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最終更新日:2020年11月4日
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幸子は急ぎ足で戻ると電話のある台所の方へ行っていたが、もう電話は切れていて、雪子はそこにいなかった。(下巻17章)
かなり狭い台所であるが、狭さを感じさせないような工夫がしてある。まず天井を見てもらいたい。天井板が張らずに梁が見えるようなになっているため、圧迫感がない。
食器棚は、階段下に設置してあるため、ロス空間がない。このあたりに水道が引かれたのは、昭和17,8年のことなので、谷崎在住中の前半は水道はなかった可能性がある。昭和62年に解体される前は、井戸は使える状態だった。(窓から見える井戸は持って来た井戸。今は使えない)
風呂の焚き口があるが、湯かげんを見るためだけに風呂場へのくぐり戸が設置してある。西洋的合理趣味の極みかもしれない。