最終更新日:2022年11月14日
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建物には、火災による被害を軽減することを目的に消火器やスプリンクラー設備、自動火災報知設備などの消防用設備等が設置されています。これらの設備は、火災などの際に確実に作動し機能が発揮できるよう、維持管理する必要があります。
そのため、消防法では、消防用設備等を定期的に点検して維持管理を行い、その結果を消防署長に報告することが義務付けられています。
消防用設備等の維持管理義務(消防法第17条)
消防用設備等の点検報告制度(消防法第17条の3の3)
防火水槽又はこれに代わる貯水池その他の用水
排煙設備、連結散水設備、連結送水管、非常コンセント設備及び無線通信補助設備
消防用設備等に代えて、特殊の消防用設備等その他の設備等
消防用設備等の設置が義務づけられている防火対象物の所有者・管理者・占有者などの関係者に維持管理及び点検報告義務があります。
消防用設備等が適切な維持管理又は点検報告が行われていなければ罰則の適用を受けることがあります。
消防用設備等を点検する人は、建物の規模や構造により点検できる資格を有する消防設備士又は消防設備点検資格者が行う必要があります。神戸市では、以下のようになります。
資格を有する人が点検を行わなくてもよい建物でも、点検には特殊な点検器具や知識が必要となることから、注意が必要です。そのため、資格を持った人が点検を行うように神戸市では指導しています。
また、消防庁予防課長通知(平成11年6月14日付け消防予第145号)において、設備点検実施時には、建物の関係者が立ち会って、適正な点検が行われているかを確認するよう示されています。
消防用設備等の点検は、平成16年消防庁告示第9号で定める基準に従い、点検内容に応じて下記の時期毎に行います。
ただし、特殊消防用設備等については、設備等設置維持計画に定める点検期間及び点検方法により行います。
次の事項について、消防用設備等の種類に応じて確認します。
消防用設備機器の全部、あるいは一部を作動させて、総合的な機能を消防用設備等の種類に応じて確認します。
点検した結果については、建物の所在地を管轄する消防署に報告が必要です。点検結果の報告時期は点検実施時期と異なり、点検を実施した結果をその都度報告する必要はありません。下表のとおり、建物の用途に応じた報告期間に合わせて報告します。建物がどの用途に該当するかは、消防署で確認できます。
ただし、特殊消防用設備等については、設備等設置維持計画に定める報告期間ごとに行います。
建物の使用用途(消防法施行令別表第1) |
点検結果の報告期間
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(1)
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イ劇場、映画館、演芸場又は観覧場
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1年に1回
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ロ公会堂又は集会場
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(2)
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イキャバレー、カフェー、ナイトクラブその他これらに類するもの
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ロ遊技場又はダンスホール
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ハ風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和23年法律第122号)第2条第5項に規定する性風俗関連特殊営業を営む店舗(ニ並びに(1)項イ、(4)項、(5)項イ及び(9)項イに掲げる防火対象物の用途に供されているものを除く。)その他これに類するものとして総務省令で定めるもの
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ニカラオケボックスその他遊興のための設備又は物品を個室(これに類する施設を含む。)において客に利用させる役務を提供する業務を営む店舗で総務省令で定めるもの
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(3)
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イ待合、料理店その他これらに類するもの
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ロ飲食店
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(4)
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百貨店、マーケットその他の物品販売業を営む店舗又は展示場
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(5)
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イ旅館、ホテル、宿泊所その他これらに類するもの
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ロ寄宿舎、下宿又は共同住宅
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3年に1回
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(6)
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イ病院等
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1年に1回
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ロ次に掲げる防火対象物
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ハ次に掲げる防火対象物
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ニ幼稚園又は特別支援学校
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(7)
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小学校、中学校、高等学校、中等教育学校、高等専門学校、大学、専修学校、各種学校その他これらに類するもの
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3年に1回
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(8)
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図書館、博物館、美術館その他これらに類するもの
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(9)
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イ公衆浴場のうち、蒸気浴場、熱気浴場その他これらに類するもの
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1年に1回
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ロイに掲げる公衆浴場以外の公衆浴場
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3年に1回
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(10)
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車両の停車場又は船舶若しくは航空機の発着場(旅客の乗降又は待合いの用に供する建築物に限る。)
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(11)
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神社、寺院、教会その他これらに類するもの
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(12)
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イ工場又は作業場
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ロ映画スタジオ又はテレビスタジオ
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(13)
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イ自動車車庫又は駐車場
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ロ飛行機又は回転翼航空機の格納庫
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(14)
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倉庫
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(15)
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前各項に該当しない事業場
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(16)
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イ複合用途防火対象物のうち、その一部が(1)項から(4)項まで、(5)項イ、(6)項又は(9)項イに掲げる防火対象物の用途に供されているもの
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1年に1回
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ロイに掲げる複合用途防火対象物以外の複合用途防火対象物
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3年に1回
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(16の2)
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地下街
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1年に1回
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(16の3)
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建築物の地階((16の2)項に掲げるものの各階を除く。)で連続して地下道に面して設けられたものと当該地下道とを合わせたもの((1)項から(4)項まで、(5)項イ、(6)項又は(9)項イに掲げる防火対象物の用途に供される部分が存するものに限る。)
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(17)
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文化財保護法(昭和25年法律第214号)の規定によつて重要文化財、重要有形民俗文化財、史跡若しくは重要な文化財として指定され、又は旧重要美術品等の保存に関する法律(昭和8年法律第43号)の規定によつて重要美術品として認定された建造物
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3年に1回
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(18)
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延長50メートル以上のアーケード
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消防用設備等の不具合が点検などにより確認された場合は、火災等から建物の利用者を守るためにも速やかに整備や改修をしなければなりません。不良個所は、まとめて改修しようとして放置せずに、その都度改修するようにしてください。
なお、不良個所の内容によっては、消防設備士でなければできない工事がありますので、専門の業者と相談するようにしてください。
都道府県消防設備保守協会では消防用設備等に関する事業者が協会に登録しています。資格を有していれば、どの業者でも消防用設備等の工事や点検を行なうことができますが、どの業者に問い合わせたらいいのかよく分からない時は、兵庫県内で協会に登録している消防用設備等に関する事業者について問い合わせることができます。
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