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5月から7月は、ひょう(雹)に注意

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初夏を思わす気温の高い日があるかと思えば、急に肌寒い日があるなど、日ごとの寒暖の差が激しい日が続いていますが、いよいよ大型連休を迎える季節となりました。

今回は初夏に発生することが多い「ひょう(雹)」について解説します。(この記事は、2023年4月26日に掲載しています。)

ひょう(雹)とは

ひょう(雹)とは、気象庁の予報用語では「積乱雲(強い上昇気流によって鉛直方向に著しく発達した雲)から降る直径5mm以上の氷塊」(5mm未満の氷塊は「あられ」と呼ぶ)と解説されており、5月から6月の初夏や10月などに雷雨を伴って降ることが多い現象です。 

この季節は、地表と上空の温度差が大きくなることが多く、そうなると空気の上下変動が起きやすくなり、積乱雲が発生・発達しやすい状態(大気の状態が不安定)になります。

気温が高いため、大きな氷の粒が形成されにくく、形成されても地表に届くまでに溶けてしまうことが多い夏場や、地表と上空の温度差が比較的小さいため、積乱雲が発達することが少ない冬場は、ひょう(雹)が降ることは少ないと言われています。

ひょう(雹)やあられは、最初は小さな氷の結晶ですが、上昇気流が激しい積乱雲の中で上下運動を繰り返す中で結晶が衝突したり、氷の表面の水滴がさらに凍ったりして、次第に氷の塊が大きくなり、ひょう(雹)やあられが形成され、上昇気流が支えきれなくなると落下をはじめます。通常は落下する間に溶けて雨となりますが、気温が上がりきらない初夏や秋には、溶けきれず、ひょう(雹)やあられとなって地上に達します。
ひょう(雹)の写真(気象庁リーフレット抜粋)
ひょう

ひょう(雹)などによる被害

ひょう(雹)は、短時間に局地的に降るため、予測が難しい現象で、中にはゴルフボールやソフトボールくらいの大きさもあります。ひょう(雹)は、大きければ大きいほど、落下速度も速くなりますので、農作物やビニールハウス、自動車などへの被害や、人がケガをするおそれがあり、注意が必要です。

積乱雲の下では、ひょう(雹)以外にも、雷や竜巻などの激しい突風、急な大雨など、災害につながりやすい現象が発生します。

天気予報の解説で「大気の状態が不安定」や「上空に寒気」という言葉が出てきた場合には、積乱雲により天気が急変する可能性を表していますので、野外で活動する場合は特に注意が必要です。そして、積乱雲に伴う気象災害のおそれが高まったときには、気象庁から雷注意報や竜巻注意情報などで、注意が呼びかけられますので、これらの情報を見聞きしたときは、「気象レーダー」などで雨雲の動きをチェックするなど、天気の急変に備えてください。

野外活動中に気を付けること

次のような場合は、できるだけ丈夫な建物に避難するなど、身の安全を守ってください。
  • 真っ黒な雲が近づき、周囲が急に暗くなる
  • 雷鳴が聞こえたり、来光が見えたりする
  • ヒャッとした冷たい風が吹き出す
  • 大粒の雨やひょう(雹)が降り出す
  • その他、発達した積乱雲が近づく兆し

発達した積乱雲の外観と積乱雲の構造(気象庁ホームページより)
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危機管理室総務担当