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神戸の里山が「自然共生サイト」に国内初の環境大臣認定!世界目標を実現する生物多様性の回復エリアへ

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記者資料提供(2023年10月6日)
環境局自然環境課

神戸は都市近郊に里山が広がっている自然豊かな都市であり、この里山は神戸が誇る財産です。
この貴重な財産である里山を守り育てるため、2023年1月には、神戸が目指すべき里山を実現するための方策を示した「KOBE里山SDGs戦略」を策定しました。
具体的な取組みの一つとして、北区の里山をモデル地区と定め、学生や市民団体、大学など連携し、地域の協力を得ながら、樹木の伐採等による明るい森の再生や棚田跡地の保全、生物調査に取り組んでいます。
この度、環境省が進める「自然共生サイト」認定事業について、初の大臣認定が行われることが発表され、この北区の里山が認定されることが決定しました(全国121か所のサイトと同時に認定)。2023年10月25日(水曜日)に実施予定の認定式で正式に認定されます。

「自然共生サイト」の認定は、2023年12月のCOP15(生物多様性条約第15回締約国会議)で採択された新たな世界目標である「30by30」※2の達成のための日本の取り組みの一環です。
今後、自然共生サイトの認定地域は「OECM」(Other Effective area-based Conservation Measures)※3として国連のデータベースに登録される予定です。

今回の自然共生サイト認定決定、さらにOECMへの登録を契機として、神戸市の里山の魅力発信や保全の取組みを推進していきます。

※1:自然共生サイト
環境省により、企業、団体、自治体等によって生物多様性の保全が図られている区域を認定する仕組み。2022年度は認定実証事業として、本仕組みを試行・検証、その他の課題を検討し、2023年度から正式な認定を開始予定
※2:30by30
生物多様性のため2030年までに各国の陸と海の各々30%以上の面積を保全する世界目標
※3:OECM
国立公園など保護地区ではない地域のうち、生物多様性を効果的にかつ長期的に保全しうる地域

自然共生サイト認定が決定された場所

神戸市北区山田町の里山林・棚田・ため池(約181.8haの区域)

概要

(1)里山林
つては、里山の森林や棚田の環境が広がっていた。
山林に残っているため池にはセトウチサンショウウオが、陽が射し込む林道にはキキョウ等の希少な動植物が確認されている。
(2)棚田・ため池一部地域については現在も地権者によって営農が継続されている。また、耕作放棄地では、市民団体が草刈りやため池整備などの保全活動を行っている。
多様なトンボが飛び交い、様々なカエルの棲み処となり、色とりどりの草花が生育する景色が残る動植物の宝庫となっている。
ベニイトトンボやオカオグルマ等の希少種も数多く確認されている。

保全活動

市民団体、学識経験者、行政が連携し、地域の協力を得ながら生物多様性の保全活動・生物調査を実施
(1)生物多様性保全活動の例
里山林の林道や棚田の畔等の草刈り
ため池における増えすぎたヨシやガマの刈り取り
(2)生物調査の例
目視等による生体確認や、糞や足跡等の痕跡の確認
ため池における環境DNA調査

サイトの詳細

サイトの詳細については、以下のページに掲載しています。
里地里山の生物多様性​​​​​

今後の取組み予定

「七草の咲く里山林」「サンショウウオの棲むため池群」「多様な動植物を育む隠し棚田」「多様な水草が育ち、色とりどりのトンボが飛び交うため池群」といった管理の方向性や地区の特徴ごとにエリアを設定し、多様な関係者と協力して里山整備等の取組みを進めていきます。

里山林の様子 棚田・ため池の様子
稲作を通じた保全活動 里山整備活動
環境DNA 里山で確認されている希少種