最終更新日:2025年6月23日
ページID:3214
ここから本文です。
建物を建てる時は、都市計画法や建築基準法を守って建てられますが、これらは日本全国一律に定められた最低限のルールです。
建築協定は、このような法律に上乗せする形で定める、その地域の特性に合った法律より厳しい建物のルールです。
例えばこのようなときに建築協定の活用が考えられます。
→敷地の分割禁止等の「敷地に関する基準」を定めておけば安心
→建築物の壁面の位置から敷地境界線までの距離等の「位置に関する基準」を定めておけば安心
建築協定に参加できる人は、建築協定を締結しようとする区域内の土地の所有者と借地権者です。
建築協定では次の5つの項目を定めます。
建築協定を締結しようとする区域内で協定に合意した土地を「建築協定区域」といい、協定の効力が及ぶことになります。
合意しなかった土地には、建築協定の効力は及びませんが、認可申請の際に、合意しなかった土地を「建築協定区域隣接地」として指定しておけば、将来、その方が参加しようとする場合、簡単な手続きで建築協定に加わることができます。
建築基準法では、建築物の敷地・位置・構造・用途・形態・意匠・建築設備について協定できるように定められています。具体的な基準例としては、次のようなことが考えられます。
項目 | 基準内容例 |
---|---|
「敷地」に関する基準 | 分割禁止、最低敷地面積の制限、地盤高の変更禁止など |
「位置」に関する基準 | 建築物の壁面から敷地境界や道路境界までの距離の制限など |
「構造」に関する基準 | 木造に限る、耐火構造に限るなど |
「用途」に関する基準 | 専用住宅に限る、共同住宅の禁止、兼用住宅の制限など |
「形態」に関する基準 | 階数の制限、高さの制限、建ぺい率や容積率の制限など |
「意匠」に関する基準 | 色彩の制限、屋根形状の制限、看板など広告物の制限など |
「建築設備」に関する基準 | 屋上温水設備の禁止、アマチュア無線アンテナの禁止など |
建築協定は、協定参加のみなさんがお互いに守っていくことを約束した私法的契約という性格のものです。建築協定で定められた建築物に関する基準は、建築確認を行なう建築主事の確認の対象とはならず、建築協定違反があっても特定行政庁による違反是正の対象にはなりません。
協定違反者に対しては、建築協定書の規定に従い、みなさんで対応・手続きを取ります。
建築協定は、締結時にみなさんが決める有効期間内に限り効力があります。
また、有効期間内であれば、売買等により土地の所有者等が変わったとしても、新しい土地の所有者等に対し、その効力が及びます。
建築協定の運営は、協定に参加するみなさんが行っていくことになります。
そのためには、協定参加者の代表によって「運営委員会」を設け、みなさん自身で建築計画の事前協議(協定に適合しているかどうかの審査)や協定の更新・変更手続きなどの活動を行っていくことになります。
運営委員会では主に次のような活動を行います。
建築協定区域において行われる建築計画は、建築協定に適合したものでなければいけません。
そのため、建築協定区域内の建築計画について、建築協定の内容に適合しているかどうかを運営委員会がチェックします。これを「事前協議」といいます。
建築協定区域内で建築の計画をされる場合は、事前にその内容が協定に適合しているか、各地区の建築協定運営委員会に確認が必要です。
運営委員会は、建築計画が建築協定のルールに適合しているかどうかを確認します。
建築協定は市長の認可が必要となります。
建築協定制度の概要をまとめたパンフレットです。
建築協定をわかりやすく解説した初心者向けの内容です。