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最終更新日:2025年12月12日
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プレコンセプションケアリーフレット(PDF:3,956KB)
プレコンセプションケアは、性別を問わず、適切な時期に、性や健康に関する正しい知識を持ち、妊娠・出産を含めたライフデザイン(将来設計)や将来の健康を考えて健康管理を行うことです。
今はまだ妊娠・出産・子育てについてイメージが付いていない方でも、将来の妊娠や出産、子育てだけでなく、女性もパートナーの方も大切な人の健康を守るために一緒にプレコンセプションケアを始めてみませんか。
女性も男性も、妊娠前からバランスの良い食生活を心掛けることが重要です。
主食・主菜・副菜をそろえて3食規則正しく食べるよう心がけましょう。
栄養バランスの良い食事は、妊娠前から妊娠中、赤ちゃんが生まれて授乳・離乳期も…生涯にわたって続けていくことが重要ですが、大切な家族やパートナーが健康である事は、健やかな子育てに繋がります。
女性だけでなく、男性も一緒に栄養バランスを考えてみましょう。
バランスの良い食生活の中でも、妊娠前から妊娠中で特に摂取して欲しい栄養素は、葉酸・鉄分・カルシウムです。
葉酸は、生まれてくる子どもの先天的な神経管閉鎖障害の予防、妊娠期の貧血や妊娠高血圧症候群の予防につながります。厚生労働省は妊娠の少なくとも1か月以上前から妊娠12週までの摂取を推奨しています。
1日の葉酸の推奨摂取量は成人男性・女性どちらも230~250μgとなっています。胎児に関わる重要な栄養素のため、 栄養補助食品(サプリメント等)も適宜活用し、普段の食事での摂取以外に1日あたり400μgの葉酸を摂取することが望まれます。取り入れやすい食材と調理法の例は下の表のとおりです。
他にも葉酸が含まれる食材は沢山あります。日頃の食事を振り返ってみませんか。
| 食品 | 1食あたりの可食部重量(g) | 1食あたりの葉酸量(μg) |
|---|---|---|
| とうもろこし(電子レンジ) | 100(1本分) | 97 |
| ブロッコリー(電子レンジ) | 100g(1月3日個) | 160 |
| 枝豆(ゆで) | 30 | 78 |
| いちご | 80(4~5個) | 72 |
| 納豆 | 50(1パック) | 60 |
【参考】日本食品標準成分表2020年版(八訂)
女性の身体は月経や妊娠で多くの鉄分を必要とします。鉄分不足は貧血や疲れやすい体になるだけでなく、赤ちゃんに十分な酸素や栄養を届けられなくなってしまいます。積極的に鉄分を摂取しましょう。
カルシウムは身体の機能維持や調節、赤ちゃんの骨や歯をつくるなどの重要な役割があります。女性だけでなく男性も若いうちからしっかり摂取することで、将来の骨粗しょう症予防にもつながります。
やせ(BMI18.5未満)は、貧血や骨粗しょう症といった病気の原因になるだけでなく、切迫早産や早産、低出生体重児分娩のリスクが高くなります。
肥満(BMI25以上)は、妊娠糖尿病や妊娠高血圧などのリスクを高めます。
健康を保つためには、やせすぎも太りすぎも良くありません。適正体重となるよう、心がけましょう。
たばこは女性ホルモンの分泌が抑えられ、月経不順や不妊の原因になったり、胎児の発育にも悪影響を及ぼします。パートナーからの副流煙も同様です。
妊娠している女性の飲酒は、流産、早産、胎児性アルコール症候群などの危険性が高まります。全妊娠期間を通して、飲酒は控えましょう。アルコールは母乳に移行することから、授乳中もお酒は控えましょう。
まだ妊娠を考えていない人も、飲み過ぎは心身共に悪影響を及ぼします。適度な飲酒を心がけましょう。
プレコンセプションケアでは、1週間に「2時間30分」の運動を目安にしています。普段運動をする習慣がない方は、今より毎日10分長く歩く・身体を動かすなど、できることから始めてみましょう。
定期健診や婦人科検診をきちんと受けて、健康を管理しましょう。また最近の新たな不妊のリスクとして「歯周病」が報告され、妊娠にも悪影響を与えることがわかっています。歯科検診も忘れずに受けましょう。
かかりつけ医を持つことも大切です。
今、若い方の間で性感染症が増えています。性感染症の原因となる病原体には男女問わず、不妊の原因になったり、将来の子どもの健康へ影響を及ぼす可能性があります。
検査を受けて早期に発見し、治療を行うことが重要です。パートナーがいる場合は、お互いに感染し合うことがないよう、パートナー間でも予防・治療に取り組むことが大切です。
神戸市が実施している無料・匿名の性感染症の検査で確認できます。
HPVワクチンで防げないHPV感染もあります。ワクチンを接種していても、していなくても20歳になったら2年に1回、子宮頸がん検診を受けましょう。
子宮頸がん検診について
神戸市では無料で受けられる風しんの抗体検査や、予防接種を受けられる助成制度があります。
多くの若い方は風しんの予防接種は受けられていますが、抗体値は人によって異なり、その数値は減少していきます。妊娠を意識したタイミングで、ご自身の風しん抗体値を確認してみましょう。
風しん抗体検査では生まれてくる赤ちゃんを、先天性風しん症候群から守るため、風しんに対する抗体を保有しているかどうかを調べます。妊娠を希望する女性だけでなく同居の方も一部助成の対象となりますので、不安な方は是非ご確認ください。
風しん予防接種の助成について
最近ではブライダルチェックとして結婚を機会に血液検査や性感染症検査を受けられる方もいます。
結婚前での検査も女性だけでなく男性の方も早めの検査を考えてみてはいかがでしょうか。
また、神戸市では将来子どもを授かりたいと希望する夫婦の不妊治療検査の一部を助成しています。
神戸市不妊を心配する方へのペア検査(不妊ペア検査)助成事業
プレコンセプションケアについて、より詳細な解説やセミナーの動画などが掲載されています。
プレコンセプションケアについて(国立成育医療研究センターホームページ)
「プレコンセプションケア」について(兵庫県ホームページ)
2022年4月1日から不妊治療が保険適用になりました。近年の結婚年齢、妊娠・出産年齢の上昇に伴い、不妊に悩む方や不妊治療を受ける方が増えています。妊娠・不妊のことも正しく知り、パートナーと将来のことを話してみましょう。
妊娠を希望しているがなかなか妊娠しないと感じている、気になることがあるという場合は、早めに受診してみましょう。いきなり病院に行くのに抵抗があるようなら、兵庫県の設置する不妊・不育専門相談で相談してみることもできます。専門知識を有する医師や助産師が無料で相談に応じています。相談に関する秘密は守られますので、安心してご利用ください。
不妊治療に関する取組(厚生労働省ホームページ)
不妊症・不育症(健やか親子21ホームページ)
不妊症Q&A(日本生殖医学会ホームページ)