土壌汚染対策法について

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近年、有害物質による土壌汚染事例の判明件数の増加が著しく、土壌汚染による健康影響の懸念や対策の確立への社会的要請が強まっている状況を踏まえ、国民の安全と安心の確保を図るため、土壌汚染の状況の把握、土壌汚染による人の健康被害の防止に関する措置等の土壌汚染対策を実施することを内容とする「土壌汚染対策法」が、2002年5月22日に成立し、29日公布、2003年2月15日に施行されました。

また、「土壌汚染対策法」に土壌汚染状況の把握のための制度の拡充、規制対象区域の分類等による講ずべき措置の内容の明確化、搬出土壌の適正処理の確保の内容を加える「土壌汚染対策法の一部を改正する法律」が2009年4月24日に公布され、2010年4月1日に施行されました。

更に、適切なリスク管理を推進するため、2017年5月19日「土壌汚染対策法の一部を改正する法律」が公布され、第一段階が2018年4月1日に第二段階は2019年4月1日に施行されました。

パンフレット「土壌汚染対策法のしくみ」(環境省)(外部リンク)

法律の概要

土壌汚染対策法の概要は、次の通りです。

目的

土壌汚染の状況の把握に関する措置及びその汚染による人の健康被害の防止に関する措置を定めること等により、土壌汚染対策の実施を図り、もって国民の健康を保護することです。

土壌汚染状況調査

土壌汚染の状況を把握するため、汚染の可能性のある土地について、一定の契機をとらえて調査を行います。

(1)使用が廃止された有害物質使用特定施設に係る工場又は事業場の敷地であった土地の調査(法第3条)

使用が廃止された有害物質使用特定施設に係る工場又は事業場の敷地であった土地の所有者等は、当該土地の土壌汚染の状況について、環境大臣が指定する者(指定調査機関)に調査させて、その結果を都道府県知事(神戸市域においては、神戸市長。以下同じ。)に報告しなければなりません。
(※ただし、土地利用の方法からみて人の健康被害が生ずるおそれがない旨の神戸市長の確認を受けたときは調査が猶予されます。なお、この調査が猶予されている土地において900平方メートル以上の土地の形質の変更を行う場合は、予め都道府県知事に届出なければなりません。また届出に基づき、形質変更範囲のうち「掘削する部分」の土壌汚染状況調査を行うよう命令が発出されます。)

有害物質使用特定施設

有害物質の製造、使用又は処理をする水質汚濁防止法の特定施設(下水道法に基づく届出施設を含む)

特定施設の届出事業場名簿の閲覧

(2)一定規模以上の形質変更を行なう土地であって土壌汚染のおそれのある土地の調査(法第4条)

一定の規模以上※の土地の形質変更を行なう者は、当該土地の形質変更に着手する日の30日前までに形質変更の場所及び着手予定日等を都道府県知事に届け出なければなりません。

※一定の規模以上とは・・・
水質汚濁防止法に定める有害物質使用特定施設設置事業場の敷地:900平方メートル以上
その他の土地:3000平方メートル以上

都道府県知事は届出を受け、当該土地が特定有害物質によって汚染されているおそれがあると認めるときは、当該土地の所有者等に対し、指定調査機関に土地の汚染状況について調査させて、その結果を報告すべきことを命ずることができます。

一定の規模以上の土地の形質の変更の届出と調査命令

汚染のおそれを判断する土地の基準(施行規則第26条第1号~5号)
  • 特定有害物資による汚染が土壌溶出量基準及び土壌含有量基準に適合しないことが明らかである場合
  • 特定有害物質が埋められ、飛散し、流出し、地下に浸透していた土地
  • 特定有害物質を製造、使用、処理していた土地
  • 特定有害物質が貯蔵、保管されていた場所(環境大臣が定める地下浸透防止措置が講じられている場合を除く)
  • その他、特定有害物質によって汚染されているおそれがあるとみとめる場合
汚染のおそれを判断する資料の例
  • 公的な届出資料(法令や条例、要綱により届出が義務付けられているもの)
  • 土地所有者等から自主的に提出された土壌汚染調査・対策報告書

(3)土壌汚染による健康被害が生ずるおそれがある土地の調査(法第5条)

都道府県知事は、土壌汚染により人の健康被害が生ずるおそれがある土地があると認めるときは、当該土地の土壌汚染の状況について、当該土地の所有者等に対し、指定調査機関に調査させて、その結果を報告すべきことを命ずることができます。

土壌汚染状況調査と地歴調査

土壌汚染状況調査については、初めに「地歴調査」を行い、「汚染のおそれの区分の分類」を行います。
その結果、必要であれば「試料採取調査(ボーリング調査、ガス調査)」を行う区画を選定します。
なお、調査は指定調査機関が行わなければなりません。

<土壌汚染状況調査と地歴調査の流れ>

土壌汚染状況調査及び地歴調査に関して、環境省から次の2つの通知文が示されており、これらに基づき調査を行うことが重要です。

土壌汚染状況調査における地歴調査について(環境省水・大気環境局土壌環境課長通知 平成24年8月17日 環水大土発第第120817003号)
特定有害物質の埋設、飛散、流出又は地下への浸透等の履歴を確認する際に参考になり得ると考えられる行政手続の例について(環境省水・大気環境局土壌環境課通知 平成22年3月30日)

要措置区域及び形質変更時要届出区域の指定(第6条、第11条)と台帳の調製

都道府県知事は、土壌の汚染状態が指定基準に適合しない土地については、その区域を要措置区域又は形質変更時要届出区域として指定・公示するとともに、台帳を調製し、閲覧に供します。

要措置区域

土壌の汚染状態が指定基準に適合しない土地であり、かつ土壌汚染の摂取経路があり、健康被害が生ずるおそれがあるため、汚染の除去等の措置が必要な区域

形質変更時要届出区域

土壌の汚染状態が指定基準に適合しない土地であるが、土壌汚染の摂取経路がなく、健康被害が生ずるおそれがないため、汚染の除去等の措置が不要な区域(摂取経路の遮断が行なわれた区域を含む)

自主調査結果による区域の指定の申請(法第14条)

自主調査により土壌汚染が判明した土地について、土地所有者等は神戸市長に区域の指定を申請をすることができます。

  • 『法に定める土壌汚染状況調査の方法』と同等以上の調査を実施していることが必要です。例えば、任意の特定有害物質のみを調査し、汚染のおそれがある他の特定有害物質については同等の調査を実施せず、その任意の特定有害物質等についてだけ申請することはできません。
  • 申請する土地の面積・規模について規定はありません。
  • 一定の規模以上の土地の形質の変更が計画されている土地であっても、法第4条第3項の調査命令前であれば、自主的な区域の指定の申請を行うことができます。
  • 提出された調査結果については、『法に定める土壌汚染状況調査の方法』と同等以上の調査方法により実施されたものであるかどうか審査を行います。
  • 申請者以外に土地所有者等がいる場合は、その全員の合意書が必要です。
  • 土壌汚染対策法の自主申請活用の手引き(環境省)(PDF形式)(外部リンク)

土壌汚染による健康被害の防止措置

(1)要措置区域の汚染の除去等の措置の指示(法第7条)

  • 都道府県知事は、要措置区域内の土地の土壌汚染により人の健康被害が生ずるおそれがあると認めるときは、当該土地の所有者等に対し、汚染の除去等の計画を作成し提出すべきことを指示するものとする。
  • 汚染原因者が明らかな場合であって、汚染原因者に措置を講じさせることにつき土地の所有者等に異議がないとき、都道府県知事は汚染原因者に対し、汚染の除去等の計画を作成し提出すべきことを指示するものとする。
汚染の除去等の措置(施行規則第36条、39条)

立入制限・覆土・舗装(直接摂取の場合)、汚染土壌の封じ込め、浄化等

(2)汚染の除去等の措置に要した費用の請求(法第8条)

要措置区域の汚染の除去等の措置の指示を受けて土地の所有者等が汚染の除去等の措置を講じたときは、汚染原因者に対し、これに要した費用を請求することができます。

(3)形質変更時要届出区域内の土地の形質変更の届出及び計画変更命令(法第12条)

形質変更時要届出内において土地の形質変更をしようとする者は、都道府県知事に届け出なければなりません。都道府県知事は、その施行方法が基準に適合しないと認めるときは、その届出をした者に対し、施行方法に関する計画の変更を命ずることができます。

搬出土壌の適正処理の確保

(1)汚染土壌の搬出時における規制(法第16条)

要措置区域及び形質変更時要届出区域内の土地の土壌を、これらの区域外へ搬出しようとする者は、搬出に着手する14日前までに都道府県知事に届け出なければなりません。

都道府県知事は運搬の基準に違反し又は汚染土壌の処理を汚染土壌処理業者に委託していない場合は届出者に対し計画変更命令を発出することができます。

また都道府県知事は、運搬基準に従って適正な運搬がなされていない場合又は汚染土壌の処理を汚染土壌処理業者に委託しなかった場合は、届出者に対し措置命令を発出することができます。

汚染土壌の運搬に関するガイドライン改訂第4版(PDF形式)(外部リンク)

(2)搬出土壌に関する管理票の交付・保存の義務(法第20条)

土壌汚染状況調査の信頼性を確保するため、技術的能力を有する調査事業者をその申請により環境大臣が指定調査機関として指定しています。

  • 汚染土壌を搬出するものは(管理票交付者)は、運搬受託者に対し、必要事項を記載した管理票を交付しなければならない。ただし、非常災害の場合を除く。
  • 運搬受託者は、汚染土壌の運搬を終了したときは、管理票に必要事項を記載し、10日以内に管理票交付者に管理票の写しを送付しなければならない。
  • 処理受託者は、汚染土壌の処理を終了したときは、必要事項を記載し、10日以内に管理票交付者、運搬受託者に管理票の写しを送付しなければならない。
  • 管理票交付者は、管理票の写しの送付を受けたときは、汚染土壌の運搬、処理が終了したことを管理票の写しにより確認し、5年間保存(運搬・処理受託者も同様)しなければならない。

指定調査機関(法第3条、第29条)

土壌汚染状況調査の信頼性を確保するため、技術的能力を有する調査事業者をその申請により環境大臣が指定調査機関として指定しています。

土壌汚染状況調査等を依頼される場合は名簿でご確認ください。

また、下記の「特に情報開示が望まれる項目」を確認することが重要です。

汚染土壌処理業(法第22条)

要措置区域及び形質変更時要届出区域から搬出された土壌の処理は、汚染土壌処理業者に委託しなければなりません。

汚染土壌処理業を行うには、汚染土壌処理施設ごとに都道府県知事の許可(汚染土壌処理施設の構造基準等に適合していることが必要)を受けなければなりません。

また、汚染土壌の処理に際しては、汚染土壌の処理に関する規制に従わなければなりません。

汚染土壌の処理に関する規制

  • 汚水の公共用水域又は下水道への排出に関する規制
  • 汚染土壌の処理に伴って発生するガスの大気への排出に関する規制
  • 汚水の地下浸透(土壌汚染)の防止に関する規制
  • その他規制

公園等の公共施設、学校、卸売市場等の公益的施設、これらに準ずる施設の土壌汚染状況調査(法第61条第2項)

公園等の公共施設若しくは学校、卸売市場等の公益的施設又はこれらに準ずる施設を設置しようとする者に対して、その土地が汚染のおそれの基準(施行規則第26条)に該当するか否かを把握させるよう、都道府県知事が指導に努めることとなっています。
なお、面積による規模の規定はありません。
これら施設を設置しようとする場合は、自主的に土壌汚染状況調査(初めに地歴調査)を実施することが重要です。

<土壌汚染状況調査と地歴調査の流れ>

指定支援法人(法第44条)

土壌汚染対策の円滑な推進を図るため、汚染の除去等の措置を講ずる者に対する助成、土壌汚染状況調査等についての助言、普及啓発等の業務を行う指定支援法人に関し、基金の設置等の必要な事項を定めています。(指定支援法人については、2002年12月25日付けで財団法人日本環境協会が指定されている。)

その他

報告徴収及び立入検査等の雑則、所要の罰則を定める。

関係法令・施行通知・Q&A

ガイドライン・ガイドブック・マニュアル等

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