神戸市-KOBE-


被害の状況(物的被害)

最終更新日
2006年1月17日

総括

被害が甚大であった地区は、既成市街地域の東灘区から須磨区及び北区にかけて8地区に分類することができ、その被害の特徴は、次のとおりである。

各地区の被害の特徴

建物の被害

1 火災

地震直後から火災が多発し、火災による被害は、全焼6,965棟、半焼80棟にのぼる。

各地区の火災の状況

2 建物の倒壊等

既成市街地域を中心に帯状に木造家屋が倒壊し、全壊67,421棟、半壊55,145棟の被害が発生した。
特に被害が甚大であるのは、東灘区、灘区の、東西方向に走る阪急電鉄と阪神電鉄の間の断層に沿った地域である。

木造家屋の倒壊は、瓦葺き屋根に土壁構造、店舗付き住宅に顕著である。
また、都心(中央区)を中心として、商業、業務施設等の非木造建築物が破壊された。
特に、中間階が崩れた建物が多く見られた。

写真木造家屋の倒壊

写真中間層が破壊したビル

一方高層建築物は柱や壁に弾力性を持たせ、建物自体が揺れることで地震エネルギーを吸収する構造のため、ほとんどが倒壊をのがれている。

各地区の建物倒壊の状況

3 危険物施設の被害等

危険物施設の被害は、火災6施設、漏洩73施設、施設破損636施設の計715施設であった。

火災は危険物に起因するものはなく市街地の大規模火災からの延焼によるものであり、漏洩は屋内貯蔵所における容器の転倒破損、屋外タンク貯蔵所の液面の揺れ及び配管等の損傷によるものであった。

被害を受けた危険物施設被害を受けた危険物施設

また、火災、漏洩を伴わない施設破損の状況は、給油取扱所の床面・防火へいの損傷、屋外タンク貯蔵所の不等沈下、防油堤の亀裂及び配管の変形等であった。

危険物施設区分ごとの被災状況は、屋外タンク貯蔵所が271施設と最も多く、次いで給油取扱所、一般取扱所、屋内貯蔵所の順であった。

神戸市内の危険物施設の被災状況

危険物施設の被害等
区分施設総数火災漏洩破損被災施設数
製造所3902810
屋内貯蔵所6310353772
屋外タンク貯蔵所687012259271
屋内タンク貯蔵所28511810
地下タンク貯蔵所848063238
簡易タンク貯蔵所30000
移動タンク貯蔵所6460033
屋外貯蔵所219003333
給油取扱所58603154157
第1種販売取扱所4711810
第2種販売取扱所261113
移送取扱所1203710
一般取扱所585398698
合計4,614673636715

4 公共施設の被害等

神戸市役所2号館(8階建)6階部分
市立西市民病院(7階建)5階部分
兵庫警察署(4階建)1階部分
が崩壊し、死者が発生した。

6階部分が崩壊した神戸市役所2号館6階部分が崩壊した神戸市役所2号館

このほか、学校施設では全市345校園2分校中、295校園2分校が被災した。

5 消防庁舎の被害等

消防庁舎の被害は、中央区の3消防署を中心に甚大な被害が生じた。構造的に見れば共同住宅との複合用途建物に集中している。

生田、葺合消防署(当時)及び東灘消防署青木出張所は、共同住宅との複合用途建物であり、庁舎の主要構造部であるコンクリート柱や耐力壁に亀裂が生じ、危険な状態となったため、緊急に庁舎を移転した。

望火台が崩落した葺合消防署望火台が崩落した葺合消防署(当時)

水上消防署は、基礎杭が折れ庁舎が傾斜したため仮設待機室を建設し、夜間は避難する措置をとった。

6 医療機関の被害等

市内112病院の被害は、全半壊が12病院で、壁に亀裂が入る等の軽度の被害を含めると被害率は約90%となる(兵庫県私立病院協会神戸支部等調べ)

一方、診療所は市内1,363機関のうち、全半壊259機関、軽微及び被害なし926機関、不明178機関である。(神戸市医師会等調べ)

被災した病院被災した病院

交通機関の被害

1 鉄軌道

鉄軌道では、高架、橋梁、トンネル等の線路施設、駅舎、車両などが大きな被害を受けた。
山陽新幹線の橋脚は、8箇所で高架橋が落橋した。

また、神戸高速鉄道の大開駅等、地震により地下構造物の被害が発生したところは、トンネル敷設後に埋め戻す工法(開削工法)により施工された区間に集中している。

被害を受けた車両基地被害を受けた車両基地

2 道路

神戸市域における道路の中で最も顕著な被害は阪神高速神戸線をはじめ、湾岸線、2号浜手バイパス、ハーバーハイウェイ等の高架道路の被害であった。

特に阪神高速神戸線東灘区深江付近のピルツ工法によるRC単柱橋脚の倒壊は、最も象徴的である。
神戸市が管理する国道、県道、市道においても、亀裂や段差、歩道の損傷などが市内全域に多数発生した。
橋梁の被害は、土木局が管理する2,170橋の内、何らかの被害を受けた橋梁は74橋であった。

特に、市街地東部の埋立地であり、臨海部の工業地帯を形成している東部第1、2、3、4工区と市街地を連絡する橋梁5橋すべてが大きく損傷したほか、市街地西部においても山陽電鉄をまたぐ主要地方道神戸明石線の西代跨線橋等の被害が大きかった。

道路舗装の地震による被害は、他の構造物損傷が原因するものを除けば、通行が不能になるほどの構造物被害は発生していないが、国道・県道・市道を問わず市内のいたるところで亀裂や段差、歩道の損傷などが数多く見られた。

阪神高速道路落橋阪神高速道路落橋

3 港湾施設

東西20kmにわたる神戸港において、約116kmに及ぶ水際線の大部分が被害を受け、一部は壊滅した。港湾施設については、防波堤をはじめ大型岸壁 239バース及び23kmにのぼる物揚場の大部分が被災し、背後に位置する上屋、野積場、荷役機械、民間倉庫も使用不能となったのもが多い。特に、外貿貨物の7割を取り扱っていたコンテナターミナルが大きな被害を受け、全て使用不能となった。

海岸保全施設については、被害の大きい箇所では、護岸が倒壊し、背後の土地が一部水没した箇所もある。また、被害の小さい箇所でもクラックや目地開きが点在している等、海岸保全設備の大部分が防潮機能を損なわれた。また、高速道路及び新交通システムも被災し、湾岸の交通網が寸断され麻痺状態に陥った。

崩壊した護岸崩壊した護岸

神戸港の被災状況
施設名被害内容
岸壁等外郭施設(防波堤、護岸) 18,273m(18,273m)
係留施設(摩耶埠頭の耐震バースは被害なし) 70,526m(71,093m)
海岸保全施設堤防、護岸、防波堤 約55km(55km)、鉄扉 101箇所(230)
水門 2箇所(7)、排水機場 6基(6)
新交通
(港湾局区間のみ)
ポートライナー:南公園駅から中公園駅から中、北埠頭駅からポートターミナル駅
六甲ライナー:南魚崎駅からアイランド北口駅
緑地メリケンパーク、灘浜緑地
PI:北公園、中公園、南公園
RI:北公園、マリンパーク
荷役機械24基(24基)
上屋等東部4工区 15棟/新港、中突堤 38棟/六甲アイランド 7棟
兵庫、長田 13棟/ポートアイランド 11棟/摩耶 12棟
合計 96棟(96棟)
埠頭用地96ha(六甲アイランド、摩耶埠頭等)(96ha)
財団法人 神戸港埠頭公社コンテナバース PI:10バース、RI:7バース
フェリーバース RI:3バース
ライナーバース PI:15バース
荷役機械 37基、上屋 14棟、可動橋 3基、ヤード等
(公社はすべて被災)
東部3・4工区の民有護岸5,300m(5,300m)

ライフラインの被害

1 水道

2 処理場、ポンプ場

3 電気

4 ガス

5 廃棄物

6 電信、電話

産業への被害

1 第1次産業

2 第2次産業

3 第3次産業

文化財の被害

 観光資源にもなっている建造物が大きな被害を受けたほか、博物館や美術館の収蔵、展示品が破損した。

全壊した旧居留地15番館全壊した旧居留地15番館

建造物
区分・被災件数施設名
国指定重要文化財
(138件中21件)
旧居留地十五番館、
風見鶏の館 等
県指定重要文化財
(39件中18件)
六甲八幡神社厄神宮本殿、
清盛塚十三重塔 等
市指定伝統的・歴史的建造物
(67件中54件)
旧アメリカ領事館官舎、
ラインの館 等