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国指定重要文化財「旧ハンター住宅」

最終更新日:2024年4月8日

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東南側からの全景の画像
東南側からの全景:コロネード(列柱式)ベランダの窓枠のデザインが独特です。

旧ハンター住宅とは?

旧ハンター住宅は、もと神戸市中央区北野町3丁目にあった建物を昭和38年に現在地に移築したもので、現存する神戸の異人館の中では最大の規模のものの1つです。
最初に作られたのがいつかは、はっきりとわかっていませんが、明治22年頃ドイツ人のA.グレッピー氏が英国人の技師に依頼して作ったものといわれています。
その後、英国人のE.H.ハンター氏が、北野町背後の高台に居宅を作るにあたり、この建物を買い取り、改造して現在にみる建造物に仕上げたもので、棟札に「上棟式範多氏」「40年5月吉日 棟梁芝嶋吉 建」と墨書きされています。
旧ハンター住宅内部公開情報
旧ハンター住宅パンフレット(PDF:398KB)

E.H.ハンター氏肖像画
E.H.ハンター氏肖像(JPG:20KB)

所在地

神戸市灘区青谷町1-1-4(王子動物園内)
神戸市立王子動物園【公式】(外部リンク)

交通機関・アクセス

  • 交通アクセス阪急電鉄:王子公園駅西へ徒歩3分
  • JR神戸線:灘駅北へ徒歩5分
  • 市バス:三宮方面から王子動物園前下車すぐ

旧ハンター住宅位置図(地図:esri)(JPG:32KB)
 

建築主・建築年代

  • 建築主 エドワード・ハズレット・ハンター
  • 建築年代
    (創建)明治22年頃
    神戸市中央区北野町 元トーア・ホテル跡
    (移築・改造)明治40年
    神戸市中央区北野町3丁目130番地

構造規模

  • 1・2・3階平面図構造
    木骨れんが造2階建一部3階塔屋付、外壁モルタル櫛目引、寄棟石綿スレート葺
 
  • 規模
    1階:263.749平方メートル
    2階:273.499平方メートル
    3階(塔屋):9.023平方メートル
    計:546.271平方メートル

1・2・3階平面図(拡大画像)(JPG:51KB)

概要

旧ハンター住宅は、当時の富裕な外国人の生活の一端がうかがわれる神戸の代表的な異人館で、緑の山々をバックに洋風の庭園とよくマッチし、細部にまで神経のゆき届いた意匠とあいまって、この時代の異人館の最もすぐれたものといえます。

木骨れんが造2階建一部3階塔屋付、屋根は寄棟造、日本で最初の時期の石綿スレート葺で、天井裏は洋式小屋組になっています。
基礎は石造、外壁はモルタル櫛目引きで、南面と東面にめぐらされた重層のコロネード(列柱式)ベランダ、その張り出し部の上には三角形のペジメント(切妻のこと)があって、棟飾りや唐草模様の装飾がついています。
ベランダは、はじめ開放されていましたが、日本の風土に適さないために、窓がはめこまれました。美しくデザインされた窓枠から、ベランダ一杯に拡がる光は、それ自体が美しい絵画になります。

室内は、1階に玄関ホール、書斎、食堂、応接室などがあり、各出口の上にはブロークン・ペジメントと呼ばれる額縁、大理石のマントル・ピース、チークの床材、ブロンズのシャンデリアなど、当時の豪華な面影をしのばせます。また階段の踊り場には、英国から取り寄せた美しい色模様のステンドグラスが素晴らしく、古典主義様式を底流とする英国のジョージ王朝時代(1714~1800)の趣きを呈しています。

旧ハンター住宅の室内写真

1階南面ベランダの画像
1階南面ベランダ
1階廊下の画像
1階廊下
階段踊場の画像
階段踊場
1階食堂の画像
1階食堂

阪神・淡路大震災により、れんが造の煙突2本のうち1本が折れ、室内に落下したため、東広縁部が全体に崩壊するなど大きな被害を受けました。東広縁部を一旦解体し、補修して組み直し、煙突の復旧、内壁の塗りかえ、建具の補修を行いました。

その他

指定年月日:昭和41年6月11日
所有者:神戸市

お問い合わせ先

文化スポーツ局文化財課