神戸百景は、市内の百の情景を集めたものです。実は、神戸百景の発行が決まった時点で、すでに100景は揃っていました。ところが、構想から発行まで相当の年月が経過、戦後、急速な発展をみせる神戸の街を、もう一度描き直そうとの話になったのです。そこで、全体の1/3を修正、または描き直すことになり、最終的に30景ほどが百景より外されたかたちになりました。
　この『未収録作品編』では、惜しくも百景から漏れた作品に焦点をあてながら紹介していきます。川西英さんの残した色鮮やかな作品を想像してみたり、頭の中で作品に色づけしてみてはいかがでしょうか。なお、ここに登場する未収録作品とは、モノクロネガフイルムに記録されていたものであり、いまのところ原画などの所在は明らかではありません。また、作品につけた通し番号は、このフイルムに撮影されていた順としてあります。