[2019年4月26日]Yahoo!JAPAN連載「データで探求!神戸ってどんな街?」

【第2回】神戸ってどんな街?~海・空・陸の総合交通体系~


こんにちは!ヤフーデータフォレスト・神戸市担当チームです。

ヤフーは、神戸市との「神戸市とヤフー株式会社とのデータドリブンな市政課題解決に関する事業連携協定」にもとづいて、データを活用した新しいまちづくりに取り組んでいます。そして、ヤフーではこういったデータ活用を通じた連携をデータフォレスト構想と呼んでいます。

この取り組みでは、神戸市に関するさまざまなデータ=ヤフーデータやオープンデータ(外部リンク)を使って街の診断を行います。すると、今まで気づかなかった、あるいはなんとなく感じているが客観的には示されてこなかった神戸の街の魅力に気づくことがたくさんあります。ここではそのデータで示された神戸の街の魅力を、みなさまに随時お知らせしていきます。

第一回目にひきつづき、今回もヤフー検索での検索キーワードから生成したクエリマップを使って神戸の街の魅力に迫ります。クエリマップはとあるキーワード(ここでは「神戸」とあわせて検索されるキーワードを検索数やつながりの強さを使って図にしたものです。

<クエリマップの見方>

  • 多くの人が何度も検索している=円の大きさ

  • キーワードのつながりの強さ=中心点を結んだ線の太さ

  • 色分け:女性が検索=赤・男性が検索=青・両方が検索=紫
     

海・空・陸の総合交通体系

今回はこのキーワードのカタマリに着目します。

海・空・陸の総合交通体系図
 

神戸といえば「国際色豊かな港町」というイメージがあるかと思います。

神戸市役所による「神戸港の歴史」によると、神戸港は平安時代から国際貿易の拠点として発展し、1868年(慶応3年)の開港を経て、人もの情報が行き交う拠点として、世界を代表する港に発展しました。さらに2006年(平成18年)には神戸空港が開港、鉄道やバス、高速道路の整備により、海・空・陸の総合交通体系が確立されています。

そして、このクエリマップにも、神戸が交通の要衝であること〜便利でどこにも行きやすい、どこからも来やすい〜さまざまな地域の人々が行き交うまちの姿が現れています。特に、鉄道や高速道路といった陸上交通だけではない、海・空を含めた多様な手段がぎゅっとまとまっている感じがしますね。

まず、「海」。フェリーにより「関空」「宮崎」「大分」「小豆島」「高松」へ。特に「高松」とは人の往来が多いようです。遣隋使・遣唐使はかつて、神戸の住吉から出発したそうです。最近は瀬戸内経済文化圏という言葉もありますが、瀬戸内の麗らかな気候のもと、古来からの活発な人・物の往来は今も健在です。

次に「陸」の有力手段である「高速バス」で見ていくと、同じく「徳島」「松山」「高知」といった四国の主要都市、「岡山」「広島」「米子」中国地方の主要都市、そして「名古屋」とつながっています。

都心・三宮再整備KOBE VISONには、新たなバスターミナルの計画が盛り込まれており、中長距離バス利用の利便性が大きく向上することが見込まれます。先に挙げた中国四国地方を中心に、多くの地域との交流がさらに進みますね。

新たなバスターミナルイメージ図
新たなバスターミナル。西日本最大級となる中長距離バスターミナル。段階的に整備を行い、Ⅰ期部分は2025年度頃完成予定。

 

クエリマップに戻ります。

陸のもう一つの手段、「新幹線」=日本全国を結ぶ陸の大動脈を通じて「名古屋」「博多」「東京」につながっており、これは誰もが納得の結果ですね。

そして「空」といえば「飛行機」「スカイマーク」による「福岡」「沖縄」「羽田」「仙台」「長崎」「鹿児島」そして「茨城」と、全国的なネットワークを形成しています。「スカイマーク」の円が大きいのは神戸空港を拠点とし、発着便が多いことが多くの人々に知れわたっているからでしょう。

このような海・空・陸の活発な人の移動が検索行動として現れるのは、移動の選択肢が多い神戸市の大きな強みであり、三宮・六甲・有馬・姫路・淡路などの市内・県内各エリアのみならず、京都・大阪・奈良・瀬戸内といった広範な地域への玄関口になりうるポテンシャルを感じさせます。

こういったつながりによって何がおこっているかをデータから理解し、さらに移動を便利に、楽しめるものにしていくことで、多くの人が集まる街になっていくのではないでしょうか。
 

地域事業者様向け「神戸市データアカデミー」を実施しました。

さて、神戸市では、こういった神戸市の交通結節点としての強みを生かすべく、地域事業者様向けに地域経済活性化をテーマとしたデータ活用のワークショップ「神戸市データアカデミー」を開催しました。

今回は、年間利用者数が300万人を突破した神戸空港をテーマに、データに親しみながら、空港利用者がもっと神戸の街を楽しんでいただけるアイデアを出しあいました。

冒頭にあげたクエリマップでも、神戸空港は東北・関東・九州といった遠距離からの訪問者を迎える玄関口となっていることがわかります。

次回以降は、この交通結節点である神戸の街に、どういったタイミングで、どういった地域から人が集まっているのか、ワークショップで出た話なども踏まえながらお伝えしていきます。どうぞお楽しみに!

追記)ワークショップの報告記事「【第4回】旅客数記録更新中〜神戸空港を活用せよ」を掲載しました!