最終更新日:2025年9月11日
ページID:81261
ここから本文です。
司会:
それでは、9月1回目の市長定例会見を始めさせていただきます。
市長、よろしくお願いいたします。
久元市長:
よろしくお願いいたします。今日、私がお話を申し上げたい案件は2件です。既に発掘されました海軍操練所の跡に、新しい展示施設を整備いたします。それから、諏訪山に新しい登山の拠点、ポータル、すわやまガーデンを整備いたします。
まず、海軍操練所の跡地に整備する展示施設の内容です。2023年の12月に、この場で、この記者会見で発表いたしましたけれども、開港以前の幕末期に、大規模な港湾施設の建設がこの地で行われていると。具体的には、海軍操練所の遺構が神戸市の文化財課によって発掘されました。
海軍操練所は、よく知られておりますように、1864年5月に勝海舟の献言によりまして、幕府が神戸に設置した海軍の施設です。海軍士官の養成所であり、軍艦の修理、整備、燃料の補給基地や造船機能を有する施設を目指したものでした。幕府の海防拠点の建設を目指したとされています。
神戸市の調査では、幕末期の港湾施設を土台として、そして、明治時代の初めに神戸港が築かれた。つまり、幕末期から明治時代にかけての国家規模の事業が神戸で進められてきたという経緯が明らかになりました。つまり、幕府の事業と明治政府の港湾事業というのが、これが連続しているということです。これが明らかになりました。
この写真が、当時発掘をされました遺構の概要です。私は専門家でありませんので、説明を受けた内容をそのまま申し上げるだけですけども、この下ですね。下層の石積み防波堤、これが発見をされました。この上に明治の港湾施設が整備をされたと。こういう構造になっているわけです。
発掘調査後は、保存のために現在は埋め戻して空き地にしておりますので、この遺構は現在見ることはできません。これが発見をされてから、海軍操練所というのは全国的にも知られた施設でありましたので、これがまさに遺構が発見されたということで、市民の皆さん、あるいは来街者の皆さんに、これをぜひ見ていただきたいということで、市民見学会を開催いたしました。
この3月には、これは市立博物館で発掘調査の報告会を行いました。私も出席をいたしましたけれども、本当に熱心なたくさんの皆さんが詰めかけていただいて、質問をいただいたことを覚えております。その後、調査結果をまとめた報告書を作成いたしまして、ホームページにも掲載をしております。
様々な出土品もありまして、当時の西洋の方々がジンを飲んだ、そのジンのボトルですとか食器などが出土しておりまして、その後、発掘調査の成果の速報展というのを、これは私も見に行きましたけれども、埋蔵文化財センターで展示をいたしました。
これからこれをどうするのかということですけれども、暫定的に展示施設を整備したいと考えています。展示施設のイメージは、大体こういう感じです。この遺構を直接見ることができるように、間近にこの遺構を見ることができるように、今、土をかけていますけれども、これを再掘削いたしまして、敷地全体の整備、そして、間近からこの遺構を見ることができる、そして、休憩施設を備えた広場として整備をしたいと考えております。
この発掘調査では、以前から神戸燈竿、灯台ですけれども、この存在は写真などで知られておりまして、そこの遺構が、基礎が見つかったということから、この展示施設では、神戸燈竿の再現をすることとしたいというふうに思っております。
防波堤の全体形状は、広場の舗装によって表現をすると。明治時代中期の当時の本物の防波堤、そして、敷石を、一部は復元になりまして、直接見ていただけるようにいたします。遺構の説明、展示、また、展示コーナーもあるような休憩所も整備をいたします。
この整備は暫定的なものとして、5年間はこれを展示施設として整備する。最終的には、ここは開発計画も出てくると思いますので、最終的には開発をしていくわけですけれども、開発をする際にも、この遺構はそのまま残しまして、イメージといたしましては、低層部ですね、1階とか半地下のエリアにこの遺構をそのまま残して、周りから見られるようにする。そして、そこの低層部の上に開発計画を考える。そんなイメージを考えております。
しかし、それは5年以上先と言っていいんですかね。5年以上先になります。それまでは、こういう展示施設として暫定的に見ていただけるようにするということです。
西側からのイメージですけれども、こんな全体としてのイメージとなりまして、スケジュールといたしましては、今年度の下半期に再掘削をし、復元方法の検討をする。来年度、展示施設の整備、予算を計上いたしまして展示施設の整備に着手をし、2027年の春頃、これは神戸港の開港160年の年になるんですが、春頃に供用を開始するということで整備を進めていこうと考えております。
2点目は、諏訪山に新たな登山の拠点となる、すわやまガーデンの整備をいたします。これは今の花と緑のまち推進センターという施設があるわけですが、これをリニューアルいたします。
この花と緑のまち推進センターというのは、1979年の3月に市民の緑化に理解を深め、また、実際に緑化とか飾花に親しんでもらおうという、そういう施設としてオープンをいたしました。緑化飾花についての情報発信、それから、一時は非常ににぎわっていたわけですけれども、ガーデニングの教室ですね。これは今でも人気があります。ガーデニングの教室。それから、神戸市の様々な公園の管理にも当たっていただくような緑化ボランティアの養成や、そういう活動を支援する施設、花を育てるような施設、花をこういう活動をしていただいている地域団体の方にもお渡しをして、まちの中の花を増やす緑化に支援をすると、こういう活動をしてきたわけです。
しかし、ここ数年、状況は大きく変わります。緑化、飾花、ガーデニングというのは人気があるわけですけども、ネットで見ると、簡単にこれを分かりやすく説明する動画、そういう類いのものがたくさん見られまして、ここで実際にこういうガーデニングの教室を開くという必要性は急速に下がってきました。そこで、これを今の神戸の政策課題や市民ニーズを踏まえたときに、どういう活用の仕方があるのか、これをいろいろと庁内でも検討し、様々な方々の意見を聞いてきたわけですけれども、1つは登山の拠点にするということがあり得るのではないか。
神戸は3年ぐらい前から神戸登山プロジェクトを進めています。もっと神戸の六甲山をはじめ、それ以外の山々にも親しんでいただく、気軽に登山をしていただく、ハイキングを楽しんでいただく。あわせて、登山道などは崩れているところもありますから、そういうところを企業の協力も得て直していくと、そういう登山プロジェクトを進めているわけですけれども、この登山プロジェクトの中の1つの柱が、登山をする拠点をつくるということです。
これは新神戸にトレイルステーション神戸、これを2023年7月に整備いたしました。ここから布引の滝を通って、貯水池を通って、市ケ原を経由し、そして大龍寺、再度山、再度公園、こういうルートです。もう1つはずっと昔からある大師道がその西側に通っています。ずっと下りてくるとビーナスブリッジを通って、そして諏訪山公園に下りてくるわけです。ですから、ここは登山道としてはよく知られているルートで、まさに花と緑のまち推進センターというのは、この登山道のルートに当たるわけです。そのすぐ近くにあるわけです。
そういうことから、この立地を生かしまして、従来のような緑化や飾花という使い方だけではなくて、登山の拠点としての役割を果たすことができるような整備をしたいということで、そういうコンセプトを基に事業者を募集してきました。事業者を公募してきました。6月から7月にかけて公募をいたしまして、私どものそういうコンセプトを踏まえた提案をしていただきまして、今回、優先交渉権者を決定いたしました。その提案を踏まえた、そして神戸市も一緒に入って議論をした複合施設のイメージがこれです。
ここは諏訪山児童公園がありまして、ここにバス道があるわけですけど、その周りの、ちょっとややいびつな形になりますが、これが、花と緑のまち推進センターです。建物もあります。これを生かす形で、今の建物を生かす形で、先ほど申し上げたトレイルステーションですね、トレイルステーション諏訪山、新神戸駅にあるのがトレイルステーション神戸ですから、2つ目のトレイルステーションということになります。
あとはその建物を生かした、新たにカフェセンターをつくる。温室がありますから、これもカフェスペースとして生かす。外にはチョウや蜜蜂が集うような、そういう種類の花も植えまして、相手は生き物ですから、うまくいくかどうかは分かりませんが、いろんな種類のチョウや蜜蜂も集まる、そんな風景が演出できればいいなというふうに思っています。水の流れを聞きながら木々を愛でるエリアですね。ゆったりとした時間と空間が生まれるような、そんな整備をしたいというふうに考えております。
神戸市が、これは2025年2月に補正をいたしまして、神戸市の上限の負担は1,900万ということで、残りは事業者に負担をしていただいて、先ほどのような、こういう施設整備を、優先交渉権者となりました事業者に整備をしていただくということになります。日常のこういう施設の園地を含めた管理は、今度、優先交渉権者と正式に契約することになるんですけれども、その事業者に行っていただく。大規模な補修は神戸市が行うということになります。
新しくできるこの施設、トレイルステーション諏訪山と、それから自由にくつろげるカフェスペースですね。ここはハイキングを楽しむための様々な情報提供、それから登山に関する物販、あるいは登山用品のレンタルというものを行うと。それから、インバウンドのお客さんにも神戸の山に親しんでいただきたいと思っておりまして、インバウンドの方々を対象とした、想定したハイキングルートのマップ作りなども行っていきたいと思っています。トレイルステーション神戸と連携をして、登山客の誘致、利便性の向上につなげていきたいというふうに考えております。
この右が、以前、温室だったわけですけれど、これを改修いたしまして、穏やかな時間が過ごせるようなカフェスペースを民間事業者に設置をしていただきます。敷地内のカフェカウンターで購入した飲食物を持ち込んで、気軽にくつろいでいただくということを考えております。2027年3月のすわやまガーデンのオープンを目指して、これから事業者の皆さんと一緒に整備を進めていきたいというふうに考えております。
私からは以上です。
記者:
海軍操練所跡の件でお伺いします。今回は暫定利用ということなんですけど、先ほど、5年ほど利用された後に本格的な開発計画をつくられるというお考えだったんですけども、これ、もう少し、できる範囲で詳しくお伺いしたいんですけども、半地下になって、それをすぽっと覆うような、大きな箱物の施設をつくるようなイメージになるんでしょうか。
久元市長:
そうです。ただ、今度つくるのはこれですよ。上には建物をつくりますから。それができるまでの暫定的な利用として、間近に見ることができる、遺構をそのまま残して見ることができる、併せて展示施設や休憩所をつくるというイメージです。
どうして、これ、もう開発計画が固まれば、最初からこういう暫定的な展示施設ではなくて、初めから本格的な開発計画をつくり、そして1階に遺構を保存するという考え方も、これはあり得るんですけど、開発計画が固まらないんですよね。開発計画が固まらない理由は、阪神高速3号線を、これを付け替えることにしておりまして、付け替える場所と一部ここは重なります。ですから、阪神高速3号線が付け替わることに伴って、このウォーターフロント全体の開発計画を考えていかなければならないと。
前、ウォーターフロントグランドデザインを御説明しましたけれども、あれも阪神高速3号線が付け替わる、そのことによって、神戸市のウォーターフロントの在り方としては、今の京橋の船だまりを埋め立てるということによって、暫定的に阪神高速3号線の仮のルートを取り、埋め立てるところを利用し、そして神戸市が埋め立てて、高度開発計画を考えるということで、連関をいたします。この計画に伴って影響を受けますから、まず暫定利用して、その付け替えなども見ながら、このエリアの開発計画を考えていくということになるわけです。
ですから、これは何にも構想はないわけですけど、イメージといたしましては、少なくともこれを完全に埋めてしまって、資料保存だけするという考え方は取らない。これはもうはっきり神戸市としては、これが発掘されたときから、そういう方針でいきたい。イメージといたしましては、これ、まだ構想の段階ですので、半地下のような形でこの遺構を残して、この半地下の周りから、例えばガラス越しに見ることができるようにするというのを、開発計画の半地下とか低層部分をそういうような形で保存をして、その上に建物、ビルを建設していくと、そんなイメージでおります。
記者:
関連で1点、今、市長からも御指摘あったんですけど、まさにエリア的にもウォーターフロントのど真ん中にありますし、神戸港の歴史を考える上でも非常に重要で、なおかつ知名度も高いというところで、うまく、やりようによってはウォーターフロントの観光の中でも1つの目玉に十分なり得るんじゃないかなと思うんですけど、構想のレベルでも結構なんですけど、市長のイメージとしては、ウォーターフロントの中でどのような存在に育てていきたいみたいな、もしありましたら。
久元市長:
ウォーターフロントの整備イメージは、回遊性を高めるということです。できるだけ歩いて神戸のウォーターフロント、海沿いのエリアを東から西へ、西から東へ、また元町やフラワーロードからも南下していただいて、歩いてウォーターフロントを回遊していただく。そういうイメージですので、そこの中でのまさに立ち寄るスポットのような位置づけになれば。ですから、ウォーターフロント全体の魅力を高めていくという上で、暫定的にこういう整備をし、そして本格的に整備をするということによって、このウォーターフロントの魅力を高め、集客力を高めていく上でのコンテンツになっていくのではないかと期待をしています。
記者:
ちょっと細かい質問であれなんですけど、防波堤と敷石は、実物を展示しながら、その周りを一部復元するようなイメージで、展示室にはまた別の発見された遺構を展示されるというイメージで合ってますでしょうか。
職員:
防波堤は実際にあったものを再現します。敷石のところについては、一旦文化財調査で撤去していますので、それを復元するような形で復旧します。展示室の中には出土した瓶であったり陶磁器みたいなものを展示しながら、休憩場所も確保して整備していく予定にしています。
記者:
基本的には、発掘されたものは展示室のほうで見ることができるということですね。
職員:
そうですね。
久元市長:
もうちょっと詳しく言うと、写真も後でまた御覧いただければと思いますが、発掘されたのは陶磁器、江戸時代のまちで使われた、作られたのはもっと前かもしれませんが、そういう陶磁器、お皿などの破片とか、それから鳩笛とか土で作られた人形、これは子供のおもちゃだったようですね。それから炊事道具、それからワインの瓶とかインク瓶とか皿とかですね。私が非常に興味深いなと思ったのは、何かジンのボトルもありましたでしょう、ウイスキーはあるんですか。
職員:
ワインボトル。
久元市長:
ウイスキーはない?
職員:
ウイスキーは、なかったようです。
久元市長:
ジンとワインの瓶が発掘された。そういうものを展示すると。
記者:
もう1問、先ほどウォーターフロント内での期待の部分をお聞かせいただいたんですが、非常に歴史的にも学術的にも重要なものかなと思うんですけれども、その辺の期待というか、どういうところを学んでほしい、知ってほしいというのはございますでしょうか。
久元市長:
私自身は歴史の専門家ではありませんが、やはり関心を持つのは、この海軍操練所というのは名前はよく知られているけれども、極めて短期間のうちに閉鎖されたんですよね。短期間のうちに閉鎖された。これは一説によると、幕府の組織であったにもかかわらず、ここでは反幕府的な風潮も見られたということも原因としてあったようで、短期間のうちに閉鎖されて、急速に幕末から明治に時代が移り替わっていくわけですね。
神戸の近代都市としての発展は1868年の1月の開港から始まったというふうにされているわけですけれども、実は海軍操練所というのがあって、その上に近代的な港湾が建設された。それが、実際に遺構としてもそういうことが明らかになったということが大変興味深いところですね。要するに、積み重なっているわけで、そういうような、港湾施設のつくられた経緯というもの。それは、これは私の個人的な考えですけれども、やはり幕末と明治維新というのは、そして日本の近代化というのが、決して断絶していたわけではなくて、連続しているということの1つの現れ方ではないかなというふうに思っております。
あとは、写真で当時の神戸の港の風景というのは、それよりも少し後のものにはなるんですけれども、このかつての灯台ですよね。燈竿というんですかね、これも写真ではっきり残っております。その基礎がまさに発見されたわけです。ですから、ここに燈竿を復元することができれば、当時の状況の一部をよみがえらせるという意味もあるのではないかというふうに思っています。
記者:
今の質問とちょっと重なるかもしれないんですけれども、これ、明治中期の防波堤・敷石を展示ということなんですが、まさに神戸海軍操練所があった時期というのはもうちょっと遡ると思うんですけれども、その時期の何かというものは展示されるんでしょうか。
それとあと神戸燈竿の場所なんですけども、それは写真で分かるということでしたが、まさにその場所に復元されるんでしょうか。
職員:
幕末期の遺物に関しましては、陶磁器あるいは、先ほどもありましたように鳩笛、遊具ですね、子供が遊ぶような遊具などもありますので、そういうのは展示室のほうで展示をいたします。燈竿と申しますけれども、広い意味では灯台の1種類なんですが、竿のようなものを船の目印としていたわけですが、今映し出されている写真の中央に、石で組んだような丸い穴が1つ見えていると思うんですが、そこに刺さっていた。まさにそこにあったことが分かっております。
そこを使ってしまいますと、遺構を破壊してしまいますので、そこから少し位置をずらした形で復元整備のほうを今現在考えているところです。
記者:
操練所のお話で追加でお伺いしたいんですけども、今、市長がおっしゃっていただいたように、歴史がすごく短い期間に進められたというところもすごく観光客の方たちにとっても興味深いかなと思うんですが、そういう歴史の流れとかも展示室とかに掲示されたりとかするというイメージですか。
職員:
当然、神戸開港の歴史、神戸港の始まりを示すものですので、それが、特徴としましては、幕末期、幕末の開港五港の1つでもありますので、それが連綿と続いていたということも歴史上重要なことではありますので、そういった案内、解説のほうはさせていただきます。
記者:
ありがとうございます。暫定的な今回の整備だということなんですけども、5年後以降のビルがその上に建った後も、この展示室とか視点場ですか、これはどれぐらい残るものなんでしょうか。
久元市長:
これは、基本的には展示室は取り壊すことになりますね。これは取り壊すことになります。ですから、暫定的な展示施設になります。
記者:
別の形で5年後以降もそういうものを見れたりとかするコーナーが設けられるのか。
久元市長:
それはまだ、これから開発計画の中で、まだ大分先になると思いますけれども、それはそこの中で考えることになると思います。
記者:
海軍操練所の展示室のことなんですけど、これは無料で誰でも入れてという形の利用の仕方ということでいいんでしょうか。その1点だけ。
久元市長:
無料を考えています。
記者:
時間とかも決まっているんですか。24時間入れる、いつでも入れるようなものなのか。
職員:
24時間はちょっと難しいかと思いますけど、また時間はこれから検討していきたいと思っています。
記者:
海軍の操練所の話ですけども、神戸燈竿を再現とありますけど、当時はきっとガス燈なのか何なのか、そういうことなんだと思うんですけど、これを再現するときには、やはり今の時代っぽく、LED照明だったり、ソーラーだったり、そういうようなことになるんでしょうか。
職員:
そこもこれから検討してまいりたいと思っています。
記者:
市長はどうしたらいいと思いますか。
久元市長:
よく担当部局、港湾局と文化スポーツ局、文化財課の意見を聞きながら考えたいと思いますが、なるべく当時に近いような仕様というか、雰囲気が出るように考えてほしいなというふうに思っております。LEDはちょっと個人的にはどうかなと思いますけど。
記者:
海軍操練所ですけれども、パース図を見させていただく限り、整備するのは、遺構そのものと、展示室、休憩所と、あと、これ、緑地とか見学可能な、これは足場といったらいいんですかね、どういうものを全体として整備するのかというのをもう少し教えていただけたら。
職員:
敷地面積が約2,000平米あります。基本的に防波堤であったり敷石が実際に見えるところ、それと、底が見えるように、西側には海が見えますので、東側のほうに高い視点場を設けて、遺構と船溜の辺りが見えるような視点場づくり。それと、展示室と休憩所なり、他施設を整備していく予定です。
記者:
この緑地スペースみたいなのもつくる予定ということですか。この緑の。
職員:
はい、そうです。
記者:
発見時の会見をちょっとメモに起こしていたら、当時、文化庁に報告されて、国レベルか分からないですけど、指定文化財とかになり得るんじゃないかみたいな御説明もあったかと思うんですけど、今後、暫定利用して、開発計画をつくることによって、もし万が一そういう可能性があるんだったら、それを妨げたり、そういうことになるのかなとちょっと思ったんですが、そのあたりはどうでしょう。
職員:
土地利用の計画が明確になって、どの範囲までが史跡の範囲になるかということが確定した時点で、市指定なり、文化財の位置づけをかちっとして、保存に向けていくというふうに文化財課のほうでは思っております。
記者:
それが例えば、すいません、詳しくないので恐縮なんですが、国の文化財になり得る可能性とかはまだ残ってはいるんですか。
職員:
市レベルでの回答にはなりますが、歴史としては国家事業でできておりますので、国に対しても、(神戸市内には)ほかに(海軍操練所と同時期の遺跡である)舞子砲台なんかは明石藩がつくっているんですけれども、それも幕末期に日本を防備するために国家プロジェクトとしてやったものなので国の史跡になっております。ですから、そういうことから照らし合わせますと、今回の海軍操練所跡というものの位置づけとしては、国(指定)に十分値する史跡になるのではないかと考えております。
記者:
すわやまガーデンのほうで質問なんですけども、今回、トレイルステーションもつくられるということで、布引コースのほうはトレイルステーション神戸があって、割とこう、大師道というのは、布引ルートとあわせてメジャーな登山ルートと考えてよろしいのでしょうか。
久元市長:
大師道は非常に古くから有名な登山ルートですから、両方とも非常に有力なルートだと思います。もちろん両方とも親しまれているわけですけど、神戸市としてはインバウンドのお客様も含めて気軽に登っていただけるようにしたいということで、このトレイルステーション神戸に続けて、今回は別のトレイルステーション諏訪山をここに設置するというふうにしたいということです。そして、トレイルステーション諏訪山も含めた全体のエリアをすわやまガーデンというふうに名付けるということです。
記者:
ということは割と、もともと、この施設としては一旦閉鎖されていましたけど、ニーズとしてはかなり計算できそうな判断材料があるような状況というということですか。
久元市長:
相当あると思います。ユーチューブの動画なんかを見ると、県庁前で集合して、それから大師道を通っていくというような動画も見たことがありますので、割合に、地下鉄の駅を降りてすぐに登山ルートが、山のふもとから始まるというロケーションって、多分あまりないと思うんです。ですからこれは非常に、今回こういう拠点整備をすることによって、ひとつ登山客が増えるということを期待しています。
記者:
海軍操練所で1点。これ、整備費用とかは概算で今見込んでいる額とかって分かるものでしょうか。
久元市長:
全体で、再発掘に必要な費用が約3,000万円、それから施設整備の、建物全体を含む施設整備が大体8,000万円程度と見込んでいます。
記者:
これは26年度の予算に入ってくるという。
久元市長:
26年度予算で、必要な施設整備費の予算を計上したいと思っています。
記者:
先週、石破総理が辞意表明をされました。それで、石破総理はずっと防災庁設置を、来年度の設置に向けて尽力されてきましたけれども、石破政権が終わってしまうと、その話がどうなってしまうのかなということも危惧するところがあるんですが、そのあたりについて市長の見解をお願いします。
久元市長:
石破総理が退陣されることになったことは大変残念に感じています。石破総理が力を入れておられたのが防災庁構想で、これは今まさに、具体化の途上、調整過程にあると承知をしていますから、そこはぜひ政府において、構想の具体化の作業を進めていただきたい。新たな総裁総理、少数与党ですから、自民党総裁が必ず総理になられるかどうかというのは分からないことでもありますけども、ぜひその構想は次の内閣で引き継いでいただきたいと思っています。
記者:
関連でもう1点、関西広域連合としても、関西の防災庁の中央拠点の誘致を国のほうに要請しています。ただ、関西広域連合の中では兵庫県の神戸周辺と、あと大阪のほうも手を挙げているというふうに聞いています。同じ関西広域連合の中で、大阪ではなく神戸にする、神戸での設置というのを実現するために、今市長としてはどういうことが必要だというふうにお感じになりますか。
久元市長:
私は、神戸というよりも、神戸あるいは三木付近ですよね、この辺を念頭に置いていただければと思っています。先日も、全国の救助技術大会というのがありまして、三木の広域防災公園に行きました。大変充実した施設ですね。あそこの公園、あとはオフィス機能などはHAT神戸に、様々な災害関連の施設とか病院などが集積していますから、この辺のポテンシャルということをアピールしていくということになろうかと思いますが、ここは神戸市の市域を超える問題でもありますから、兵庫県としっかり連携をして進めていきたいと思います。
記者:
昨日の出来事なんですけれども、摩耶埠頭のほうで倉庫の中に爆発の危険性のあるものがあったということで通報があり、ハーバーハイウェイなどが通行止めということに一時なりました。その後警察が確認して、爆発の危険性はないということで通行止めが解除されたという出来事があって、それはよかったんですけども、そのときにインターネット、SNS上で摩耶大橋に爆破予告があったなる書き込みが十数件ありまして、さらにそれが引用される形でどんどん広まっていったと。あまり大規模な広まり方ではなかったのでよかったんですが、そういう出来事がありました。
ある種それぞれの方に聞いてみると、誰かから聞いた話を書いたという方が多くて、皆さん悪意があったわけではないようなんですが、ただ結果的にはデマが広まっているような格好になったわけで。結構こういうデマによって行政が迷惑を被るケースというのは、例えば災害時であるとか結構あったりすると思うんですけども、こうした誤った情報が広まってしまうことについてはどういうふうにお感じでしょうか。
久元市長:
今回のいわゆる爆発物の疑いがある貨物が税関によって検知されたという第一報も含めてですね、私は報告を受けておりまして、その後の経緯も承知をしております。ただ、そういうネット上で爆破予告がある(との書き込みがある)ということについては承知をしてはおりませんでした。先ほど広報戦略部からそういう話があったということは聞きました。私自身は承知はしておりませんでした。いわゆるネット上で様々な言説が流布されるということは、ネット社会ですし、SNSがこれだけ使われているわけですからあり得ることだろうと思いますし、想定しなければいけません。しかし、それを全て神戸市で把握して、これに全部対応するというのは無理です。やはりネット上におけるそういう言説がどの程度広がっているのかとか、そのことが非常に大きく市民に対して不安を与えることになるのかということを勘案しながら、神戸市としては間違いのない現実、事実関係というものをしっかりと把握して、それを神戸市としてどう対応していくのかということを情報発信するということだろうと思います。
今回については、私自身は報告を受けておりませんでした。関係部局においても特段の対応はしなかったということだと思います。
記者:
今回のケースとはまた別に一般的な話として、特に災害時であるとか、何か市民の安全に影響のあるようなそういった誤った情報が物すごく広まってしまったときに、これはやっぱり事実と違えば市としては、それは違いますよという発信ができるものなのか、あるいはそういうことを言うのはやめてねということができるものなのか、それともある程度個人がいろんな情報を流布することというのは、一種表現の自由と捉える考え方もあるにはあると思います。その辺とのせめぎ合い、バランスというのはどういうふうにお考えでしょうか。
久元市長:
まず、市民からの情報提供、特に災害時において災害現場でどんなことが起きているのか。私どもも様々な方法で災害応急対策を実施していく上で、自身で区役所とか消防局、それから建設事務所などの自前で情報収集をしている部分もありますが、しかし今はSNSを活用して市民の皆さんに情報提供をしていただくということも必要なので、LINEによる投稿をしていただき、これを集約して、これを地図上で表示するというシステムを既に採用しております。
ですから、SNSの有用な部分というのは活用するということにしております。その一方で、やはり一種の事実とは全く違う、いわゆるフェイクの情報が広がるということも、これはあり得るということを想定しなければいけませんから、特に大きな災害が発生したときにはネット上における言説ということについては、危機管理局あるいは広報戦略部、そのときには広報情報収集体制、広報体制というものをつくることになるわけですけれども、それは非常に重要な要素になってくるだろうというふうに思います。
そのときにどう対応するのかということについては、その時点における情報の現実に起きている災害の対応とネット空間において流布している言説ということを見て、最も適切な方法ということを選択し、実施し、発信をしていくということになるかと思います。
そんな情報は出さないでくださいというのは、そんなこと当たり前の話なんですけれども、しかし、そうでない事象というのは山ほどあるわけですから、そういう情報が流布するということを前提とした対応を考えていくということだと思います。
―― 了 ――
動画再生ソフトをお持ちでない方はこちら
このページは接続環境によって、映像・音声などがみだれたり、スムーズな視聴ができない場合があります。あらかじめご了承ください。