定期接種の対象者
以下の要件を全て満たしている方
- 接種日時点で、生後2か月の前日から7歳6か月になる日の前日まで
- 接種日時点で神戸市に住民登録がある方
接種回数と接種スケジュール
合計4回(初回接種3回、追加接種1回)
区別 |
接種回数 |
標準的な接種間隔 |
必ずあける必要がある間隔 |
定期接種期間 |
初回接種 |
3回 |
20日~56日の間隔をあける |
20日以上の間隔をあける |
生後2か月の前日から
7歳6か月になる日の前日まで |
追加接種 |
1回 |
初回(3回目)接種終了後、
12~18か月の間隔をあける |
初回(3回目)接種終了後、
6か月以上の間隔をあける |
- 2018年1月29日より3種混合(ジフテリア・百日せき・破傷風)(DPT)ワクチン「トリビック」の販売が再開しました。3種混合ワクチン未接種者で定期接種対象年齢の方は、3種混合(DPT)ワクチンでの接種も可能となりました。
- 2023年4月1日より定期接種期間が変更になり、接種開始時期が生後3か月から生後2か月に繰り上げられました。
★予防接種の間隔やスケジュールの管理は、スマホアプリ「
KOBE予防接種ナビ」をご活用ください。
接種費用
無料
【注意】予防接種券は、接種日現在、神戸市に住民登録がなければ使用できません。また、定期接種として規定している接種間隔を満たさない場合や接種期間を過ぎた場合は使用できません。場合によっては、接種料金を返還していただくことがありますのでご注意ください。
接種場所
- 神戸市内または明石市内(一部)の予防接種契約医療機関で接種できます。
- 神戸市内の契約医療機関は、[予防接種契約医療機関一覧]や市総合コールセンター(TEL:0570-083330または078-333-3330、FAX:078-333-3314)にてご確認ください。なお、医療機関の希望により、ホームページへの掲載を見合わせている場合もあります。まずはかかりつけ医等にご確認ください。
- 神戸市外で接種される場合は、接種前に別途手続きが必要です。手続き方法は、[市外の医療機関等での予防接種の受け方]をご確認ください。
接種方法
- あらかじめ電話等で、予防接種契約医療機関に、接種日時の予約をしてください。
- 予防接種当日は検温を必ず行い、健康状態が良好であることを確認してください。接種前には、予防接種の注意をご確認ください。
- 医療機関に予防接種券、母子健康手帳、本人確認ができるもの(健康保険証等)を持参して接種を受けてください。接種を受けるお子様の健康状態を十分に把握している保護者が必ず付き添ってください。
※予防接種券の必要事項を事前に記入して持参してください。
※母子健康手帳は、接種歴の確認や接種したことの記録をします。
※予診票は医療機関に準備しています。
紛失・転入などで「予防接種券」がお手元にない方へ
予防接種券を紛失された方・神戸市に転入をされた方で接種券がお手元にない方は、母子健康手帳(予防接種歴のわかるもの)を持参のうえ、住民登録のある区の区役所・支所の保健福祉課窓口で交付を受けてください(即日発行)。
住民登録のある区の区役所・支所への来所が難しい場合は、郵送での手続きも可能です。郵送で申請される場合は2週間ほどかかります。郵送申請の申請方法は「予防接種券について」の「郵送手続きの方法」をご確認ください。
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