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定例会見 2023年9月15日

最終更新日:2023年9月15日

ここから本文です。

・新型コロナウイルス感染症
・持続可能な農業モデルの実現を目指して
 ~神戸農産物の新たなブランド「BE KOBE」

会見資料はこちら(PDF:1,904KB)

冒頭

司会:

 それでは、ただいまより9月1回目の市長定例会見を始めさせていただきます。

 市長、よろしくお願いします。


久元市長:

 よろしくお願いいたします。

 今日お話を申し上げたい案件は2件ですけれども、初めに、阪神タイガースが優勝を果たしました。18年ぶりのリーグ優勝ということで、神戸ゆかりの、そして神戸市民にとっては大変近い、親しい存在である阪神タイガースがリーグ優勝を果たされたことを大変喜んでおります。岡田監督、コーチ、選手、球団関係者の皆様方にお祝いを申し上げたいと思います。神戸、兵庫、そして関西全体に大きな元気を与えることになったということも喜んでおります。

 特に、昨日リーグ優勝を決めた試合では、神戸出身の才木投手が先発登板をされまして、7回1失点、勝利投手に輝くことになりました。才木投手は、神戸生まれ、神戸育ち、須磨翔風高校から阪神に入団をされた、生粋の神戸っ子でいらっしゃいます。その才木投手がこういう形で大変活躍をされた。昨日だけではなくて、今シーズン、本当にすばらしい活躍をしておられましたが、その活躍が神戸市民に大きな元気を与えていただいたということもありがたく思っております。これからクライマックスシリーズ、日本シリーズと続くわけですが、ぜひ阪神タイガースには立ち上がっていただきたいと思っております。

 優勝パレードの話が、今日、午前中、兵庫県のほうから神戸市の文化スポーツ局に連絡があったという話を聞きました。具体的には、まだこれからの相談ということになりますが、兵庫県でこの優勝パレードをしていただけるということであれば、ぜひ、神戸で開催を、パレードを実現していただきたいというふうに思っております。

 これから兵庫県、経済界と協議をするということになりますけれども、ぜひ神戸市もこの優勝パレードの企画、また実施に参画をさせていただきたいと、そして大いに神戸全体で盛り上がることができればというふうに思っております。

新型コロナウイルス感染症

 それでは、本題のほうに入ります。

 コロナウイルスの感染状況です。これまでお話ししておりますように、定点観測のデータで、感染の推移を見ますと、9月4日から10日までの定点観測では、神戸では11.23件ということで、大体これまで、全国的な傾向よりも兵庫県が低く、兵庫県よりも神戸市が低いという状況は変わっておりません。

 前回のこの場では、7月、8月のこの数値が少し下がっているということを説明いたしましたところ、これはお盆前後で、受診をする医療機関の数が減っているせいではないかという質問をいただきまして、それはどうもそれかどうか分からないというのはお話を申し上げたかもしれませんが、結果的にはその可能性が高いだろうというふうに思います。その後、この増加傾向が兵庫県も神戸市も続いておりまして、全体としては、この感染者の増加傾向は、8月も含めて続いてきているというのが実態ではないかというふうに思います。

 一方、この病床使用率のほうは、これはかなり高い水準になっていたわけですが、9月5日の病床使用率60.8%がピークで、若干ここのところ減少傾向にありまして、今日時点での病床使用率は48.9%、重症者がベッドを占めている数は7床ということになっております。圧倒的多数の方は軽症ということで、重症者の数も低い水準にとどまっているということが言えようかと思います。

 このオミクロン株の変異株の状況、これ、健康科学研究所のゲノム解析の状況を従来からも御説明をしてきましたけれども、やはりこの変異株が、オミクロン株のこの変異株がかなり交代をしてきているということがゲノム解析の結果からは読み取れます。

 今増えているのが、このグリーン、EG.5系統というもの。このグリーンが増えておりまして、去年から今年にかけてかなり圧倒的に大きなウエートを占めていたBA.5系統はもうほとんど見られなくなってきていると。それ以外は、このXBB.1系統というものが大部分を占めているということが読み取れます。このEG.5系統は、これは若干免疫逃避、つまりワクチンが効きにくくなる度合いというものが、ほかの変異株よりも若干高いということが観察をされておりますが、重症化のリスクというのは、そんなには変わらないのではないかというふうに考えられております。

 そして、このEG.5系統も含めて、今流行している変異株に対しては、この秋冬接種で使っているXBB.1.5対応のワクチンというものの有効性が確認をされておりますので、やはりワクチンを積極的に接種していただくということが、こういうふうに変異株が変わってきておりますけれども、感染の予防、また重症化の予防ということにも効果があるのではないかというふうに考えられております。

 若干気になるのが、新たな変異株、BA.2.86と言われる系統の変異株です。これは、新たなタイプのオミクロン株の変異株でありまして、スパイクタンパク質に多くの変異体があるということで、さらに免疫逃避の度合いが高いということで、WHOも監視下の変異株に先月の17日に指定をしている変異株です。

 これが世界の14か国で報告されておりまして、我が国では9月7日に東京都で1例報告されております。この変異株の系統が、まだ神戸ではもちろん発見されていないわけですけれども、この新たな変異株の状況も含めて、ゲノム解析を引き続き健康科学研究所で行う。そして、このゲノム解析の結果というのは、神戸市のホームページで、若干細かいデータになりますが、これも公開をいたしまして、市民の皆さんの行動につなげて、行動の参考にしていただくようにしていただければというふうに思っております。

持続可能な農業モデルの実現を目指して~神戸農産物の新たなブランド「BE KOBE」~

 次に、持続可能な農業モデルの実現ということで、神戸農産物の新たなブランド、BE KOBEブランドというものをスタートさせたいと思っておりますので、その内容を御説明させていただきます。

 神戸は大都市の中でも、また、関西の都市の中でも有数の農業都市であるわけですが、神戸の農業を推進する上で、やはりSDGsの観点、持続可能性ということですね。これを重視する政策を特にここ一、二年、強力に進めてきました。それが、1つがこれまで御説明しているこうべ再生リンです。これはもう何回か説明いたしましたけれども、神戸の下水処理場に発生する下水汚泥からリンを抽出して、こうべ再生リンをつくり、そしてこれをこうべハーベストとして神戸の農家で使っていただいて、そしてできた野菜などを神戸市民が地産地消でこれを食べる。そして、下水道に排出をされて、またリンとして回収をされ、こうべ再生リンとして使われる。こういう循環サイクルをつくっていくということが、このSDGsの観点からの神戸農業の1つの大きな取り組みです。

 これは全国的にも大変注目されておりまして、全国からの視察なども相次いでいるところです。そして、神戸の取り組みは国のほうでも、食料安全保障という観点からも意義があるということで、国からの支援もいただき、そして、この神戸の取り組みを国のほうは全国で広げていこうというような動きになっています。

 もう1つは、市内には畜産経営をしている事業者の方々がおられます。そこで排出される堆肥ですよね。この堆肥をできるだけ、これは廃棄物として処分するのではなくて、肥料として使っていただくということを行っております。こういうような形で、化学肥料の使用を抑える有機農業的な考え方を入れていくというのが、神戸のSDGsを念頭に置いた農業政策です。

 これまではこのように生産者向けのアプローチということがメインであったわけですけれども、今後は循環型農業、SDGsを意識した農業をさらに進めていく上では、消費者へのアプローチということも重要ではないかということで、こういうSDGsの観点から、環境に配慮した神戸産の農産物を増やして、そして、これに注目をして消費者に神戸産の農産物を使っていただこうと、こういう取り組みです。

 具体的には、ある一定の基準をつくります。神戸市内の農産物で、環境に配慮した方法で栽培をする農産物の基準をつくる。その基準は、化学肥料由来の窒素成分が、この慣行、慣行と書いておりますのは、一般的に兵庫県がこの提唱をして、大体こういうような化学肥料などの使い方をしてもらったらどうかと提案されていて、かなり普及している肥料の使い方であるわけですが、それがさらに7割以下の肥料を使う。そして、それに加えてこうべ再生リンのリン配合肥料を使っているとか、あるいは市内産の堆肥を使っているとか、こういうような要件を満たす農産物に対して、BE KOBEのロゴマークをここに入れます。そして、これを神戸市内で消費をしていただく。こういう取り組みをこれからしていこうということで、販売目標といたしましては、市内流通量の3分の1である4,000トン程度を目指したいと思っております。

 今後は9月15日、今日からこの生産農家に登録を開始いたしまして、10月14日から来年の2月にかけて行われる神戸食材を使ったオリジナルメニューを市内の飲食店などで販売する。そういう神戸食材フェアを開催して、BE KOBEの農産物を普及していきたいと。また、11月3日には、生産者が一堂に会して市内の神戸の食の魅力を伝えるスペシャルマーケット、BE KOBE収穫祭を開催したいというふうに思っております。

 こういう形で、地域資源循環を行ってSDGsに貢献できる新たな神戸農業のモデルの実現を目指していきたいと考えております。

 私からは以上です。

質疑応答(発表項目)

記者:

 11ページに示していただいた一定の基準と関連してなんですけれども、いろいろ7割以下ですとかいろんなルールがある中で、結構例えば農家さんの負担とか、実際にどこまでこれを取り入れられるのかというところがあると思うんですけれども、現状で登録してくれそうな農家さんの数、あるいは何でしょう、農作物の量というところで、ある程度見通しとか見込みなどはあるのでしょうか。


職員:

 今、目標の4,000トンというのをそこにお書きしてございますが、今すぐにこの基準がクリアできるのは、およそ3,000トンというふうに考えてございます。農家数の数ではちょっとお示しはできません。3,000トンは今、その上積みをまずは1,000トンというふうに考えてございます。

 市内流通はそこに書いてございますように、3分の1ですから、1万2,000から1万4,000トンが市内に流通していますが、そのうちの4,000トンを目指していきたいと思ってございます。


記者:

 ありがとうございます。ちなみに、いつ頃までに4,000トンというのは目途として見られているんですか。


職員:

 作物ですから、できる時期というのが限られてまいりますので、米でしたら次の作から、それから、お野菜でしたら年に2回、3回と作られるものもございますので、できるだけ早くということで頑張ってまいりたいと思ってございます。


記者:

 ありがとうございます。あと、細かくて恐縮なんですけども、ここではコマツナを出していただいていますけど、具体的にどんな野菜が主にボリュームとしては多くなりそうですか。


職員:

 ここにお示ししているように、軟弱野菜、葉物野菜と言われるようなものが神戸市では生産が盛んですので、その辺が1,000トンほど、あと、キャベツとかブロッコリーという重量野菜と言われているものについては2,000トン弱ぐらいありまして、そのような形の農産物が主な対象となってくると思います。

 葉物野菜、コマツナ、ホウレンソウ、ミズナ、チンゲンサイみたいな、収穫してからすぐに鮮度が落ちてしまうようなものを軟弱野菜、いわゆる葉物野菜と呼んでいます。


記者:

 続けて農産物ブランドの件なんですけど、既に何か調べたら、環境に優しい地元野菜で、こうべ旬菜ですかね、のブランドがあると思うんですけど、そちらはどちらかというと農家さんにアプローチしたもので、今回はSDGsに、消費者にも関心を持ってもらって、そういう意識を持って購入してほしいというような取り組みなんでしょうか。


久元市長:

 こうべ旬菜を含む、特にこのような環境に配慮した、基準を満たしているものを、これを認定して、BE KOBEのロゴマークで消費者にPRをしていくという取り組みです。


記者:

 消費者の意識を向上してもらうというか、そういう狙いもあるんですか。


久元市長:

 消費者に、環境に優しい農産物に関心を持っていただいて、それを食していただきたいということと、あとは神戸の農産物のブランド化ということ。これは、産地間競争というのは結構、農産物の場合には非常に激しくて、いろんなアプローチをしているわけですけど、神戸の場合には、先ほど冒頭申し上げましたように、こうべハーベストのような先進的な取り組みをしたり、堆肥の市内消費をしたり、できるだけ化学肥料を減らそうという取り組みをしているという、そういうSDGsの観点からの取り組みをしているという意味を込めたBE KOBEロゴマークというもので、神戸の野菜のブランド化を図りたいと。ブランド化の視点というものが、神戸の場合には循環方SDGs、そういう点に着目したブランド化をしたいということです。


記者:

 ありがとうございます。あと、先ほどちょっと質問が出たのと被るんですけど、今、物価高の中で、消費者がなかなか手をつけにくくなっている部分もある中で、農家さんもある程度、基準を高めると経費がかかってしまうというところもあって、販売価格にも影響するという懸念もちょっとあるとは思うんですけど、そのあたりはどうやってクリアしていくのでしょうか。


久元市長:

 この取り組みが、販売価格というか生産価格に、これがアップするというふうには思っておりません。例えば、こうべハーベストについても、肥料高騰対策ということで、これを助成すると。無償で配布したことなんです。無償で配布したということもありまして、神戸市としても、できるだけ生産価格の上昇につながらないように、肥料の高騰に対して、少しでもこれを緩和するような対策として行っておりますので、何とかそういうような政策も組み合わせながら、生産価格の上昇を抑える努力もしていきたいというふうに思います。


記者:

 BE KOBEのロゴマークを見ただけで環境に優しい、BE KOBEの横にあるマークに環境に優しいというようなところが書かれていたりするんでしょうか。


職員:

 そういった表記は、環境に優しいというのはないんですが、こういったものが、BE KOBEと載ったものがそういったものであるというのを併せてPRしていきたいと思ってございます。

 野菜は特に、そこにも書いていますように、兵庫県産としか表示法上は書かれないんですが、それを我々は神戸でできているということと、それから、ああいうフィルムの中に入ってない野菜もございますので、そういったものはポップとか、のぼりとかをつけて、要は神戸産であって、環境に優しいものだというのは、併せてPRをしていきたいと思ってございます。


記者:

 ありがとうございます。あと条件は、このうちどれかを達成していれば、これは認定されるということでいいんでしょうか。


職員:

 申し訳ございません。ちょっと書き方が悪いんですが、化学肥料由来の窒素成分の7割以下と、それから、再生リンを使ったり、堆肥を使ったり、それから、お配りしていますプレス資料にございますように、資材とかも、いわゆるプラスチックを使ってない紙のような、巻くようなものとかを使っていただくというような形でございますので、まずは窒素が7割以下で、それ以外、環境に優しい、配慮している部分を使っているものをBE KOBE野菜として発信していきたいと思ってございます。


記者:

 すみません、何度も恐縮なんですが、最低の条件が化学肥料由来の窒素成分が7割以下というところで、あとは何か1つ工夫があればオーケーということでしょうか。


職員:

 そうでございます。


記者:

 市長、冒頭にお話しいただいた阪神タイガースの件でお尋ねします。先ほど御説明の中で、地元での、兵庫県内でのパレードについて前向きな姿勢を示されたかと思います。タイガースが過去に優勝したときに、必ずしも県内でパレードをやっているわけではなかったかと思います。やっている年もあれば、やっていない年もあったかと思いますが、今回、市長として、地元でのパレードの必要性とか、なぜやりたいかとか、そこら辺の思いをもうちょっとお聞かせいただけますでしょうか。


久元市長:

 確かに、前回パレードをやったのが2003年で、2005年のときはやってなかったんですけれども、2003年は星野監督で、2005年が岡田監督、前回優勝。そのときはやらなかった。今回はやはり18年ぶりの優勝だということで、相当シーズンを通じて盛り上がったと思うんですよね。これはもちろん神戸だけではなくて。阪神は非常に今までも快進撃を続けていくと思ったら残念ながら失速して、はらはらさせるチームなんですけれども、今回は何というのか、ぶっちぎりで、そういう危なげのない優勝だったと思うんですよね。9月に入ってから無敗ですよね。相当こういう見事な優勝である。シーズンを通じて大変、神戸市民も盛り上がった。

 昨日は大阪のほうでも大阪と兵庫県でパレードをやりたいというお話もあり、午前中は、斎藤知事は兵庫県でもやりたい。そして、たしか神戸ということもおっしゃっていたようですけども、これは全く神戸市の気持ちと同じです。ぜひ兵庫県、そして経済界と相談して、神戸でのパレードを実現する。そして、大阪と神戸で両方で行われるということになれば、やはり関西全体の元気につながる、関西全体の盛り上がりにつながる。そういう関西全体の盛り上がりに、神戸も優勝パレードをしていただくということで貢献することもできる。そういうような意義があるということを考えれば、ぜひ優勝パレードを神戸で実現したいと思っています。


記者:

 お話の中に出ました午前中の知事の会見の中でも、確かに神戸というワードが出ていまして、さらに言うと、三宮での開催ができたらと聞いております。そこは久元市長としても、やはり三宮で開催できたらいいなというお考えでしょうか。


久元市長:

 そうですね。三宮で開催できればありがたいなと思います。参考になるのは、前回2003年のときのルートが、大丸の西側から三宮の中央通りを通って、それからフラワーロードを南下して東遊園地前に行くという、これと同じになるかどうか分かりませんが、これも1つの参考になると思いますね。こういうものを参考にして、三宮、神戸の中心部でパレードが行われ、もちろん安全性に十分気をつけないといけないと思いますけれども、多くの方に参加していただけたらと思っています。


記者:

 あと、別項目ですが、コロナの件でもお尋ねできればと思っております。引き続き感染者数は増加傾向だと思うんですが、今現在、第9波に入っているとか第9波だけどピークに達していないとか様々な意見が、東京都の医師会とか前の国の分科会の尾身会長とかの発言とか様々、今、出ているんですが、市長としては今、第9波の中なのかとか第9波のどのあたりに今あるとか、お考えとしては、いかがでしょうか。


久元市長:

 第9波かどうかという議論に大きな意味があるという気があまりしないんですよね。2類のときは、感染症法上の位置づけでいろんなことを対応しなければいけなかったということもありましたけれども、その後はそういう位置づけが変わったということと、それから、先ほど申し上げましたように、変異株の種類は交代がありますが、ずっとこれはオミクロン株系統なりの変異であるということで、第7波以前の場合には、変異株の種類が異なっていて、そのことが感染の状況とか重症化の状況に大きな差異をもたらしたということもありました。それから、波ですから、上昇して下がり、また上昇するというのが波だと思うんですけれども、第8波については、そんなに大きな、第8波になってからこれが収束して、まだ新たな波が始まったというふうにも観察できないわけです。

 もう1つは、2類のときは、これは基本的には全数とまではいかないけれども、かなり感染者の状況を把握できていた。それがその後、定点観測に今なっているということから見れば、この感染者の状況というものと、それ以前の動向と、これをうまく接続させて説明できるのかという問題もありますから、新たな波が始まったかどうかということがそうはっきりとは言えないんじゃないかということと、そういう議論をしたときに、第9波が始まったということが市民の皆さんの行動変容に対してどういうメッセージを出したらいいのか、あるいは、感染予防、それから感染した方に対する対応として、第9波が始まったということによってどういうような違いが出てくるのかということを考えたときに、その効果があまり明確ではないという気がしますから、第9波が始まったのかどうかということについては、神戸市として、そのことに着目した議論を行い、そのことに着目した検討の結果、何か対応策を変えなければいけないということにつながらないのではないかと思っています。


記者:

 現状は、だから、あれでしょうか。第9波に入ったかどうかとかそういう問題ではなくて、ずっと高い水準で増加傾向が続いているからこうやって注意喚起を神戸市としてはしているということですかね。


久元市長:

 こういうふうに、8月のこの一時的な減少というのは、多分、十分把握できなかった可能性が強いですね。傾向としては、感染者の緩やかな増加が続いているという実態を市民の皆さんに知っていただきたい。そして、変異株が後退をしており、その変異株の後退が免疫タイプを若干増やすというような傾向があり、まだひょっとしたらこれから、東京では一例ありますが、これが、今までの例で言えば、日本に入ってきたものが日本中に広がっていく可能性も強い。その変異株は、さらに免疫逃避の可能性が高いということを考えれば、そういう点に十分注意をしていただきたいということと、ワクチンの効果はそれらの変異株に対してもあるということが認められておりますので、やはり秋冬のワクチン接種を積極的に受けていただくということをお願いしたいというふうに思います。


記者:

 農業モデルについてなんですけど、基準がいろいろあるかと思うんですけど、この基準をクリアしているかどうかというのをどうチェック、確認するのかなと思ったんですけど、これは農家ごとに何か認定していくとか、そういうことになるんでしょうか。


職員:

 農家ごとに認定していくことになります。届出というような形で、どのような肥料を使うか、どれくらい使うかといったような形の分かるものを出していただきまして、合致しているものであれば、届出を受けて登録といったような形にさせていただきたいと思っています。


記者:

 分かりました。現状、3,000トンめどがあって、残り、目標まであと1,000トンというのを増やさないといけないと思うんですけど、そうなると、ほかの農家さんに例えば肥料を変えてもらうとか、市内産の堆肥を利用してもらうとか、農家側にもそういうのを呼びかけていくということになるんでしょうか。


職員:

 そのようになると思います。こうべハーベストを使ったり堆肥を使ったりして、よい品物を作っていくというところにおきましては、兵庫県の農業改良普及センターなり、JA兵庫六甲、このような技術指導をしっかり行えるような関係機関と連携して、さらに多くの農家さんに取り組んでいただけるようにしていきたいと思っております。


記者:

 分かりました。じゃ、市長にお伺いしたいんですけど、農家さんにとって、肥料を変えるとかって、結構簡単なことではないというお話も聞きますけど、そういう農家にとっての今回のブランド化のメリットというのを、先ほど消費者に向けてというお話ありましたけど、農家側に向けても何かあれば。


久元市長:

 それはやはりブランド力の向上です。神戸の生産農家は大変品質の高い農産物を作っているんですけれども、なかなかブランドが確立している生産地に比べて、神戸の野菜や様々な果物、イチゴにしても梨にしても、イチジク、イチゴ、梨とか、そういうようなブランドが残念ながらまだ確立できていない。だから、これはいろんなアプローチをする必要があるんではないかなと思っているんですが、その神戸ブランドを確立する手法の1つが、この循環型農業と化学肥料を減らしているということ。そして、名称としてBE KOBE、これは市外でどれぐらい知られているか分かりませんが、BE KOBEというこのロゴはかなり神戸市民の間でも知られるようになってきて、これは、SNSなどでも、例えばメリケンパークのBE KOBEのモニュメント、これは市内に増やしておりますが、BE KOBEという言葉も知られるように徐々になってきております。

 職員からお話がありましたように、兵庫県産という表示が原則なんですね。ぜひ、やっぱり神戸の野菜や、そしてBE KOBEという神戸のロゴを使ったPRを行って、神戸の農産物のブランドをこのSDGsという観点からの視点でアピールをしていきたいというふうに思います。つまり、ブランドを確立すると。そのことが生産者にとっては販路の拡大にも、あるいは生産量の拡大にも、あるいは場合によったらマーケットにおける価格競争力の面でもプラスになってくるのではないかというふうに思っております。

質疑応答(発表項目以外)

記者:

会見内項目なんですけれども、阪神の件で細かい点、2点お伺いします。

 県からは今日初めて連絡があったということでいいですか。


久元市長:

 そうです。今日午前中です。初めてというか、優勝したのは昨日ですからね。


記者:

 優勝するというのは…。


久元市長:

 優勝する前にパレードとかって、さすがに、雑談ならいいかもしれないけど、知事が優勝する前からパレードしますというのは言えないんじゃないかなと思いますから、当然のことながら、今日午前中に初めて聞いたということです。


記者:

 ありがとうございます。

 パレードは県が主催するというような位置づけになるでしょうか。


久元市長:

 それはまだこれからです。これは関係者で相談をして、県が何らかの案をつくって提案するということになるかもしれませんし、そこはフランクに相談して、どうしましょうかということになるかもしれませんし。

 あとは、やっぱり経済界。やっぱりパレードですから、行政が主導するものではなくて、経済界などがやっぱり中心になってくると思うんですよ。行政としては、一種のコーディネーター役みたいなものなのかもしれません。これから関係者が相談して、具体的な実施体制ということを検討していくことになると思いますが、そういう意味でも、2003年のときは実行委員会形式で行っておりますから、そういう一種の合議体のようなものをつくって実施をするということも、これはまだそうなるかどうか分かりませんが、2003年を参考にするとそういうような選択肢もあるのではないかと思っています。


記者:

 先ほどの阪神の優勝パレードの件で、「優勝前からパレード話をするのは」というお話でしたけれど、大阪府の吉村知事と大阪市長は優勝が決まる前から「パレードはやりたい」という話をしていたんですけど、それはどのように見られていたのかなと思いまして。


久元市長:

 そうかもしれませんが、優勝する可能性が高かったとは思うんですけど、これは性格の問題かもしれません。私は優勝する前からパレードをするというのは、心の中では思っていたり、それから酒を飲んだときにパレードの話はもちろんしたこともありますが、さすがにこういう記者会見の場とか公式の場で優勝する前にパレードの話はちょっと私はする気にはならなかったです。斎藤知事はちょっとよく分かりませんが、多分されなかったのではないかなと思いますけどね。

 いずれにしても公式には今日、間接的にではありますが初めて聞きました。斎藤知事としょっちゅうお会いをしておりますが、非公式にはですよ、誰もいないところでパレードの話を聞いたことはあります。


記者:

 前々から斎藤知事も久元市長も2人でお話をする際などに「優勝の可能性があるから、できたらいいね」というのは内々では話していたけど、それが昨日優勝したので、それを実現すべくこういうオフィシャルな場でもおっしゃっていただいて、それに向けて経済界と調整していきながらやっていきたいということでしょうか。


久元市長:

 なかなか答えにくいけど、そう御理解していただければと思います。


記者:

 先週なんですけれども、六甲山の交通のあり方検討会をのぞきまして、そこで六甲山の山上への新アクセス案というものの採算性の数字が示されました。その中で、神戸布引ロープウエーからの延伸という案がありまして、それは条件次第ですけれども黒字の可能性があるという試算がされました。ただ、国の認可であったり、イニシャルコストの多さとか実現へのハードルは高いと聞いているんですけれども、市長としては摩耶山、掬星台への山上アクセスの在り方を改善すべきだというお考えはありますでしょうか。


久元市長:

 やはり新たな選択肢ということを考えることもあり得るのではないかということで、検討委員会、正式な名前はちょっと違うかもしれませんが、検討委員会をつくって実現の可能性が技術的に可能かどうか、それから採算性、その場合には現在の摩耶ビューラインをどうするのか、比較検討のようなものをしたらどうかということで、検討委員会で技術的と言っていいかもしれません。これはやることを前提にするということではもちろんありません。その可能性を比較検討しているということです。

 やはり現状がベストとは考えておりませんので、新たなそういう可能性というものは技術的に可能で、それが採算にも乗り、かつ市民の合意が得られるのであれば、これは前を向いて進めるということになると思いますが、まだそこまでの検討の熟度には達していないと思います。


記者:

 市長から御発言のあった摩耶ビューラインについては、やっぱりずっと市が補助をする形で赤字を補塡して運営を続けていると思うんですが、単体での黒字がなかなか見込めない状態が続いているのかなと思っております。ただ一方で市としては、こういう摩耶ビューラインというのは存続すべきだというスタンスは変わりないでしょうか。


久元市長:

 存続をするというスタンスには変わりはありませんが、同時にそれ以外の摩耶へのアクセスルートというのを考えるということは、検討するということ自身は許容されることではないかと思いますから、そういう技術的な検討を今行っているということです。


記者:

 まさに今の摩耶山への新アクセスルートに関してなんですが、いろんな条件をつけてということではあったかと思うのですが、採算に乗る可能性があるとされたのが布引ロープウエーから摩耶山まで新たなロープウエーを建設する案だということであったわけですが、これについての市長の印象、感想などがありましたらお伺いしたいです。よろしくお願いします。


久元市長:

 それが1番可能性が高いということであれば、これをより技術的に、まず、法規制がクリアできるかということ。それから、事業費がどうかかり、運営主体をどうするのか、その場合にはランニングコストだけが採算が合うのか、あるいは投資も含めた採算性に乗るのかということをもう少し検討する必要があると思いますし、あとはまた、そこが景観としていろんな角度から見たときにどう見えるのかということをいろんなパースなども使って、これを提示して、それをどう市民の皆さんが感じるかというような検討が次の段階では必要になってくると思います。


記者:

 ということは、要するに、その案をベースに次の検討に入る必要があるのではないかというふうに御覧になっていらっしゃるということですか。


久元市長:

 ベースにとまでは言えないと思いますけれども、その案が一番可能性が高いのであれば、より深掘りをすると。それは検討委員会で行うのか、神戸市のほうで行うのかということについては、まだちょっと庁内ではまだ十分議論しておりません。


記者:

 ただし、じゃ、実際にやるという前提ではないということですね。


久元市長:

 そうです。


記者:

 すみません、パレードのことをもう1個だけ、すみません。

 さっき、優勝する前からパレードの話をするのはどうかというお話だったんですけど、オリックスもマジック7という状況で、今ちょっと、ふと気づいてしまったんですけど、阪神を仮にやった場合、阪神をやったのにオリックスはやらないのかという古くからの神戸の方々も、おっしゃる方もいらっしゃると思うんですが、もしよければ今のお考えをお聞かせください。


久元市長:

 ちょっと気が早いんじゃないですかね。これからクライマックスシリーズをやらないといけないんですよね、どっちも。クライマックスシリーズはもちろん阪神にもオリックスにも頑張ってもらいたいと思いますけれども、まずそこをクリアしないといけないし、その結果どうなるのかということにもなりますから、今の段階で日本シリーズが実現するかどうかということがまだよく分からない段階ですから、さすがにオリックスが優勝したとき、あるいは日本シリーズというのはちょっとまだ頭が回っておりません。すみません。


記者:

 話題は替わるんですけど、ルミナリエの件についてちょっとお尋ねしたいと思います。

 大分前に発表はありましたけれども、コロナ禍の代替イベントを経て、4年ぶりに神戸ルミナリエが開催されると。ただ、実施時期が1月に移ったりとか、会場がメリケンパークなどにも分散させるという形で、従来の形とは随分形が異なる開催になると。それが震災30年に向けた試行的な取り組みだということで組織委員会のほうから7月に発表がありましたけれども、市長が組織委員会の会長ということで、1月にするとか会場を分散にするということについていろんな御意見を持たれている方がいらっしゃるかと思うんですけども、そのあたり、市長がどのようなリーダーシップを取って、そのルミナリエを持続的なイベントに、イベントというか、鎮魂行事として今後続けていくかというところについてのお考えをお聞かせいただけますでしょうか。


久元市長:

 もちろんリーダーシップは取らなければいけないと思いますが、これは、やはり私としては、このルミナリエについては、もう相当積み重ねられてきた一方で、ルミナリエについてはいろんな御意見があった。鎮魂ということを重視するような考え方から言うと、1月17日前後ではない12月にこれを行って、これは観光の面に傾いているのではないかというような御意見とか、あるいは、やはりこの神戸が全国に対して発信をするという、つまり、観光ということも含めて発信するということではルミナリエというのは非常に大きな役割を果たしているというような見方もあったり、それから、やはりあの時期に、今のルートでは沿道のお店など、沿道の事業者の方々に相当大きな負担もおかけをしてきたということがありまして、そうすると、1月にこれを、時期をずらせないかということは前からあったわけですけれども、イタリアの事情でこれが難しいということがずっと言われてきて、しかし、それも改めて検討したら、それも可能ではないかというような感触も得られたので、そして、これまで、先ほどおっしゃいましたような様々な観点からの議論もありましたら、私はやはり実行委員会の構成する各メンバーでよく議論をして、そして、大方の理解が得られる方向で開催してほしいということをお願いしてきました。そこは丁寧に議論をしていただいて、まずは今年度のルミナリエは既に発表されているような方向でやろうということで、これはそういうコンセンサスができて、まずはやってみようということになったというふうに思います。

 私としては、このルミナリエは、存続をさせていく、続けていくということを基本に考えていきたいと思いますし、そのことが、やはりこれまで様々な思いを持って続けられてきて、また、神戸の発信をする上で大きな役割を果たしているという、そういうルミナリエの役割をこれからも果たし続けていっていただきたいというふうに思っています。


記者:

 分かりました。会場が分散するということについて、警備費をカットするという側面であったりとか、回遊性を持たせるという意味合いでは分散させるメリットというのはあるのかなと思うんですけれども、やはり被災者の皆様方におかれましては、これまで、やっぱりあのアーケードを通ってきて東遊園地に到達してというのが、やはりルミナリエの一番の特徴だった部分が薄れるんじゃないかというような御心配をされているという意見を私個人は聞いているんですけれども、その点に関して、分散させるということについてはどのようにお考えですか。


久元市長:

 分散する、今までの、つまり、今まで行われてきたルミナリエのイメージが変わることは事実ですね。しかし、今の姿、つまり、あのガレリアがずっと続いているということが、すなわちそれが鎮魂かどうかということは議論があるところですね。むしろ1月にずらすほうが鎮魂というメッセージを打ち出すことができるという見方もあろうかというふうに思います。

 いずれにしても、いろんな議論がある中で、実行委員会の構成するメンバーを中心に様々な議論が行われてこういう形になりましたので、まずは来年やってみて、それで、今までとどういうふうにして人の流れが変わるのか。実際に周辺の沿道の事業者や、住んでおられる方はそんなに多くないかもしれませんが、マンションも大分増えてきておりますから、そういうところにどういうような負担になるのか、あるいは来場者がどれぐらい変化するかと、そういうことを見ながら、また震災30年のルミナリエをどうするのかということをきちんと議論をして、方向性を見いだしていきたいというふうに思います。

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