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定例会見 2023年7月28日

最終更新日:2023年7月28日

ここから本文です。

・新型コロナウイルス感染症
・ビッグモーター店舗前街路樹
・「超高温常態化」対策
・ウクライナ支援について ~国際フロンティア産業メッセに「ウクライナ・パビリオン」開設~
・規制・行政手続き見直し提案制度の開始

会見資料はこちら(PDF:4,917KB)

冒頭

司会:

 それでは、7月2回目の市長定例会見を始めさせていただきます。

 市長、よろしくお願いいたします。

久元市長:

 よろしくお願いいたします。

 今日お話を申し上げたい案件は5件です。

 コロナの状況、それから、全国的に問題になっておりますビッグモーターの店舗前の街路樹の問題、それから、「超高温常態化」対策というふうに仮に言いましたけれども、異常な高温の現状に対する対応、それから、ウクライナ支援の関連で、国際フロンティア産業メッセに「ウクライナ・パビリオン」を開設することが決まりましたので、その状況、それから、規制・行政手続の見直し提案制度を開始したいというふうに考えております。

 それで、これに入る前に、先月西区で発生いたしました、6歳の男子が亡くなった事案につきまして、警察の捜査状況も踏まえながら検証を行っていくというふうに申し上げました。現在の警察の捜査状況を踏まえますと、8月中にも起訴される可能性があるというふうに考えられます。その状況で、警察の捜査結果が明らかになる可能性も、これは分からないですけれども、あるのではないかと考えられますので、この事案の検証委員会を、8月中旬から下旬にかけて設置し、開催をしたいというふうに考えております。

 この検証委員会の委員につきましては、現在、この事案の特異性も踏まえた観点から人選を進めているところです。8月下旬に開催できますように、委員の選定を終えたところで、詳細も含め、改めてこども家庭局から御説明を申し上げたいと思います。

新型コロナウイルス感染症

 最初に、コロナの対応です。

 この緑が定点観測の神戸市の数字、水色が兵庫県の数字で、全国の数字は1週間遅れということになっております。

 神戸市の発生状況は、兵庫県、それから全国の水準よりも若干低い状況にはありますが、確実に増加をしてきていると。特に、7月に入りましてからは増加傾向が増えているということです。

 定点観測の数字は、指定された1医療機関における1週間の発生患者数ですけれども、直近の数字では9.98ということで、5月の時点の数字、1.35に比べれば、非常に高くなっているというのが現状です。

 病床使用率につきましても上昇が続いておりまして、今日時点の数字が48.9%ということで、相当高くなってきております。ただ、軽症者が7割でありまして、入院調整につきましても、順調に行われているというふうに承知をしております。コロナ搬送での救急搬送は、26日が19件、25日が28件、24日が25件というふうに、一時に比べれば増えておりますけれども、救急に支障が生じるというふうな状況ではありません。クラスターにつきましては、この19日から25日の1週間の間に、高齢者施設で17件、障害者施設で3件、病院が3件というふうに発生をしております。

 今後、この感染が拡大する可能性があります。その場合には、現在の病床確保数423床あるわけですけれども、仮に県のフェーズが感染流行期に移行した場合には、これを465床に増床することとしております。宿泊療養施設につきましては、36人が入所可能ですけれども、5月8日以降、利用者はいません。

 こういうことで、感染の拡大も予想されますので、神戸市としてはさらなる感染の拡大があり得るということを想定して、相談体制の強化、また医療提供体制の確保を行っていきたいと考えております。

ビッグモーター店舗前街路樹

 2件目が、ビッグモーターの店舗前の街路樹です。

 ビッグモーターについては様々な問題が発生をしておりまして、これへの行政への対応は、主として国において、国の権限に属する事柄だというふうに考えておりますが、昨日、おとといぐらいから明らかになりましたのが、これはかなり異様な様相を呈しているわけですが、ビッグモーターのお店の前の街路樹、全国のあちこちで枯れているということです。

 神戸市内にはビッグモーターの店が4軒あります。4軒のうち2軒は国道です。国の直轄。

 それから、2軒が神戸市が管理している道路の沿道にあるわけです。街路樹は、それぞれの道路管理者が設置管理をしております。神戸市が管理をしているこの2か所のうち、これはなかなか詳細を、しかし、よく調べてみないと分かりませんが、1か所については大きな変化はないと。もう1か所につきましては、これはかなりの街路樹が枯れて、神戸市がその枯れた街路樹を撤去しているということです。それがビッグモーター神戸北店の状況でして、これは左が、これが以前の状況です。街路樹がここにあったわけですが、この街路樹がなくなっています。

 近くの風景、近くから見るとこういう形で枯れたので、神戸市のほうでこれを伐採したということです。このビッグモーターの前の間口、約200メートルありまして、この200メートルのうち、ケヤキ、高木のケヤキが22本ありました。これが、14本が枯れまして、神戸市がこれを撤去したということです。一方で、この低木があるんです。この低木はヒラドツツジですけれども、これは特段の変化は見られないということです。

 現状はこういうような、御覧いただいたような姿になっておりまして、調査をしてみる必要があります。土壌調査も含めて、対応を今、検討しております。

 同時に、これは全国のあちこちで起きておりますし、国土交通省が直轄で管理している国道でも起きているということですから、国土交通省で共通した、例えば調査の方法とか、神戸市にも一定の知見はありますけれども、やはり国において共通の調査方法、特に土壌の汚染ですね。報道では枯れ葉剤をまいたという可能性も指摘されておりますから、この土壌調査の方法も含めた対応方針を、国からも助言をいただきながら対応を検討していきたいというふうに考えております。

「超高温常態化」対策

 3番目が、連日報道されており、私どもも肌身で経験をしているところですけれども、異常な高温が続いています。しかし、この異常な高温というのは、今年急に始まったわけではなくて、この数年こういう状況が続いて、それが、少しずつ状況が悪化しているということだと思うんです。そういうことであれば、これはもう異常ではなくて、こういう超高温の状態が常態化しているというふうに考えたほうがいいのではないか。そういうことを考えれば、この超高温になるという、こういう状態が、これからもずっと続いていく可能性が高い。あくまでも可能性ですけども。そういうことを考えれば、相当これは腰を据えて、想像力を巡らし、新たなテクノロジーの導入も含めて、しっかり考えていく必要がある。暑い暑いと言っているだけでは、やはり済まないのではないだろうかというのが、神戸市の行政対応の基本的な考え方です。

 そこで、まだデータは限られているわけですけれども、報道では、例えば何々市では何度、39.8度を記録しましたとか、何市では38.何度を記録しましたとか、そういうふうに言われるわけですけれども、しかし、もう少しこの気温の状況というのは細かく見ていく必要があるのではないかと考えられます。

 少しデータが古いわけですけれども、神戸市内の2022年8月3日の朝5時の気温です。
 この水色が一番低いです。水色、濃いグループが一番低くて、赤が28度以上です。この明け方の状況を見ると、神戸市内でもかなり場所によって違っていまして、特に神戸市の市街地の海に近いところですね。山が神戸市は迫っておりますが、神戸の海から山側の市街地、ここが赤あるいはオレンジですね。海沿いでも須磨区とか垂水区は少し気温が低い。内陸部につきましては、北のほうに行くと気温は低くなります。六甲山の山上では21度程度のエリアもかなりあります。そして、神戸市の北区に行きますと、北区の例えば八多とか大沢、長尾、こういったところは22度、23度というエリアもかなり見られる、道場などでも見られるということで、市内の明け方の気温というのは、かなり場所によって違いがあるということが分かります。日中の気温、同じ日の(午後)3時を見ると、もう大部分のところが28度以上ということですが、六甲山の山上には一部21度前後のところもありますし、比較的涼しいところもあります。

 こういう状況を考えれば、また後でも申し上げますが、気温の状況というのをもう少しきめ細かく、正確にこれを観測して市民の皆さんに伝えることができないかということは、1つの重要な論点だと思います。

 神戸市は、こういうふうに夏の気温が異常に高くなっているということを踏まえて、十分ではありませんが、一定の対策を講じてきました。

 それはやはり真夏の都心など市街地の道路を歩くと異常に暑い、もうむせ返るような暑さ、そして直射日光。こういうような状況に対して、手探りの状況ではありましたけれども、道路の散水を行ってきました。これ、数年前から行っております。現在は、今年は7月20日から8月下旬にかけて旧居留地、北野町で散水を行っておりますが、この水は奥平野浄水場の給水で散水をするというふうになっているわけです。散水は1日に5回行っております。1日の散水量は32トン程度ということですね。これ、最初は水道水を使っていたわけですが、今年は新神戸駅の麓に六甲山から水が湧いています。湧き水ですね。この湧き水の平均の温度は、年間を通して一定しておりまして、大体15度から16度ぐらいですね。これは、水道水に比べればかなり水温が低い。これを有効に使って道路の表面温度を下げるという取組をしているわけです。

 今後、これはまだあくまでも頭の整理ですが、やはり暑さ対策として、屋外の公共空間の温度をどう下げるのかということを車道、歩道、公園・広場に分けて考える必要があるのではないだろうかと。

 歩道では、やっぱり日陰をつくっていく。街路樹を植えたり、日よけ、パラソル、グリーンモバイルの対応。それから、下からの熱ということは、道路散水だけではなくて遮熱性の舗装をやる、車道ですね。歩道については散水をしたり、遮熱性の舗装、あるいは保水性の舗装。これはそれぞれ材質も違うわけですが、そういう舗装のやり方を変えていくとか、水盤とか雨庭、せせらぎをつくっていくというような対応。公園・広場についてはさらに緑化を進めて、舗装のやり方を変える。噴水とか雨庭、せせらぎなどをつくっていく。あと、空気、体を冷やす。これは気分の問題にもなるわけですけど、微細のミストというもの、あるいはクールベンチというものを作っていく。こういうような対策が考えられるわけです。

 海外ではより異常高温、あるいは脱炭素化ということも含めた思い切った対応が取られておりまして、それがこの「depave」舗装を剥がすという取組です。

 これ、全く知らなかったわけですけれども、この前、高松で都市大臣会合に参加をすることができまして、フランスなどの代表から、この「depave」ということがパリで行われている。ほかの国からもそういう発表がありました。

 改めてChatGTPなどで調べてみたわけですが、この「depave」という取組は、まだ全面的に広がっているとは言えないですけども、例えばアメリカのポートランドなどでも市民が、もちろん道路管理当局と相談をして、市民自身が舗装を剥がすというような運動をして、実際にそういう対応をしているというような事例も出てきているというのが現状です。

 まだまだ我が国はそういうような意識の広がりというのはほとんどないと言ってもいいかもしれませんが、やはりこれだけ異常な高温になってくると、これまでのように、とにかく街をコンクリートで固めていって、雨が降っても靴ができるだけ泥で汚れないようにするという対応でいいのかどうかということは、やはり考えるべき時期にきているのではないかという問題意識を持っています。

 そういうことを考えれば、これからは「超高温常態化」という対応について、しっかりこれは腰を据えて検討しないといけない。これを今年の夏、すぐやれるということでは決してありません。来年以降もこれがずっと続くだろうということを考えれば、そういう常態化しているということを考えれば、やはりいろんなことが、我々としてはメニューとしてあり得るのではないだろうか。

 神戸の地理的・自然的特性ということを踏まえれば、こんこんと湧く、年間15度から16度ぐらいに安定した湧き水があるのであれば、これを使って、さらに大規模に道路、歩道、車道、あるいは公園を冷やしていく。さらにもっと大規模に都心を冷却するというようなシステムということを構築できないかということは選択肢としてあるだろうと。

 それから、より簡便にできるのは、木陰を広げていくということですね。例えば、ポートアイランド・リボーンプロジェクトというのをやって、大規模な緑化を進めようとしていますけれども、このポーアイ・リボーンプロジェクト、もっと取組を加速化させていく。理想的な姿は、緑の森の中にポートランドの様々な施設、病院があるという、そんな姿というのを想定するということは、夢物語ではないのではないだろうかというようなことですね。

 それから、ヒートアイランド現象というのがやはり明らかに起きています。先ほどの神戸市内の温度などを見ても、起きています。

 それから、舗装手法についても先ほど紹介があったような形で、これを本格的に見直して、舗装の表面温度を下げていく。

 当然のことながら、熱中症対策はもっと強力に進める必要がありますし、それから、クーリングスポットですよね。独り暮らしの高齢者の方が、エアコンもつけずに1人で家にいると、これは熱中症にかかる可能性が高いわけですから、やっぱり家以外の場所で、涼しいところに滞在をしていただくということができないだろうか、そういう場所をもっと大幅に拡充できないだろうかということ。

 それから、市町村エリア別のきめ細かな気温情報ということを提供して、理想的なことを言うと、リアルタイムで、どこに行ったらどれぐらいの気温になるのかということがスマホなどで分かるようになれば、熱中症を避ける、あるいは涼しいところに滞在をする。なかなか難しいかもしれませんが、涼しいところに居住をするというような選択肢、そういう参考になる情報提供にもなると思うんですね。

 そのこととの関連でいうと、神戸市の北区の里山エリアが、特に明け方は涼しいということがどうも言えそうだということになれば、そういうエリアに対して、我々が進めている里山移住というものの価値というものが、やはり改めて認識されることになるのではないだろうか。

 それから、六甲山上スマートシティ構想も、こういう異常な超高温が常態化するということになれば、また新たな価値を生むと、こういうことが言えるのではないだろうかという。

 これは今考えられるようなメニューですけれども、こういうことをじっくりと腰を据えて、かつスピード感を持って進めるということを神戸市は取り組んでいきたいと思っております。その際は、やはりこれは新たなテクノロジーの導入、例えば気温の観測、あるいはシミュレーションにいたしましても、舗装の冷却あるいは湧水の活用ということにしましても、やはりこれはテクノロジー、あるいは新たな発想が要るわけで、学会、大学などとの連携ですね。それから、神戸には非常に技術力のあるものづくり企業がたくさんありますから、ものづくり企業には優れた技術陣がいます。神戸市役所の中にも優れた技術陣がいまして、先ほどの、まだまだささやかな取組ですけれども、ほかの都市にはない取組をそういう神戸市の専門家の職員がやっていただいているということですね。こういうことで、学会、産業界、そして行政がタッグを組んで、暑い暑いというふうに言っているだけではなくて、前向きに超高温状態になっているこの日本の夏を乗り切っていこうと、こういう覚悟で神戸市としては臨んでいきたいというふうに思っております。

ウクライナ支援について
~国際フロンティア産業メッセに「ウクライナ・パビリオン」開設~

 次は、ウクライナの関係です。

 ウクライナから避難されて来られている方々は、現在、45世帯80名、大体これぐらいの水準で推移しておりまして、市営住宅も34戸提供しております。特定活動ビザの早期変更の支援ですとか日本語講座の案内、あるいはインターナショナルスクールの協力を得て、受け入れていただいていたり、そういう対応をしてきました。

 同時に、これまでのウクライナの方々とのオンラインなどでの意見交換では、支援ということだけではなくて、ウクライナの人々は、私たちはビジネスを継続しています。

 そして、このビジネスをさらに拡大をしていきたい、日本とビジネス交流をしていきたい、そういう意向が示されてきました。これまでウクライナとのITセミナーの開催をいたしました。そういうようなセミナーを通じて、ウクライナIT協会との連携、そして、そのIT協会と加盟をする企業との間での意見交換も行われてきましたし、神戸市の関係幹部がウクライナ大使館を訪れて意見交換も行ってきたところです。

 そこで、神戸市としては、さらなる経済交流ということの1つのチャンスというか契機として、来月の9月7日、8日に神戸市の国際展示場で実施する、これは従来から行っていますが、国際フロンティア産業メッセにウクライナの企業に出展をしていただくことはできますかということを提案いたしました。そうすると、両者で、特に大使館を含めて、これはぜひやりましょうということになりまして、国際フロンティア産業メッセに「ウクライナ・パビリオン」を開設いたします。これは、ウクライナ大使館と神戸市が共同で開設をするということになりました。

 このような対面での日本の産業展示会でウクライナの企業がまとまって出展をしていただくことになるのは、ロシアの軍事侵攻以来、初めてということになります。

 ウクライナ大使館とともに、ウクライナの企業に対して出展希望を募りましたところ、予想以上に多くの企業、16社の企業から出展の希望が伝えられております。上はITの企業ですね。エレクス社、ニックス社など、こういうITの企業。下段はそれ以外の分野ですが、ウクライナを代表する航空宇宙企業であるユジノエ社など、ものづくりやその他の分野の企業が参加を表明していただいております。

 ウクライナは今戦争状態にありまして、出国がスムーズにいくのかどうかという、まだ不確定な要素がありますから、この16社が全部出展していただくかどうかというのは現時点ではまだ確定はしておりませんが、ウクライナと日本政府が連携協力をして、できるだけスムーズに出国をしていただいて、国際フロンティア産業メッセに出展をし、参加をしていただきたいと思っております。

 そして、ウクライナの西部の都市、報道でもよく登場しますリヴィウ市のビジネス訪問団がこの時期に神戸を訪れていただくということになりました。リヴィウ市内の企業8社から成るビジネス訪問団が神戸に来られます。そして、団長はサドビーリヴィウ市長ですね。このリヴィウ市長が来られて、このパビリオンにも訪問をされるということになります。ぜひこの機会にウクライナのIT企業、それから、航空宇宙産業を代表する企業、そのほか、非常に意欲的なウクライナの企業と、神戸市だけではなくて、関西の企業との間のビジネスマッチングが進んで、ウクライナの企業、ビジネスが、戦争の中にあっても、できるだけ戦争を早く終わってもらうことが必要ですけれども、厳しい状況の中にあってもビジネスを続けていただく、そういう方向にこういう取組が少しでもお役に立てればというふうに考えております。

規制・行政手続き見直し提案制度の開始

 最後に、規制・行政手続の見直し提案制度を開始したいと思っておりますので、これを御説明申し上げます。

 国のほうは、これはずっと、40年近く前からですが、中曽根行革、中曽根民活と言われた中曽根内閣のときからずっと、国は、十分かどうかということは別にいたしまして、規制改革、規制緩和という取組を行っています。中曽根総理の口癖がディレギュレーション、規制緩和をするということを口癖のようにおっしゃっていたのを、相当昔のことになりますが、思い起こします。それから、特に、橋本行革と言われた時期、それから小泉内閣も行政改革をどんどん進めていきました。

 これに対して地方自治体は、多くの規制を行っているにもかかわらず、本格的な規制改革ということに取り組むことはありませんでした。神戸市もそうです。しかし、神戸市が行っている様々な規制、都市計画、まちづくりの分野ですね。あるいは農業に関する様々な土地利用規制や、あるいは営農に関する規制、道路については、道路占用許可など様々な規制がありますし、食品衛生でも、飲食店に対する営業許可、それ以外にも様々な規制があります。それから、福祉の分野では、社会福祉施設の設備や運営基準などです。保育所などでも、よく言われますような様々な規制があります。

 これらの規制というのはやはり必要なものです。基本的には必要なものですが、しかし、それらが1つ1つの手続が、あるいは規制の内容というものが目的と手段との関係において合理的なものなのかどうかというのは、これは見直していかなければならないわけですが、そういう見直しが地方自治体の場合には、神戸に限らず、ほとんど行われてこなかったというのが現状です。

 さらに加えて言うと、そういう規制も含めて、ちょっと前のところですけれども、様々な手続が必要になります。許可、認可、そのための申請、そして審査。立入検査も行われることがありますし、あるいは、規制には至らないけれども、いろいろと届け出なければいけない。もっと言うと、いろんな施設を使うときにも申込みをするということがありますね。こういうものが本当に市民目線で、あるいは企業の皆さんから見て合理的で便利なものになっているのかということについては、これは正直、様々な意見が実際に寄せられているところです。

 神戸市は決して手をこまねいていたわけではなくて、特に苦情が多かった市街化調整区域の規制緩和、これは里山定住を進めるということでも、今まで数次にわたって規制緩和をして、既存集落の中で、住宅をカフェやオフィスに用途変更する、こういうような規制緩和も行ってきましたし、手続の面でもスマート化というものを進めてきました。

 しかし、私の限られた経験でも、企画調整局などからは、スマート化はもうどんどん進んでいますというふうに聞いていたところ、ある会合に行ったら、この会場を使うのに抽せんをするので何月何日に来てくださいと、そこでどういうふうにするのか、何かごろごろ回すのか、何をするのか分かりませんけど、わざわざ、この部屋を使うのに来てもらうことになっているわけですよ、抽せんをするために。ですから、まだまだこれは、私の目から見ても、おかしな、遅れている、市民目線でない手続というのはたくさんあるんではないかなと。そういう印象を持っておりました。

 そこで、この規制改革、手続の改革を進めるために、市民・事業者目線で課題を掘り起こしていただく、そして、そういうような意見、提案を受け付ける窓口を一元化する。そこに専門家の視点も取り入れて見直しをすると、こういうことで専門家とチームを設置して見直し提案を行うということにいたします。

 この規制・行政手続き見直しチームというのをつくるわけですが、このメンバーは、行政書士、司法書士、社労士などの、士業の方々に入っていただきまして、事務局は企画調整局が担うと。ここに対して見直し提案を行っていただいて、これを集約して、課題を整理し、そして各局に検討してもらって、改革に結びつける、これを8月1日からスタートさせたいと思っております。

 フローとしては、この市民・事業者から、この規制・行政手続き見直しチームに見直し提案を個々に、これは誰でもできるんです。市民個人でもできるし、会社でもできるし、業界団体でもできる。そしてここに提案してもらったものを、このチームが問題点を整理して、そして各所管部局で検討してもらって、そしてこの提案内容の検討結果を、これを随時公表すると、こういう形で規制改革と行政手続の見直しを行います。

 そのためにも、フォームを作って提案を行いますが、この見直しの提案を8月1日から来年の3月31日まで、専用のフォームを神戸市のホームページに作って、これを申し込んでいただく。市役所のホームページのトップバナーから入っていただいて、スマホからも提案できるようにいたします。

 こういう形で、本当に必要な規制、これは存続させる必要がありますし、これはきちんと合理的な方法で手続を進める必要がありますが、そうでない、この規制というのはかなりあるはずです。そういうところに、かなりの労力が割かれている。そういうような労力を、先ほど申し上げたような、こういう「超高温常態化」をしているような新しい課題に取り組むことができるような、そういうところに、そういう労力を振り向けていくと、こういうような市役所改革を進めていく、その一助としても、この規制・行政手続改革ということを、ぜひ本腰を入れてまいりたいと思っております。

 私からは以上です。

質疑応答(発表項目)

記者:

 冒頭にあった西区の事件の第三者委員会のことでお尋ねいたします。

 まず、前提として、仮に捜査当局が起訴までいかなかった場合は、設置についてはどういう判断になるんでしょう。まだ、見送るというか、様子を見るということになるんですか。

久元市長:

 やはりそこは、我々としては警察からの捜査情報というのはぜひ欲しいところです。

 これはやはり、これまで起きてきたような単なる虐待事案ではない。若いお母さんが孤立をして、育児に悩んで、そして手を出してしまったとか、虐待をして、それが子供の死に至ったとか、あるいはいろんな事情でネグレクトになって、それが死につながった、そういうのとはかなり様相が違っている、ある意味で、この同居する、恐らくは、実際の母親を含む家族による殺人事件だというふうに言えると思いますね。そういうことを考えれば、警察の情報というのはやはりぜひいただくということが、検証を進める上で必要だというふうに考えてきました。しかし、これは分かりません、分かりませんが、やはりこれがずるずると、この検証の開始が遅れれば、やはり当事者の記憶が薄れるという面もありますし、あまり考えたくはありませんが、事実と異なるような証言というのが出てくる可能性もあります。やはり、そんなに先には伸ばせないだろうと思いますから、仮に起訴が行われなかったとしても、先ほど申し上げましたような、8月の中旬から下旬に立ち上げるということを検討したいと思います。

記者:

 確認になってしまいますが、捜査当局の動きいかんは置いといてでも、やっぱり先延ばしできないので、市長としては、キックオフについては、もう8月中・下旬には行いたいということでよろしいですか。

久元市長:

 それで結構です。

 しかし、でき得るならば、でき得るならば、もう起訴の可能性もかなりあると思いますから、起訴される時点で、警察からも情報が提供されると明らかになってくる部分もあろうかと思いますから、それを期待しながら、この時期に立ち上げるというふうにしたいと思っているということです。

記者:

 市長、今、御説明の中で、この事件の特異性について触れていただいたのかと思うんですけれども、従来の虐待事案とは異なるというお考えでの人選、専門家の人選ということをおっしゃっていたと思うんですが、具体的には、今詰めていらっしゃると思うんですけれども、どのような専門家がふさわしいと思っていらっしゃるんでしょうか。

久元市長:

 従来は、やはり子供子育ての専門家がメインだったんです。児童福祉とか母子保健、あるいは実際に子供に接することが多い民生委員、児童委員とか、あるいは法的観点からの弁護士とか、医師の先生とか、そういう方が多いんですけれども、今回の場合には、そうではない分野の方にも入っていただきたいと思いますが、どういう分野の方かというのは、これは正直、我々にとっても、完全に初めてと言えるかどうか分かりませんが、ほとんど経験したことがないところですから、人選を含めて、専門家の意見も聞きながら、早急に人選作業を行って、設置を行っていきたいと思っています。

記者:

 また、ビッグモーターの件で確認なんですが、今後、神戸市として進める取組としては、まず、土壌調査をしたいというお考えでよろしかったでしょうか。

久元市長:

 まず、この店から、どうして木が枯れたのかことを。ほかにはこういうことは、通常ないわけですよ。木が1、2本枯れるということはあるかもしれませんが、特定の店の前の22本のうち14本が枯れて伐採するということはなかったわけですから、これに何らか関わったのかどうかということを、まず聞くというところでしょうね。

 同時に、枯れた原因が何なのかということを調べる必要があって、それは土壌汚染が行われたのか、何らかの薬品みたいなものがまかれたのかという土壌調査をする必要があると思いますが、同時に、これはいつ、そういう行為が行われたのか、行われなかったのかということは、これやっぱりちょっと専門的な知見も要ると思いますから、これはさっきも申し上げましたように、全国で起きているので、国土交通省からも助言をいただいて進める。これはどこの自治体も共通していると思います。

記者:

 あと、ビッグモーターの関連で1つなんですが、仮になんですけれども、今回ケヤキの木が、14本が壊死した原因とか経緯の中で、ビッグモーターの店舗側の関与が濃厚であったり明らかになった場合、被害届の提出などはやっぱり検討することになりそうでしょうか。

久元市長:

 検討に値すると思います。

 ただこれも、全国あちこちで起きているので、ここは情報を共有しながら、ほかの自治体や、特に国土交通省ですよね。国土交通省は、この街路樹の問題、我々はこの街路樹ということでこの会社と関わっているわけですが、国土交通省はまさに道路運送車両法などもっと重要な分野で、もっとというか事柄の根源にあるような重要な分野でこの問題に関わっているわけですから、やはり国土交通省から助言などもいただきながら進めるということが適切だろうと思います。

記者:

 先ほどの6歳の男の子の死亡事案についてですけども、市長として検証委員会の検証のポイントというのはどういうところを考えていらっしゃいますでしょうか。

久元市長:

 ポイントは、やはり事実関係を正確に把握するということですね。そういうような経過の中で神戸市は、児童虐待の防止という見地からこども家庭センターと区役所が関わったわけですが、その関わり方が適切であったのかどうかということが1つあります。

 これはどのような事案もそうだと思いますが、今回の場合はやはり警察からの情報提供が必要ですけれども、次男以下の家族が引っ越してきて同居するようになってから状況が大きく変わったのではないだろうかということですよね。そのことによって、子供をめぐる環境というのは大きく変わったのかどうかというようなこと。そして、そういう家族構成の変化によって、子供に対する対応というものが変化をした可能性が高いわけです。そういう状況をどう早期に発見をし、あるいは気づき、対処したらいいのかというようなことも視点としてはあるのではないか。ほかにもいろいろあろうかと思います。まずはそういうようなことも重要な点ではないかと思います。

記者:

 検証の幅なんですけれども、市役所、家庭センター、そして区役所は対象に含まれるかとは思うんですけれども、それ以外に保育園とかそういったところも検証対象に含まれる可能性があるのでしょうか。

久元市長:

 それはこれまでの検証委員会の経験もありますから、そういうような経験も過去の委員会の状況も見ながら考えたいと思いますし、また、実際に検証の進め方も、事務局をこども家庭局が務めるわけですが、検証委員会の有識者の意見も聞きながら、聴取範囲というものを考えていきたいと思います。

記者:

 そうすると保育園についてはまだ検討中ということですか。

久元市長:

 検証委員会はまだ立ち上がっていないので、検証委員会を立ち上げるまでに検証の進め方などをもう少し詰めていきたいと思います。

記者:

 以前の会見でもお聞きしているんですけども、改めて今回のこの事件に対する市こども家庭センター、区役所の対応について、市長としてはどういうふうに考えていらっしゃいますか。

久元市長:

 区役所、それから、こども家庭センターの職員は全力で対応したと思います。

 同時に結果的にも明らかになったように、極めて難しい家庭であったし、単に難しいということだけではなくて、犯罪者集団に結果としてなったわけですよね。非常に難しい対応を迫られたと思います。同時に難しい対応に全力で関わり、また、実際に子供さんが亡くなったときに、1番と言えるかどうか分かりませんが非常に大きなショック、衝撃を受けたのも実際に関わった職員でもあったわけですね。しかし、現実に尊い子供さんの命が失われたわけですから、どうしてそういう命が失われなければいけなかったのかということ、この事実関係の解明ということをしっかりやっていかなければいけない。

 同時に、やはりこの事件の特異性というものもありますから、そういう観点も踏まえた人選を行って、似たような事件が起きるということは絶対にないようにしてほしいと思いますが、やはり類似の事象が結果的に起きそうになったときに、そういう予兆というものをどう関係者が察知をして、それに向けてどう情報共有をするのかというようなことがやはり大事になってくると思います。

記者:

 最後にですけども、この検証委員会、市長の考えとしてはオープンの場でやったほうがいいと考えますか、それとも非公開でやったほうがいいと考えますか。

久元市長:

 オープンにする場面もありますが、非常に事柄が事柄なので、全てをオープンにするということは恐らくできないのではないかと思います。

記者:

 ビッグモーターの件で念のために確認なんですけど、お店の前の幅200メートルの中にケヤキの木が22本あって、そのうち14本が枯れていたので撤去したと、そういう理解でよろしかったでしょうか。

久元市長:

 そうです。

記者:

 あと2点、もし御存じだったらでいいんですけど、いつ頃お店が設置されたのかと、ケヤキの木の大きさは大体何メートルぐらいかは分かりますかね。

職員:

 質問が大きさですかね、今、前の写真でお示ししている分がございます。Beforeと書いている分が2年前、令和3年6月に作業を行う前の写真で、ツツジの花が咲いているので5月かもしれませんけど、6月に14本伐採を行いました。

記者:

 すいません、伐採時期は。

職員:

 伐採時期は令和3年6月、2年1か月前でございます。

記者:

 一遍に14本。

職員:

 そうです。

記者:

 令和3年6月に。

職員:

 はい。

記者:

 どのぐらいの高さかというのは。

職員:

 高さはちょっと今手元に資料がないんですが、今、目測で写真、まだそう大きく成長したケヤキではございませんので、恐らく4メートルから5メートル程度の木がずっと並んでおったという状況かと思います。

記者:

 お店の設置は。

職員:

 お店の設置は今現時点では分かりません。

 道路自体は約30年前に開通した北神中央線という北神地域を南北に連ねる1番の大幹線道路で、7キロのほぼ全区間、両側に歩道と街路樹がございます。店舗の開業時は申し訳ございません、今不詳です。

記者:

 200メートルの間にあるのはケヤキとヒラドツツジのみですか。

職員:

 ビッグモーターの前の区間については、今おっしゃったように低木はヒラドツツジ、高木はケヤキでございます。

記者:

 ヒラドツツジは全く被害なしということですか。

職員:

 2年前の時点も今現時点も特段の異常は認められないということで、他都市で報道されているように、ここはちょっと植樹帯に高木がある、二重に緑があるというそういう場所でございます。その中で高木だけ枯れているというちょっと特異な状況でございますので、我々も慎重に検討といいますか、リサーチしていきたいと思います。

記者:

 市街化調整区域での規制緩和についてお伺いしたいんですけど、実際に北区とかで移住者の受入れとかの取材をしていると、やっぱりまだ市街化調整区域であることで、いろいろ移住のハードルになっているという意見をよく聞くんですけど、市長の中でまだどういった面が規制の緩和の余地があるかとか、移住者に里山暮らしをどんどん推奨するために今後どういうことが課題になるかと考えていらっしゃいますか。

久元市長:

 実は市街化調整区域の改革は7次にわたってやって、考えられるものは相当やってきたんですよね。しかし、私もやはり規制がネックになっているという話を聞くんですが、これが規制改革をしても実際に許可手続に移るためには、思わぬところが担当者レベルで注文がつくということがどうもあるようなんです。

 まず、最近聞いた話で境界を厳密に確定させないといけないということを言われると。しかし、農村集落で境界が分からないような事例もあるにもかかわらず、とにかく境界を確定させない限り相談には応じられないとか、担当者の言い方にもよると思うんですけど、そういうようなことが例えば事例としてあります。

 それから、手続が非常に複雑で、多岐に分かれていると。多岐に分かれているので、一応、ワンストップ窓口を今年度つくったんですけど、つくる前は、例えば、出張所の若手の係長が農業振興センターに行き、区役所に行き、本庁の何課、都市計画課に行き、それから水道に行き、もう順番に回らないといけないと。それで、そういうようなことが途中で嫌になって諦めましたとか、あるいは、そういううわさが広がって、神戸市でこういう農村地域に住宅を造ろうとしたら、パンフレットを見たら何かいかにも緩和しているように見えるけども、実際にはとんでもなくひどいというようなことがあるんですよ。

 これ、不思議なんですよ。実際に私が聞いている限りでは、着々と規制を緩和していると。しかし、実際に地域に入ってみたら、とにかく困っていますと。そのギャップをどう受けたらいいのかというと、まさに当事者から直接、何がネックになっているのかということを言ってもらうということが自分の経験としてはありますね。ですから、何がネックというよりも、手続の面と、それから規制の面と、思わぬところに落とし穴というか、とんでもないところで、全然関係ないところから何か言われるとか、とにかく、やぶの中というのが実際のところですね。

記者:

 これまで7次にわたって規制緩和をずっとやってきているということですけど、これまでそういった取組で実際移住者を増やしたりというところにつながっているという、そこはそうお考えですか。

久元市長:

 つながっていると思います。実際に規制緩和をしたことでつながった方はいます。ただし、つながった方の話を聞くと、物すごく大変でした。ただ、やはり大変でも、ぜひ神戸市の里山地域に居住したいと。居住したら本当によかったと言ってくださる方もいますね。

 大変なところをどうやって大変でなくすのかということが大事で、実際に里山に居住したいという方はたくさんいらっしゃるんですが、現実につながっていますが、ボリューム感のある移住になっていないということの原因の1つがこの規制の不合理さと手続ですね。

 それから、もう1つは、やはり空き家を活用するというニーズは高いんですが、やはり所有者が、なかなか、空いていても、見も知らぬ人に売ったり貸したりしないということがあるので、ここは数年前から地域コーディネーターとか、地域おこし隊とか、そういうような方々に入ってもらって、間に入って、安心して、これも神戸市がちゃんと任命したコーディネーターなので、この人の話をしっかり聞いてくださいということで進んでいる面もあります。

記者:

 ビッグモーターの店舗前の木の件で、ちょっとすみません、細かいところになるんですけれども、まず、点検というのはどれぐらいのペースでされていて、どのタイミングで気づかれたのかというところを教えていただけますか。

職員:

 街路中の点検につきましては、神戸市が管理する街路樹に関しましては、まず高木、高い木ですね、今回のケヤキのような、一般的に2年から3年に一度、剪定作業を行っております。低木帯、緑地帯、これに関しましては、一般的に、今回はヒラドツツジということで、葉っぱの伸びが比較的遅いので、1年に1回、剪定をして、形を整えております。

 今回、2年前に伐採したというふうに申し上げましたが、14本枯れておると。ちょっとこの経緯、誰かからの通報なのか、職員によるパトロールで見つけたのか、ちょっと経緯が今、不明確でございます。ただ、枯れていたという事実は我々の現場事務所のほうが確認しまして、やっぱり枯れた状態ですと、そう大きくはないんですけど、台風とかで倒れたりすると歩行者にも車にもやっぱり危害を与えるリスクがあったので、速やかに伐採したというふうな状況でございます。

記者:

 じゃ、どのタイミングから枯れていたかというのはちょっとまだ分からないということですか。

職員:

 そうですね、その記録、恐らく、先ほどの写真、これは5月頃だと思います。点検は随時やっておりますし、14本枯れておれば、目立つところですので、すぐ分かると思います。そういう意味では、長期間放置しておいた状況ではないと考えられますので、この2年前の5月前後に発見して速やかに伐採したという、そういうふうに考えております。

記者:

 あと、もし分かる範囲で構わないんですけれども、これ、例えば除草剤というのをまいた場合に、低木には影響しないけど、高い木には影響するというふうな可能性があるということなんですか。

職員:

 我々も、正直、今、公共、広い意味での公共事業でこういう木、街路樹や公園、あるいは市営住宅とかいろんなところに神戸市が管理する緑がございます。その中で、除草剤というのは基本的に使っておりません。

 一方で、人が通らない、散歩、犬の散歩とかをしない、子供とか人が寄りつかない、街路樹も庭木もないと、そういうところでまれに使うことはあるんですが、それにしても、毒性の低いものは使うことはあるんですけど、基本的に除草剤は使っておりません。そういうことで、我々も除草剤に関する知見があまりなくて。今、ホームセンターでいろんな種類のものが売っております。ただ、高木だけ枯らして、低木だけ枯れないという、そういう類いの除草剤というのは恐らくないんじゃないかというふうには思っておりますので、そういう意味からも、ちょっとこれ、切り株も残っている分、14本ほぼ全て切り株も残っていますので、そういった切り株から何か分からないかなとか、土壌も、2年1か月たっていますので、どういった調査が可能か、その辺も、先ほど市長が申し上げましたけど、他都市とか国のいろんな今後の調査方針を十分情報収集しながら対応していきたいなというふうに思っております。以上でございます。

記者:

 あと、これ、例えば、今回の場合、この一部分だけ14本枯れているというふうに確認がされたときに、それはあまり珍しいことではないでしょうか。そのタイミングで例えば土壌調査を行ったりですとか、何らか原因を究明しようというふうな動きにはならなかったということですかね。

職員:

 まさかこういう状況だとは、恐らく2年前、我々の担当者も想像もしていなかったと思います。単純に木が枯れていると撤去するというまず基本姿勢がございますので、その時点では恐らくそういう判断でシンプルに対応させていただいたと。事故防止、そういう観点から、いろんな原因は置いておいて、まず撤去した、そういうことでございます。

記者:

 先ほどのビッグモーターの件で続いてなんですけど、仮定の話で申し訳ないんですけど、仮に、これ、一企業、大手企業が、今回、公共の街路樹を枯らしたと仮定すれば、市長として、これ、どうお感じになられますか、この行為については。

久元市長:

 今は、枯れた木を撤去したということしか我々は分からないので、それ以上のことは今の段階では判断できないのが正直なところです。

 しかし、報道などで、この会社には様々な問題、あるいは歪み、病理のようなものがあったと思いますから、そういうような心証を持ちながら実際に相手方とは対応していくことになると思います。

記者:

 あと、もう1点、すいません。虐待のほうなんですけど、ちょっとそもそものところで申し訳ないんですけども、まだ事案として、今回、殺人容疑で逮捕されたと。多数回の殴るだの暴行があると見られているという状況で、まだ市としては虐待があったというところの事実認定等は、ちょっと認識不足で申し訳ないんですけど、されていないのかなと思うんですけど、今後、検証委員会を開く上で、虐待を先に認定してから検証されるのか、それとも、検証委員会の中で虐待があったと認定されるのか、その辺をお伺いできますでしょうか。

久元市長:

 客観的な報道されている事情から見れば、虐待があった可能性が高いし、その虐待は殺人として行われたという可能性が高いという認識を持っておりまして、そういう認識の下に検証委員会を設置するということです。

記者:

 分かりました。どのタイミングで虐待があったと。例えばこれまでも、市として統計等で虐待を認定されるというプロセスはあると思うんですけども、それに準じたようなタイミングというのはあるんでしょうか。その疑いがあると、強いと。

久元市長:

 虐待が行われた蓋然性は極めて高いということですね。それ以上のところは、今のところは何とも言えません。

記者:

 西区の事件の件で、続けてお伺いします。

 先ほど、特異性から外部の有識者による検証委員会は普通の虐待事案とは違う分野の方も必要だというふうにお話がありましたけれども、児童福祉の専門家とか従来の虐待事案に関する専門家とともに、また別の専門家が必要というような、両輪でされるのか、それとも、また別の全然違う殺人に関する専門家の、殺人といいますか、この事件に関する専門家の選定が行われるんでしょうか。

久元市長:

 従来は、児童福祉、母子保健、民生委員、児童委員、弁護士、医師というような方々ですよね。つまり、虐待が行われたという観点から、子供に関する事案ですから、そういうような分野の方々に入ってもらったということですね。

 今回も、子供が虐待によって亡くなったことは変わりないわけですから、これまでのような分野の方々にも入っていただきますが、それ以外に、これは殺人事件であることと、加害者側の事情にも変化があったということなので、そのあたりの加害者側の事情にも、つまり、殺人を犯すという、殺人事件に着目した専門家という方も要るのではないかと思っているわけです。

 ですから、答えとしては、従来のタイプの専門家の方々に全て入ってもらうということではなくて、そういうような方々もいるけれども、同時に、これは犯罪であるということの観点から、加害者、加害行為に関する専門家も要るのではないかというふうに考えています。

記者:

 犯罪心理学とか、そういった分野も候補に含まれるという……。

久元市長:

 どういう分野の方かというのは、またこれは我々にとっては未知の分野になるので、まず、人選についても専門家の御意見を聞きながら人選することになろうかと思います。

記者:

 先日、NPOのシンクキッズから要望書が再度提出されたと思うんですけれども、児童相談所の情報共有、警察との情報共有の仕組みですとか、そういった分野も、検証委員会の設置後、検証委員会の提言などを踏まえた上で検討されるということでしょうか。

久元市長:

 警察の情報については様々な意見がありますから、様々な意見を踏まえながら検証委員会で検討されることになると思います。

質疑応答(発表項目以外)

記者:

 先日行われました三田市長選についてお尋ねいたします。市長は現職の森市長についての応援をされていらっしゃったかと思います。今回の選挙結果について、まず、受け止めをお願いします。

久元市長:

 一言で言いますと、大変残念です。

記者:

 どの点が残念なんでしょう。

久元市長:

 森市長とは地方自治に対する様々な考え方も共通してきましたし、やはり、目の前のことだけではなくて、長い目で見た持続可能な都市づくりも目指していこうということで志を同じくしておりましたという、共通の意識に支えられていろんな連携を行ってきたということです。

 さらに言うと、三田市民病院と済生会兵庫県病院の統合についても連携協力してやっていこうということで合意していましたので、これが今後、不透明になっていくということも含めて大変残念に感じています。

記者:

 今、市長が挙げていただきました三田市民病院と済生会兵庫県病院の再編・統合に関してなんですけれども、議会では、神戸市と三田市の再編・統合における役割分担について連携協約を結ぶことを議決されていたかと思います。まだ連携協約については締結前の段階だと思うんですが、こういう選挙結果になられて、三田市及び神戸市における連携協約は、締結の見通しは立っているんでしょうか。

久元市長:

 正直、三田市がどういうふうに言ってくるかということにもよりますが、この連携協約案の附則には、7月31日までの間に三田市長及び神戸市長が協議して定める日から施行するということになっていますから、これまでに協議が調わなければ、これは施行されないことになるわけです。

記者:

 施行されない場合、もともとこの協約の中では神戸市は新たな病院用地の買収業務とかに取り組むという役割だったと思うんですが、そういう神戸市の役割が履行できないことになると考えてよろしいんでしょうか。

久元市長:

 この連携協約案に定められている事務は進まないというふうに理解しています。

記者:

 あと1つだけなんですけども、改めてですが、三田市長選で、市民病院の再編・統合の白紙撤回を訴えた候補の方が当選されました。久元市長としては、やはり再編・統合というのはやっぱり今でも必要だというふうにはお考え……。

久元市長:

 もちろんです。

神戸新聞:

 なぜ必要か、もう一度伺ってもよろしいですか。

久元市長:

 これは、もう長い経緯があって、済生会兵庫県病院と三田市民病院が今のままでは存続が難しいということで、関係者で問題提起がなされ、そして、実際に検討委員会の設置をされました。
 検討委員会は、行政の関係者だけではなくて、地域医療に携わっているドクターや、あるいは神戸大学の附属病院、こういう神戸の当事者だけではなくて地域外の専門家の方も入って検討委員会がなされ、そして、この検討委員会の結果、やはり再編・統合が必要だというような、客観的な意見に基づくそういう方向性が出されて、その後、両市、そして両病院の関係者で議論が重ねられてきた。

 そういう検討経過を踏まえれば、これは、両病院がそれぞれ単独で存続することは難しいというのが、神戸市の判断だけではなくて関係者の一致した意見であると、こういう方向に進んでいくのが、神戸市として、これは神戸市がそう望むからというよりは、客観情勢としてそうだということなので、これは三田市さんとよく協議をして、こういう連携協議をしていこうと、連携協約を締結しようという、相当積み重ねられてきた経緯があるわけです。それが結実しているわけですから、神戸市としてはこういう方向しかないと思っています。

記者:

 今の三田市の病院再編のことで追加でお聞きしたいんですけど、先ほどの、三田のほうからはどう言ってくるか分からないというのは、まだ三田市のほうからは、何らかこの病院についての、連携協約をどうするかとか、そういうことについては何も言ってきていないということなんでしょうか。

久元市長:

そうです。何もありません。

記者:

 それと、連携協約は施行されないということでしたけども、7月を過ぎたら。これはもう連携協約自体が失効して無効になるということなんでしょうか。

久元市長:

 連携協約は、失効というか、連携協約は施行されないことになりますね。しかし、議案は議決されているわけですから、議案の議決が失効するわけではないと思います。

記者:

 議決はもう有効であるということ……。

久元市長:

 議決は有効だと思います。しかし、この議案の中で、7月31日までに両市が協議して施行するとなっているわけですから、両市の協議が調わなければこれは施行されないことになると思います。

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