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未収録作品編 作品No.21〜24

作品21.多井畑

神戸百景から漏れた作品
作品21.多井畑

【撮影場所】 須磨区多井畑熊治郎 (撮影:2011/10/19)

 ここは須磨区の桃源郷です。農村的な風景が残っているのは、須磨区では、もうこの多井畑くらいではないでしょうか。実は、この多井畑、厄神さんをはじめ、松風村雨の墓や義経腰掛の松など、源平ゆかりの由緒ある土地でもあるのです。この日も蔵のある路地を地図片手に女性たちが歩いているのを見かけました。ここにも清盛ブームの風が吹いているのでしょうか。
 わたしが多井畑を訪れたのは平日の午前中でした。地図を片手に古い町並みの中を歩き続け、それらしき風景を見つけましたが、何となくイメージとは違うように思えました。道を尋ねようにも人がいる気配すらありません。困っていると、たまたま家の軒先で立ち話をされている方々を見つけ、声をかけてみました。どうやら、見当違いの方向に歩いているようでした。お聞きしたところでは、川西画にあるような段々畑が残っている場所があるそうで、ご親切に現地まで案内してくださいました。この方のお話によれば、川西画にあるため池も昔はたくさんあったようです。多井畑地区は、まわりを新興住宅で取り囲まれたようなところです。散策を続けていると、写真の光景が目の前に広がってきました。果たしてこの場所かどうかは、もうだれにも分からないと思いますが、これだけ似通った場所で撮影できたことに嬉(うれ)しさが込み上げてきました。偶然の出会いにも関わらず、とてもよい撮影ポイントを教えていただいたことに感謝します。

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作品22.須磨陸橋

神戸百景の本編から除外された作品
作品22.須磨陸橋

【撮影場所】 須磨区行幸町2 (撮影:2011/10/11)

 須磨にある天神橋です。天神橋とは、橋畔の綱敷天満宮にちなみ命名されています。上をゆく国道2号線と下を走るJR線が交差するのですが、ちょうどX(エックス)のように、国道の下をJRの線路が斜めに横切っているのが特徴です。川西英さんの時代には、市電も走っていましたね。この橋の歴史を振り返ると、1927(昭和2)年に須磨天神橋跨線(こせん)橋として竣工されました。1959(昭和34)年に国鉄鷹取〜西明石間の複々線化工事のため、拡幅改築工事がされています。写真右側に見える踏み切りが、あの武庫離宮道につづくとは思いませんでした。行幸の際、離宮道はどのような使い方をされていたのでしょうか?

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作品23.王子公園

タイトルを変更し、修正または描き直した作品
作品23.王子公園 / 神戸百景25.王子動物園

 タイトルが王子公園から王子動物園へと変更されています。未収録作品はモノクロのため、色の変更点においては、よく分かりません。わたしが確認できたのは、ゾウ舎に横2本のラインがひかれているところです。こういうものは、子供の目で見てもらったほうが、すぐに見つかるかも分かりませんね。

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作品24.元町ネオン

タイトルは変更せず、修正または描き直した作品
作品24.元町ネオン / 神戸百景5.元町ネオン

 新旧どちらもスケッチポイントは、ほぼ同じ場所でしょう。未収録作品から神戸百景本編の描かれた9年の間にネオンは様変わりしています。神戸百景本編『5.元町ネオン』では、商店街アーケードの入り口に注目し、その東西どちら側からスケッチされたものかを解明しました。それに比べ、未収録作品のほうがポイントを特定しやすかったです。たとえば、大丸のネオンサインが見えていること。大丸側に♪ネオンサインの国際楽器さんが見えていること。入り口のMOTOMACHIのネオンが、IHCAMOTOMと逆表記されていること。などから、商店街側から大丸を見ているとすぐに分かります。また、未収録作品からは大丸に航空灯台があったことも分かります。
 さて、未収録作品には『川西英』のネオンが描かれているのに気づかれたでしょうか?川西英さん流のユーモアが作品で表現されています。個人的には、これは神戸百景本編にも残してもらいたかったです。

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