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最終更新日:2026年5月22日
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第5回神戸市都市デザイン賞では、2025年度に市民のみなさまから推薦された作品の中から、有識者会議での意見聴取を経て、「建築デザイン部門」1件、「ストック再生部門」4件、「木のぬくもり建築部門」2件、「特別賞」2件の受賞作品を決定しました。


神戸旧居留地91番館は、歴史的な街並みが残る神戸旧居留地に建つテナントオフィスビルである。
低層部と高層部を切り分けた構成とし、低層部においては、異なる厚みのタイルの貼り分けや各層ごとの庇によって生み出される陰影など、細部にわたる工夫を積み重ねることで、彫りの深いファサード表現を実現している。夜間においては、落ち着きのある照明計画により旧居留地の夜間景観に寄与している。さらに、1階をガラスファサードとすることで、建築内部の活動が道路側にもにじみ出し、歩行者にとって活気が感じられる空間を形成している。
現代的な意匠でありながら、旧居留地の風格を備えた建築となっており、同地区における都市デザインの一つの指標となる事例である。


既成市街地において、空き家をシェアハウスと地域交流スペースとして再生した事例である。
公園に向けて大開口を設けるとともに、建物の一部を減築することで、公園と周辺の路地を緩やかにつなぎ、地域に開かれた空間構成を実現している。地域交流スペースは、子どもを対象としたキャリア教育イベントに活用されるなど、シェアハウス入居者や地域住民、子どもたちが交流する場を創出し、公園での地域行事の際にも開かれた施設として機能している。さらに、入居者の賃料の一部を活動の原資とする仕組みにより、施設運営の自立性を確保している点も評価できる。
地域住民の交流機会の不足などの地域課題に応答する、既成市街地におけるストック再生の事例である。


ニュータウンにおける空き店舗を活かし、カフェと文化交流機能を併せ持つ地域拠点として再生した事例である。
既存建物の特徴的なファサードを活かしながら、開口部や色彩の工夫によって、街並みに親しみやすい表情を与えている。
音楽や語学、創作活動など多様なプログラムが継続的に展開され、日常的な交流の場として人を引き寄せ、地域のにぎわいと愛着を育てている点が特徴的である。また、本施設の再生を契機にシャッターを開けた店舗が増えるなど、周辺の活性化や景観の変化にも寄与している。
衰退が課題となりやすいニュータウンにおいて、既存ストックを活かしながら新たな地域価値を創出した、持続的なストック再生の事例である。


地域課題である放置竹林問題の解決を目的として、使われなくなっていた納屋を地域活動の拠点として再生した事例である。
改修にあたっては、建物の既存構造や素材を極力活かしつつ、内外装に竹を積極的に用いることで、施設の活動内容と地域資源との関係性を視覚的に分かりやすく表現している。また、竹細工や食品開発、ワークショップ、マルシェの開催などが継続的に行われ、地域内外の人々が関わる場として機能しており、こうした活動の積み重ねが、里山の魅力発信や放置竹林問題への意識喚起につながっている点も特筆される。
農家住宅群の一部を地域資源として更新し、地域課題の解決と交流の促進を同時に図る、農村里山エリアにおけるストック再生の事例である。


地域の象徴的な古民家(茅葺民家)を、新規就農を希望する人々の就農の拠点として再生した事例である。長年地域に親しまれてきた古民家の佇まいを継承しつつ、シェアハウスと多目的な活動拠点を複合させることで、単なる建物保存にとどまらない実践的な再生を実現している。就農に向けた学びや情報交換、試行錯誤の場として居住空間と活動の場を一体的に運営することで、新規就農者同士や周辺住民との関係性が育まれ、里山に新たな活力やコミュニティ醸成をもたらしている。さらに、新規参入が難しい市街化調整区域において、用途緩和を行い里づくり拠点として整備した点は、農村里山エリアにおける既存ストック活用の可能性を広げた取組みといえる。
新規就農支援と地域コミュニティの再生を同時に実現した、農村里山エリアにおける持続可能なストック再生の事例である。


岩谷産業神戸研修所は、ポートアイランドに建設された企業の研修施設であり、木の香り・ぬくもり・手触りによるリラクゼーション効果を通じて質の高い研修環境の形成に寄与することを目的に、構造材から内外装材に至るまで積極的に木材を活用した建築である。
高層部の外周に木造架構を採用した木造ハイブリッド構造とし、木造架構を内部とファサードに表出させるとともに、エントランス、研修室、客室など随所に内装木仕上げを行い、施設利用者や外部に対して「魅せる木造」を実現し、木材利用のPRに寄与している。
大規模木造架構を実現させるためプロジェクト早期から木材関連事業者と協業することで、設計・施工・材料調達までをスムーズに連携しながら、階避難安全検証法の活用により内装木壁の不燃化処理を不要とし、建設コストの合理化を図ることで木材使用量の拡大を図るなど、最先端の技術や知見を活用した木材利用の先進事例の一つである。


北須磨支所ビルは、駅前リノベーションが進む名谷に位置し、区民サービス窓口のほか、おやこふらっとひろばや情報・交流サロン、カフェなどの民間テナントが入居する複合ビルである。
周辺施設をつなぐ連絡通路としても利用されており、多くの市民が日常的に利用する公共性の高い建築である。
共用部や支所内部には、六甲山の間伐材や兵庫県産木材を用いて製作されたオリジナル家具やサインが多数配置され、健康的でぬくもりのある快適な空間を市民に提供している。ロビーのベンチや支所内のパーテーションには多様な樹種の兵庫県産材を使用し、樹種による色合いや手触りの違いなどが楽しめる工夫がなされている。また1Fロビーでの兵庫県産材の標本展示や木製品に「ひょうごの木」の焼印を施すなど、木材利用のPRにも積極的に取り組んでいる。
本施設は、多くの利用者の目に触れやすい場所における取り組みやすい木質化の好事例である。
狭小な道路や傾斜地といった立地条件により利活用に課題の多い山麓部において、空き家の有効活用に意欲的に取組み、交流の場の創出に貢献した事例である。

