グリーンドアの歴史
昭和40年代、全国では多数の死傷者を出したデパート火災が相次ぎました。
- 昭和47年5月「大阪市・千日デパート火災」(死者118名・負傷者81名)
- 昭和48年11月「熊本市・大洋デパート火災」(死者104名・負傷者124名)
そのような中、神戸市でも大きなデパート火災が発生しました。
- 昭和49年2月「神戸デパート火災」(死者1名・消防職員40名負傷(CO中毒等いずれも軽症))
神戸デパート火災の様子
神戸市消防局機関紙「雪」昭和49年3月号
そこで、神戸市では建物火災での安全避難を強化するために、不特定多数の人が利用する建物については、安全な避難経路に通ずる扉を緑色にする条項を、昭和49年に神戸市火災予防条例に追加しました。
なぜ緑色の扉?
誘導灯が緑色であるのと同様の理由で、現在では「避難の色」=「緑色」というイメージが定着していますが、火災時の炎の赤色と補色関係(色相環で正反対となる色)で目立ちやすく、危険を連想させる赤色に対して緑色が安全色であるから、とされています。
どのような場所に設置されているの?
神戸市火災予防条例第49条の3に基づき、劇場、遊技場、カラオケボックス、飲食店、百貨店、旅館、ホテル、病院、福祉施設、これらが複合的に存在する建物、地下街、高層建築物(31メートルを超える建物)などの不特定多数の方が利用する建物でグリーンドアの設置が必要です。
これらの建物の安全な避難経路に通ずる扉で避難方向に対する面を緑色に表示する必要があります。
グリーンドアステッカーについて
グリーンドアについてもっと知ってもらい、神戸市内の建物の利用者の安全避難につなげるために、グリーンドアに直接貼れるステッカーを作成しました。
既に配布している、防火戸の適正な維持管理を目的とした「防火戸ステッカー」と合わせて貼ってもらうことで、グリーンドアがとても大事な扉であることを周知していただき、火災からの避難の際に「グリーンドア」=「避難」という判断がとっさにできることを目的としています。