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最終更新日:2023年1月31日
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2010年12月、海外で初のBOKOMI(防災福祉コミュニティ)が、インドネシアのジョグジャカルタ市内、バッドラン地区で結成されました。
インドネシアでは、2006年5月に発生したジャワ中部地震により、6000人を超える尊い命が奪われました。また、スマトラ島沖では、頻繁に大きな地震が起こり、2010年10月25日にも津波により多くの方が亡くなられました。翌日にはジョグジャカルタ近郊にあるムラピ山が断続的に噴火し、死者300人を超す大きな被害となりました。
バッドラン地区は、ジョグジャカルタ特別州ジョグジャカルタ市の住宅地で、約350世帯、約1,400人が暮らしています。日本に昔存在した「隣組」のような、伝統的な組織「ゴトンロヨン」がしっかりと残っている地域です。
インドネシアに神戸市のBOKOMIの取り組みを伝え、また、神戸市で行っている防災教育を現地の子どもたちに実施しようと、インドネシアへ防災を伝える試みがインドネシア国立ガジャマダ大学をカウンターパートとしてはじまりました。
そうした中、インドネシアの方々に神戸市の「BOKOMI」の精神や活動を紹介し、神戸市の地域の方々が熱心に防災訓練に取り組む様子を見学してもらい、討論を重ねるうちに、自分たちのまちにも自主防災組織が必要であると共感され、海外で初の「BOKOMI」が結成されることとなりました。
2010年6月に神戸市消防局の職員が現地を訪れ、防災福祉コミュニティの理念や活動などをガジャマダ大学准教授やバッドラン地区の代表者などに説明しました。また、どのようにしたら自主防災活動が行えるのか、子どもたちにどうすれば防災教育を行うことができるのかなどの調査も行いました。
バッドラン地区
消防署
大学
大工道具屋
ゴトンロヨンが作った釣堀
2010年6月30日から6日間、ガジャマダ大学准教授、バッドラン地区の代表者、大学職員などが神戸市を訪れました。
神戸市役所で神戸市防災福祉コミュニティの設立や活動事例などを説明し、水上消防署の庁舎や資器材などを見学しました。また、神戸市防災福祉コミュニティの訓練など、地域の様々な取り組みも見学し、どういった自主防災活動を行っていくのが良いのかを学んでもらいました。
資器材庫の見学
消火ポンプの見学
SUPER EAGLE KOBE(水上消防署 特別高度救助隊)の視察
応急手当(AED取扱い訓練)
消火器訓練
2010年12月、バッドラン地区で地域の代表者をBOKOMIの会長とし、海外初のBADRAN BOKOMI(バッドラン防コミ)が発足しました。
設立式ではインドネシア独特のペナントで会場が彩られ、バッドランの住民約300人(子ども50人)、ジョグジャカルタの副市長、地元の消防士も参加しましました。
設立式の後には、今回配備した小型動力ポンプや、消火器を用いた訓練、また、子どもたちに楽しみながら防災を学んでもらう「カエルキャラバン」を実施しました。
訓練後には、日本の婦人会のような組織の方々による炊き出し訓練も行われました。
会場を彩るペナント
完成した資器材庫
バケツリレーでの消火訓練
消火ポンプ放水
水消火器を使った消火訓練
布担架作成
非常持出品展示
火山避難訓練
ケガの手当て
防災すごろく
煙体験ハウス
婦人会による炊き出し
炊き出しを食べる人たち
現在、バッドランBOKOMIでは、毎月第3日曜日と、日を決めて訓練を実施しています。
ドラム缶の水ではいざというときに足りないので、各家庭にバケツを配布し、火災が発生した時には皆が水を持ってポンプのところに集まるシステムを考案し、実際に訓練を行って効果も検証しました。
また、遠くの川からのポンプ2機による中継送水訓練なども実施しました。
同じようにBOKOMIを結成したいと考えている国内の各地区からも、多くの方が視察に来られているようで、BOKOMIは着実にインドネシアでも広がりを見せています。
こういった取り組みが、災害の多いインドネシア国内の他の地域へと広がり、地域防災力が向上し、少しでも現災につながるよう、神戸市消防局として今後も引き続き協力していきたいと考えています。
避難広場の整備
地元で開発した台車付ポンプ
濡れ麻袋での消火
消火訓練
ホース巻き訓練
遠方からの視察グループ