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東南側からの全景:コロネード(列柱式)ベランダの窓枠のデザインが独特です。
旧ハンター住宅は、もと神戸市中央区北野町3丁目にあった建物を昭和38年に現在地に移築したもので、現存する神戸の異人館の中では最大の規模のものの1つです。
最初に作られたのがいつかは、はっきりとわかっていませんが、明治22年頃ドイツ人のA.グレッピー氏が英国人の技師に依頼して作ったものといわれています。
その後、英国人のE.H.ハンター氏が、北野町背後の高台に居宅を作るにあたり、この建物を買い取り、改造して現在にみる建造物に仕上げたもので、棟札に「上棟式範多氏」「40年5月吉日 棟梁芝嶋吉 建」と墨書きされています。
神戸市灘区青谷町1-1-4(王子動物園内)
神戸市立王子動物園【公式】(外部リンク)
神戸市立動物園内にある旧ハンター住宅は、4月、5月、10月の3か月は、王子動物園の休館日を除く全日と、6月、7月、9月、11月、12月、3月の土曜、日曜、祝日に公開しています。なお、3月については、春休み期間は、平日も公開いたします。
今年度は、新型コロナウイルス感染症の拡散防止のため、4月・5月は内部公開を中止しました。
今後も新型コロナウイルス感染症の拡散状況により、内部公開を中止する場合があります。
(11月、12月は午前9時30分~午後4時)
入館は無料ですが、王子動物園の入園料が必要となります。
旧ハンター住宅は、当時の富裕な外国人の生活の一端がうかがわれる神戸の代表的な異人館で、緑の山々をバックに洋風の庭園とよくマッチし、細部にまで神経のゆき届いた意匠とあいまって、この時代の異人館の最もすぐれたものといえます。
木骨れんが造2階建一部3階塔屋付、屋根は寄棟造、日本で最初の時期の石綿スレート葺で、天井裏は洋式小屋組になっています。
基礎は石造、外壁はモルタル櫛目引きで、南面と東面にめぐらされた重層のコロネード(列柱式)ベランダ、その張り出し部の上には三角形のペジメント(切妻のこと)があって、棟飾りや唐草模様の装飾がついています。
ベランダは、はじめ開放されていましたが、日本の風土に適さないために、窓がはめこまれました。美しくデザインされた窓枠から、ベランダ一杯に拡がる光は、それ自体が美しい絵画になります。
室内は、1階に玄関ホール、書斎、食堂、応接室などがあり、各出口の上にはブロークン・ペジメントと呼ばれる額縁、大理石のマントル・ピース、チークの床材、ブロンズのシャンデリアなど、当時の豪華な面影をしのばせます。また階段の踊り場には、英国から取り寄せた美しい色模様のステンドグラスが素晴らしく、古典主義様式を底流とする英国のジョージ王朝時代(1714~1800)の趣きを呈しています。
阪神・淡路大震災により、れんが造の煙突2本のうち1本が折れ、室内に落下したため、東広縁部が全体に崩壊するなど大きな被害を受けました。東広縁部を一旦解体し、補修して組み直し、煙突の復旧、内壁の塗りかえ、建具の補修を行いました。
指定年月日 昭和41年6月11日
所有者 神戸市
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