第3回認定神戸歴史遺産

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4件を神戸歴史遺産として認定しました。
詳しい内容は認定概要書をご覧ください。
第3回神戸歴史遺産認定概要書(PDF:8,384KB)

11.住吉川の水車小屋跡(八輌場地点)

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住吉川は六甲山地の中では豊富な水量を持つため江戸時代より水車が建設され、絞油や精米などに利用されてきました。酒造業の活況とともに、次第に数を増やし、大正時代中期には80輌もの水車がありました。その後は、時代の変化とともに衰退し、昭和54年(1979)に住吉川流域の水車小屋は姿を消しました。現在は、水車小屋跡に石で作られた水車用の水路や石垣が残ります。地元団体により植樹や草刈りが継続して行われるなど、神戸の地場産業を支えた水車小屋の存在を周知する活動も見込まれます。

12.旧松森医院本医院棟

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松森家は江戸時代には篠山藩(現:兵庫県丹波篠山市)の御殿医をつとめた武家でしたが、廃藩置県により野瀬へ移り、明治44年(1911)に現在地で松森医院を開業したと伝えられます。旧松森医院本医院棟は、昭和3年(1928)に2代院長・正純氏により建築されました。木造瓦葺2階建ての大規模な近代和風医院建築で、良質な木材が使用され、格天井や欄間装飾など細部まで手の込んだ造りです。手術や出産にも対応する機能を持ち、地域医療を支えました。解体の危機から救われ、地域交流拠点施設として保存活用が見込まれます。

13.白川大歳神社本殿及び覆屋

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社殿覆屋の中に東西に3社が並ぶ形で配置され、中央社殿に大歳大明神が祀られています。中央社殿は一間社春日造、東側社殿は一間社春日造、西側社殿は一間社流造、覆屋は東西四間・南北三間の入母屋造です。明治10年(1877)に焼失したと伝わり、その後再建された社殿と考えられます。現在も地域住民による「神主番」が祭礼に携わり、白川地域のコミュニティの拠点として、五大祭などの開催を通じて地域住民に親しまれています。

14.旧寺西家住宅(垂水五色山西洋館)

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垂水区塩屋から舞子にかけての高台や臨海部は、明石海峡を望む風光明媚な地として、明治時代後半から昭和時代初期にかけて、外国人や実業家の別荘が数多く建てられました。この住宅も、大阪商船株式会社(現:株式会社商船三井)取締役の寺西成器(1845~1930頃)が大正6年(1917)に別邸として建築したと推定されています。建築当初のステンドグラスや暖炉、階段親柱などの意匠・装飾もよく残っています。別荘や豪邸が数多く建築された当時の面影を留める洋館であり、今後は地域に開放しながらの保存活用も見込まれます。

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