最終更新日:2025年7月2日
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生涯をかけて趣味や楽しみを持ち続けるのは、すごく大事なことかもしれません。
じぶんの身体や健康と相談しながら、「いっしょに楽しめる仲間と場所」があればうれしいものです。
なかでも、スポーツで身体を動かす喜びは、何歳になっても味わいたいもの。
そんな中、すごいうわさを聞きました。
【北区で「98歳」の女性が卓球を元気に続けている】
【しかもスマッシュは天下一品らしい】
わたしたちは早速、そのうわさの女性が練習する「からと卓球スタジオ」へお邪魔することに。
スタジオに入る前から、入口のガラス越しに見える練習の後ろ姿と熱気。
北区役所「いまお時間よろしいですか…?」
緊張しながら話しかけてみる。
辻井「あら、暑いところよぉ来たね、こんにちは。」
とにかく笑顔がすてきな方です。
辻井美代子さんは、北区唐櫃台に住んでおり、なんと御年98歳。
11月には99歳を迎えるそうで、ますます元気に過ごしておられます。
からと卓球スタジオは、神鉄六甲駅前で2022年からスタートしました。
辻井さんはオープン当初から通い詰める常連さん。
そんな辻井さんをずっと見守り続けてきたのは、からと卓球スタジオ代表の大村 桂治郎さん。
大村「ほな、早速ラリーでも見てもらいましょうか。すごいんですよ。」
大村さんとともに、辻井さんがいつも行うラリーを披露してくれました。
われわれ取材した職員は終始驚きっぱなしでした。
ラリーのスピード感、持続力…すべてが本格的。
(ラリーの動画はInstagramで公開中!)
辻井「ラリーを続けるのが楽しい。それが楽しみでここに来ているんです。」
北区役所「たしかに楽しそう。見ていても気持ちがいいですね。」
辻井「気持ちいい。やっぱりここで先生が相手してくれるのもうれしいね。」
辻井さんはバトミントンやプールなどのスポーツに専念してきたそうで、卓球と出会ったのは70歳のころ。卓球を通じて友人が多くでき、話し相手もどんどん増えたそう。
辻井「友達や先生と会えないと、ほんとに2~3日声を出すことがないときもある。飼っているネコには好き勝手話しかけてるけどね(一同笑い)。卓球場に来ることで、大村先生とも話ができるし、仲間とか、一緒に練習する人と会えることが喜びなんです。とにかく会えることが「やっぱりいいな」といつも思うんです。」
人と会う機会、話す機会をつくること。卓球のラリーだけでなく、それは人との関わりの「ラリー」をつくること。
そのために辻井さんは、からと卓球スタジオへ週2回欠かさず通っています。
自宅からシニアカーを運転し、そして1時間たっぷりラリーをした後、またシニアカーでごきげんに帰っていく。
練習がひと段落すると、すかさず辻井さんは散らかったピン球を拾い集める。
大村「あのピン球を拾う網は、いつも辻井さんがラケットといっしょに持ち歩いているんですよ。」
なるほど!足腰を曲げることなく、床のピン球を難なく拾えます!
せーの、ひょいっ。
すごいスピードで回収。いやはや…御見それしました。
辻井「お菓子でも食べましょ。コーヒーもあるから。おかきはいくらでも食べられる。ほんでこのチョコもね、好きなの。」
練習後はほっとひと息。わたしたちもご一緒しました。
大村「辻井さんのラケット見てみ。ペン(表面だけにゴムが貼られているもの)のラケットやけど、バックにもゴムを貼ってる。しかも持ちやすく改良してるねん。」
辻井「じぶんに合うのをずっと使いたいからね。」
手に馴染んだラケットのように、自分に合う楽しみを持ち続けることはすごく重要だ。
辻井「無理せず、ちょっと身体を動かそう、それだけでええねん。わたしのことを知って、そう思ってくれたら本望やね。」
北区役所「辻井さんの姿を見て、スポーツや身体を動かすことにチャレンジする人が増えたらうれしいですね。」
ちょっと身体を動かそう、それだけでいい。なんだか魔法のような言葉です。
辻井「「パーキンソン病患者・家族のための卓球体験会」に参加したんよ。見て。そこで福原愛ちゃんと会ってん。」
北区役所「え、すごいですね! ほんまや、一緒に写真撮ってる。」
福原愛さんといえば、日本を代表する卓球選手のひとり。
大村さんによると、幼少期の福原愛さんは兵庫県内で開催された全日本卓球選手権大会でも優秀な成績を収めていたそう。
辻井「卓球はだれもが楽しめるスポーツ。わたしもできるくらいやねんから。みんなで仲良く楽しめば孤独な感じはないよ。」
おもむろに卓球台を拭き掃除する辻井さん。
辻井「ほな、そろそろ。」
最後に辻井さんと大村さんで写真を撮らせてもらいました。
構えて、スマッシュ!
来週もまた、好きな卓球ができる。
来週もまた、好きな場所で好きな仲間と会える。
「来週もまた」という希望と楽しみ。そんな喜びに表情に満ちた辻井さんから、われわれのほうが元気をもらいました。
スポーツで、生活がきらめく。少しの運動だけでイイ。
辻井さんのライフスタイルから、わたしたちも学んでいきたいと感じました。
辻井さん、からと卓球スタジオの大村さん、取材に応じていただきありがとうございました。
いつまでも元気にスポーツができる…そんなみなさんを北区役所はこれからも応援していきます。