台風と災害(5)

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神戸市防災気象官(気象防災アドバイザー)がお届けする「気象に関するトピックス」8回目は、前回に引き続き「台風と災害」です。今回は、台風接近・通過時等に発表される台風情報について具体的に説明します。(この記事は、2021年11月4日に掲載しています。)

台風情報とは

台風が発生したときや、台風が日本に影響を及ぼすおそれがあるか、すでに影響を及ぼしているときに、気象庁から「台風に関する気象情報(全般台風情報)」が発表されます。

また、今後台風に発達すると予想される熱帯低気圧が日本に影響するおそれがある場合には、「発達する熱帯低気圧に関する情報」という標題で情報が発表されます。

これらの情報には、台風の実況と予想などを示した「位置情報」と台風の見通しや予想雨量など、防災にかかわる情報や災害への留意点、台風の発生や上陸などを示した「総合情報」があり、気象庁ホームページで確認することができます。
 
台風情報の内容や発表時間等
(「台風情報の種類と表現方法」気象庁ホームページより)

台風情報の見方

台風情報は、台風及び発達する熱帯低気圧の実況と予報からなります。台風の実況は3時間ごとに発表されており、その内容は、台風の中心位置、進行方向と速度、中心気圧、最大風速(10分間平均)、最大瞬間風速、暴風域、強風域となっています。

現在の台風の中心位置を示す×印を中心とした赤色の太実線の円は暴風域で、風速(10分間平均)が25m/s以上の暴風が吹いているか、地形の影響などがない場合に吹く可能性のある範囲を示しています。
黄色の実線の円は強風域で、風速(10分間平均)が15m/s以上の強風が吹いているか、地形の影響などがない場合に吹く可能性のある範囲を示しています。
また、現在までの台風経路は青い線で、発達する熱帯低気圧の期間の経路は青い破線で示しています。

台風の予報は、1日(24時間)先までの12時間刻みの予報が3時間ごとに発表され、さらに5日(120時間)先までの24時間刻みの予報が6時間ごとに発表されています。
予報の内容は、各予報時刻の台風の中心位置(予報円の中心と半径)、進行方向と速度、中心気圧、最大風速、最大瞬間風速、暴風警戒域となっています。

破線の白色の円は予報円で、台風の中心が到達すると予想される範囲を示しています。予報した時刻に、この円内に台風の中心が入る確率は70%です。
また、予報円の中心を結んだ白色の破線を表示することもできますが、台風の中心が必ずしもこの線に沿って進むわけでないことに注意が必要です。
予報円の外側を囲む赤色の実線は暴風警戒域で、台風の中心が予報円内に進んだ場合に5日(120時間)先までに暴風域に入るおそれのある範囲全体を示しています。
 
台風情報の表示例
(「2021年(令和3年)台風第16号の台風情報」気象庁ホームページより)

台風の中心気圧や最大風速は、台風が進むコースによって大きく変わる場合がありますので、常に最新の予報を利用することが重要です。

台風の動きが遅い場合には、12時間先の予報が省略されることがあります。また、台風が日本に接近し、影響するおそれがある場合には、台風の位置や強さなどの実況と1時間後の推定値を1時間ごとに発表するとともに、24時間先までの3時間刻みの予報を3時間ごとに発表され、警戒が必要となる時間帯がより詳しくわかります。

台風が接近すると、暴風や激しい雨などで避難所へ移動することが困難となる場合がありますので、神戸市から発令される避難情報や台風情報、警報、キキクル(危険度分布)などの防災気象情報を確認し、安全に行動できるうちに避難するなど、早めの対応が重要となります。

キキクル(危険度分布)

雨による災害の危険度を5段階で色分けして地図上にリアルタイム表示するもので、どこで危険度が高まっているかを把握することができ、活用することにより災害から自分自身や大切な人の命を守ることができる情報です。気象庁のホームページで確認できます。

お問い合わせ先

危機管理室総務担当