再犯防止の取り組み

最終更新日:2023年10月6日

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罪を犯した人の中には、住居や仕事が確保できないことや、認知機能の低下、周囲から理解されない障害によって社会から孤立し、犯罪を繰り返してしまうケースがあります。
神戸市では、罪を犯した人であっても適切に福祉的な支援につなぎ、社会復帰を促すことで、繰り返される犯罪を防ぎ、新たな被害者を生み出さない「地域の安全・安心」を目指す取り組みを進めています。

再犯防止検討会議の実施

本市における再犯防止の取り組みをより効果的なものとするために、様々な関係機関の方より広く意見を募る機会として、神戸市再犯防止検討会議を2022年6月から9月にかけて計4回実施しました。

開催日・テーマ

第1回:2022年6月3日(金曜)
テーマ:国・神戸市における再犯防止を取り巻く状況、国・兵庫県・神戸市における取り組みとその課題

第2回:2022年7月11日(月曜)
テーマ:国・兵庫県・神戸市における取り組みとその課題、他都市等の取り組み事例

第3回:2022年8月3日(木曜)
テーマ:神戸市における今後の取り組みについて

第4回:2022年9月5日(月曜)
テーマ:神戸市における今後の取り組みについて

参加者・参加機関

  • 立命館大学法学部・森久智恵教授
  • 神戸地方検察庁
  • 神戸保護観察所
  • 神戸公共職業安定所
  • 神戸市障害者基幹相談支援センター
  • 神戸市保護司会連絡協議会
  • 神戸市ケアマネジャー連絡会
  • 兵庫県
  • 兵庫県地域生活定着支援センター
  • 大阪矯正管区
  • 神戸の冬を支える会
  • 神戸ダルクヴィレッジ

検討会議で取りまとめた意見

  • 再犯に至る背景として、罪を犯した人が、高齢や障害、生活困窮など複合的な課題を抱えていながら、早期に適切な福祉的支援につながらず、住居や仕事の確保ができなかったことが要因の一つである。
  • 特に、検察庁などの刑事司法機関による、刑務所への収監に至らない段階での支援(いわゆる入口支援)においては、支援調整に使える時間が短く( 約10 日間)、継続的な支援につなげられないまま対象者を釈放することで再犯に至るケースが存在する。
  • 釈放後・出所後に支援の途切れをいかに生まないかが再犯防止の鍵になると考えられ、支援のつなぎ・調整を行うコーディネーター役の配置について優先して取り組むべき。

再犯防止コーディネーターの配置

検討会議での議論も踏まえ、検察や保護観察所などの刑事司法関係機関と密に連携し、釈放者・出所者で福祉的支援が必要な人を、早期の段階で、市の保健福祉窓口や福祉サービス事業者へ円滑につなげ支援調整を行うためのコーディネーターを配置しました。

配置日

2023年6月1日

主な支援対象者

  • 不起訴、起訴猶予等により刑務所といった矯正施設への入所に至らない人
  • 高齢やなんらかの障害、又は生活困窮などの課題を抱え、福祉的支援の調整が必要であると認められる人

コーディネーターの役割

  • 検察や保護観察所などの刑事司法機関から支援機関へのスムーズな橋渡し
刑事司法機関より依頼を受けた支援対象者と、勾留中より面会を重ね、市の保健福祉窓口や福祉サービス事業者と密に連携を取り、福祉的な支援が必要な方を早期の段階で、切れ目なく支援につなげるよう取り組みを進めています。
 
  • 支援関係者の理解促進
再犯に至るケースの背景等について理解促進を図り、罪を犯したことをもって、必要な福祉サービスが受けられない事態が生じないよう、再犯防止に関する研修・啓発活動を行います。

再犯防止推進研修の実施

区役所職員やあんしんすこやかセンター、障害者相談支援センター、刑事司法・更生支援関係機関といった支援関係者の理解促進を目的に、再犯防止にかかる研修を実施しました。

日時

2023年7月28日

講師及び研修テーマ

①立命館大学法学部 教授 森久 智江(もりひさ ちえ)
テーマ:「再犯防止とは」-犯罪学の視点から
森久教授
②厚生労働省 社会・援護局 総務課 矯正施設退所者地域支援対策官 伊豆丸 剛史(いずまる たかし)
テーマ:刑事司法と福祉の連携、自治体に求められる役割、厚生労働省の動き
伊豆丸専門官
③神戸市福祉局相談支援課 再犯防止コーディネーター 上利 博美(あがり ひろみ)
テーマ:神戸市における再犯防止推進の方向性



 

お問い合わせ先

福祉局相談支援課