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更新日:2021年8月19日

<vol.3>株式会社ナチュラリズム 大皿 一寿(おおさら かずとし)さん、大皿 純子(おおさら じゅんこ)さん

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―もともとは農業とは違う仕事をされていたと伺いましたが、その後西区で農業を始められたきっかけは何でしょうか?

前職で、若い従業員の方の食の乱れが気になったことがきっかけです。
彼らの勤務態度や感情の起伏などを見ていると、食の乱れが心の乱れと連動しているのではないかと感じました。
そこで会社に食の改善について提案したところ採用され、私の実家の野菜を提供する動きとなり、その後農家として独立することになりました。


―ナチュラリズムファームでは、農薬、化学肥料を使わずに野菜や米を栽培されていると伺いました。有機栽培は手間暇がかかるイメージがありますが、実際はどうですか?

そのようなイメージを多くの方がお持ちのようですが、実際はそんなことはないです。
まず、農薬や化学肥料を購入せず、除草剤も撒きませんので、それらの手間がかかりません。
その代わり、肥料に米ぬかや牡蠣殻、油粕などを用いており、これらの多くは農業の副産物として手に入るので、原材料費もほとんどかかりません。

また、健全な野菜は虫がつきにくく病気にもかかりにくいです。農薬を撒くと害虫のみならず益虫も死んでしまうのですが、農薬を撒かないことで、益虫が害虫を駆除してくれるといった効果もあります。

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▲栽培の様子

―CSAに力を入れていらっしゃいますが、取り組みを始められたきっかけについてお聞かせいただけますか?
※CSA(地域支援型農業)とは、農産物の代金先払いにより、農家と消費者が連携して相互に支え合う仕組み。

農業に新規参入するというのは本当に大変です。生産のノウハウを勉強しながら農作業をする傍ら、販売ルートを確保する営業もしなければなりません。
また、利益が上がるのは野菜が売れてからなので、利益を得るまでに多くの労務費と時間を要し、初期段階では思うように利益を上げることができません。このように、若い農家が農業を継続していくには、今の環境は非常に過酷です。

そこで、区内の有機農家とグループ「BIO CREATORS(ビオ・クリエイターズ)」を結成し、「CSA FARM SHARE(シー・エスーエーファームシェア)」という取り組みを始めました。
この取り組みではまず、消費者が「野菜の作付費用」として数カ月分の野菜代金を先払いします。農家はお預かりした代金を、種・苗の購入や設備投資に充てて野菜を栽培し、その後消費者は、収穫された野菜を市内のピックアップステーションで受け取ります。

このように、農家は消費者から前払いでお金を受け取ることができますので、種や肥料などに先行投資ができます。また、グループで活動することで、先輩農家達が既に作り上げた販売ルートを活用できるため、若い農家は生産活動に集中することができます。

CSAはアメリカのポートランドでの取り組みが有名ですが、実は同様の取り組みは1970年代に既に日本で行われていました。
ちょうど公害が問題になった時期で、母乳から農薬が出たことをきっかけに、安全な食材を自分たちの力で購入しようという消費者のグループが、神戸を含む日本各地で結成されたのです。
残念ながらその動きはバブル経済の崩壊と阪神淡路大震災を経て縮小してしまい、それ以上大きなものにはならなかったのですが、このような取り組みが地元神戸で起きていたということに強い感銘を受けました。今改めて、持続可能な農業という切り口から、CSAの動きを盛り上げたいと考えています。

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▲BIO CREATORS有機野菜セットの一例。毎週ピックアップする10週10パックコース20,000円と、隔週でピックアップする5週5パックコース12,000円がある
 

―LOCAL BEER PROJECTではビール作りにもチャレンジされていますよね。なぜビールを生産しようと考えられたのですか?

もともとは、米の裏作となる作物としてパンに使用する小麦の生産を考えていました。しかしパン用に求められる小麦のクオリティの高さの問題と、田植えと時期が重複してしまう問題などがあり裏作として最適ではないと判断しました。

一方で大麦は時期的にも米の裏作に適しており、ファーマーズマーケットで「IN THA DOOR BREWING」さんにも相談したところ、先方の100%ローカルメイドのビールを作りたいとの思いと合致して「LOCAL BEER PROJECT」が発足しました。

実は、クラフトビール醸造所は国内にも多数ありますが、日本産の麦芽を使っているところはごく僅かです。また、モルトを絞った後の麦芽カスの多くは廃棄されており、醸造家たちは心苦しく思っています。
一方農家から大麦を受け入れた場合は麦芽カスを農家が引き取ることができ、そこからグラノーラやクッキー、飼料、肥料等に捨てることなく活用できます。

私は、ローカルビールはローカルで完結させるのが理想だと思っています。しかし国内で麦芽を加工できるのは1社のみで、自分たちでもなんとか加工ができないかを検討しているところです。

そうすれば、麦芽を含めてすべてローカルの材料でビールを作ることができ、生産~消費までの全ての工程で地域に還元できる、理想的なサイクルができるのではと思います。

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▲100%神戸産のクラフトビール製造にもチャレンジしている

―今後新しく取り組んでみたいことは何ですか?

我々が注力していることは大きく2つあって、一つは有機野菜を作ること、もう一つは有機農業を拡げることです。

前者については一定達成しましたので、これからは有機農業を拡げることに注力していきたいです。これまでは、芦屋や六甲アイランド等の都市部で貸農園を設け、農業を体験してもらうアーバンファーミングという取り組みを行ってきました。これを西区でも行い、住んでいる方々にもっと有機農業の魅力に触れていただきたいと思います。

また、有機野菜を使った料理を提供するカフェなど、味わうところも提供したいと考えています。

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▲今後も、様々な方法で有機農業の魅力を発信していく予定
 

―区民の方に向けて一言お願いします。

西区は都会からもアクセスしやすい農業拠点が多数あり、農地としての価値が高いと感じています。
都市型近郊農業には高いポテンシャルがありますので、近くでどんな農家がどんな野菜を作っているのか、区民の方にもっと農業に目を向けていただき、触れていただきたいと思います。

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