最終更新日:2023年9月8日
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胃がんは、胃の壁の内側にある粘膜層から発生し、外側の粘膜下層や筋層へと広がっていきます。
胃がんは、早い段階で自覚症状が出ることは少なく、かなり進行しても無症状の場合があります。
代表的な症状は、胃の痛み・胸やけ・吐き気・食欲不振ですが、これらは胃がん特有の症状ではなく、胃炎や胃潰瘍(いかいよう)の場合でも起こります。
検査をしなければ確定診断はできませんので、がん検診を受けることが重要です。
粘膜層や粘膜下層にとどまっている「早期がん」の時期ならば、手術で100%近く治りますが、筋層やさらに外へ進むにつれ、治る率はだんだん下がってしまいます。
早期発見、早期治療がいかに大切かということです。
早期がんの時期は、ほとんど自覚症状がないので、定期的に検診を受けるようにしましょう。
肺がんは従来、男性の増加傾向が顕著でしたが、近年は女性にも増加が見られ、男女全体において1998年に死亡者数の第一位になりました。
喫煙に関係が深く、喫煙開始年齢が早かったり喫煙量が多いほどかかる率が高くなります。
受動喫煙でもかかる可能性はあります。
肺がんは発生した場所によって、肺野(はいや)型と肺門(はいもん)型があり、胸部エックス線撮影と痰(たん)の検査を行います。
特徴として、転移しやすいものが多いのですが、近年、早期発見では治る率が高くなっています。
大腸がんは、動物性脂肪のとりすぎと食物繊維をとる量が減ってきたことが原因で、年々増加しています。
また、便のたまりやすい直腸やS状結腸に多くなっています。
早期の大腸がんは、9割以上が治るといわれています。
しかし、がんの進行とともに治癒率は下がります。
大腸がんは進行するまでほとんど自覚症状がないため、早期のがんを見つけるためには、毎年定期的に検診を受ける必要があります。
日本人よりも欧米人に多いといわれてきた乳がんですが、食生活の変化などに伴って、女性の体格や体質が欧米化してきた近年は、発生率、死亡率ともに増加傾向にあります。
現在では、日本人女性の9人に1人が乳がんにかかると言われています。
年間約14,000人以上の女性が乳がんで亡くなっており、40代~50代女性のがん死亡原因の第1位です。
乳がんは、早期発見により適切な治療が行われれば、良好な経過が期待できます。
さらに、乳房を温存しながら、わずかの切除手術でがんを取り除くことも可能です。
乳がんでは、自分で触って発見できる可能性のある数少ないがんです。
早期発見のため、乳房を意識する生活習慣(ブレスト・アウェアネス)を心がけましょう。
また、自分では気づかない小さなしこりや、しこりになる前の石灰化した微細な乳がんを見つけるために有効なマンモグラフィ検診も、乳がんの早期発見に欠かすことのできないものです。
乳がん早期発見の秘訣は、月1回の自己触診と、2年に1回のマンモグラフィ検診を続けることです。
子宮がんは、子宮の出口部分にできる「子宮頸がん」、胎児を収める子宮体部にできる「子宮体がん」に分けられます。このうち、神戸市が実施しているのは、「子宮頸がん検診」で以下、「子宮頸がん検診」について記載しています。
子宮頸がんは、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が関与しており、近年、20~30代の若い年代で急増しています。
子宮頸がんは、がん細胞が上皮内(粘膜)に限られている「上皮内がん」の段階で発見できれば、5年生存率は100%。
HPVに感染した粘膜の細胞ががん化するまでは、少し時間がかかり、検診では、このがん化する前の細胞の状態を直接検査するため、定期的(2年に1回)に受けていれば、早期発見につながります。
不正出血などの自覚症状がないうちから検診を受けることが大切です。
前立腺は、男性の膀胱の出口で尿道を囲むようにあり、精液の一部を分泌します。
初めのうちは、自覚症状はありませんが、がんの症状が進んでくると、尿のキレが悪くなったり、夜間の頻尿など排尿に関する症状がでてきます。
前立腺は年をとるにしたがって、その機能はおとろえます。
前立腺がん患者は、高齢者に多く、そのほとんどが70歳以上ですが、早期発見・早期治療のため50歳以上の方に検診をお勧めしています。