ポリ塩化ビフェニル(PCB)廃棄物

最終更新日:2023年9月29日

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PCB(ポリ塩化ビフェニル)

PCB(ポリ塩化ビフェニル)は、電気絶縁性が高く、化学的に安定で不燃性であること等から、トランス(変圧器)やコンデンサ(蓄電器)といった電気製品の絶縁油等に使用されていました。

しかし、1968年(昭和43年)に発生したカネミ油症事件で毒性が社会問題化したため、1972年(昭和47年)にPCBの製造が中止され、さらに1974年(昭和49年)までに輸入や新規使用も禁止されました。

その後、PCB廃棄物は事業者によって保管されてきましたが、処理施設の未整備による長期の保管を余儀なくされたため、紛失や漏洩による環境汚染が懸念されるようになりました。

そこで、2001年(平成13年)7月に「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理に関する特別措置法(以下、「PCB特別措置法」という)」が制定、施行されました。

PCB廃棄物

PCB廃棄物とは、PCB特別措置法により、「PCB、PCBを含む油又はPCBが塗布され、染み込み、付着し、若しくは封入された物が廃棄物となったもの」と定められています。具体的には、次のようなものが存在します。

  • トランス、コンデンサ等の電気機器
  • 商業用蛍光灯等に使用されている安定器
  • PCBが塗布された感圧複写紙、PCBが付着した布や容器、ウエス等
  • 電気製品等に使用されていたPCBを含む絶縁油等

また、PCB廃棄物については、国が策定した「PCB廃棄物処理基本計画」に基づき、確実かつ適正な処理を総合的かつ計画的に推進しています。

PCB廃棄物処理基本計画(環境省HP)(外部リンク)

トランス画像コンデンサ画像安定器画像

PCB廃棄物であるかの判別

事業場に設置されている受電設備(キュービクル)や蛍光灯本体の取替え、建物解体時に出てきた電気機器については、製造メーカー、型式、型番、製造年月を確認し、PCB含有の有無を適切に判別してください。

含有されていないことが確定したものについては、産業廃棄物としての処理が可能です。

含有していることが判明したものについては、廃棄物処理法及びPCB特別措置法等に基づいた適正な保管および処理が必要です。

なお、受電設備や電気室等は感電の恐れがあるため、電気主任技術者等にご相談ください。

自家用電気工作物・蛍光灯用安定器の判定

 

非自家用電気工作物の確認

医療機関が所有するX線機器、工業用X線発生装置、溶接機、昇降機(エレベーター・エスカレーター)制御盤等の機器にも、PCBが使用されたコンデンサーが組み込まれている可能性があります。以下の方法により、PCB含有の有無を判定してください。

(1)製造時期の確認

使用中または保管中のX線機器、溶接機、昇降機が1980年(昭和55年)までに製造・販売されたものであるかを確認する。※1980年以降に機器のメンテナンス等によりコンデンサーの交換を行っている場合、高濃度PCBは含まれておりません。その場合でも、取り外して保管しているコンデンサー等がないか、確認は必要です。

(2)機器の判別

(1)に該当する機器を使用・保管している場合、機器の種類ごとに以下の要領で確認してください。

  • 医療用X線発生装置

一般財団法人日本画像医療システム工業会のホームページを参考に、各メーカーごとにPCB使用の有無を確認してください。

  • 工業用X線検査装置

一般社団法人日本検査機器工業会に加盟する4社により製造された機器のうち、PCBが使用された可能性があるものは、以下の通りです。その他のメーカーや型式については、直接製造メーカーへお問い合わせください。

表高濃度PCB含有絶縁油を使用した可能性のある工業用X線検査機器

 

当時の製造メーカー 製造年月 型式 備考
1 (株)島津製作所 1980年以前 WELTESシリーズ 高電圧トランスが油絶縁式
2 東京芝浦電気(株) 1970年以前 EX-200 高電圧トランスが油絶縁式
3 東京芝浦電気(株) 1970年以前 EXS-2型 高電圧トランスが油絶縁式
4 理学電機(株) 1970年以前 RFシリーズ 高電圧トランスが油絶縁式

 

  • 溶接機

PCB含有コンデンサーを使用した溶接機(一般社団法人日本溶接協会)(PDF:180KB)より確認してください。その他のメーカーや型式等については、直接製造メーカーへお問い合わせください。

  • 昇降機(エレベーター・エスカレーター)制御盤

建物の昇降機保守会社にお問い合わせください。

 

PCB廃棄物の保管事業者の責任について

PCB廃棄物を保管する事業者には、PCB特別措置法により、以下の義務が課せられています。

保管等の届出

事業者は、毎年度PCB廃棄物の保管及び処分の状況について届出が必要です。

期間内の処分

事業者は、高濃度PCB廃棄物を2021年3月31日まで、低濃度PCB廃棄物を2027年3月31日までに処分することが義務付けられています。

なお、高濃度PCB廃棄物については、唯一の処分施設である中間貯蔵・環境安全事業株式会社(JESCO)に処分を委託する必要があります。

JESCOへの処分委託は事前登録が必要ですので、JESCOへの確認をお願いします。

譲渡し及び譲受けの制限

PCB廃棄物については、原則譲渡し及び譲受けが禁止されています。建物等を売却される場合でも、PCB廃棄物については新たな建物所有者に売却することはできません。ご注意下さい。

承継の届出

事業者について相続、合併又は分割があった時は、承継があった日から30日以内に、届出が必要です。

特別管理産業廃棄物管理責任者の設置

PCB廃棄物は、特別管理産業廃棄物に分類され、事業者は、特別管理産業廃棄物管理責任者を設置する必要があります。

保管事業場の変更(移動)の届出

保管事業場の変更(移動)後は、保管事業場の変更届出書の提出が必要となります。

なお、本市ではPCB廃棄物を移動する際、事前に移動計画書の提出を求めています。

お問い合わせ先

環境局事業系廃棄物対策課