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神戸市が独自に厳しく「将来人口推計」を分析する理由

最終更新日:2024年12月17日

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日本の2023年の出生数は過去最少となる約73万人、2024年は統計開始以来初の70万人を割り込むことが懸念されています。昭和40年代後半の第2次ベビーブーム(約210万人)と比べると約3分の1にまで減少し、その傾向には全く歯止めがかかっていません。すでに国立社会保障・人口問題研究所(以下「社人研」)の想定を超えるスピードで減少しています。

かつての人口増加時代とは違い、現在の日本は間違いなく人口減少時代に入っていきます。

この先も少子超高齢化、生産年齢人口の減少が一層進むと想定されている中、行政サービスを維持・充実させていくためにも、客観的なデータをもとに冷静に将来を見通していく必要があります。

地域実情を把握するための市独自の将来人口推計

将来の人口構造を見通すために、ほとんどの自治体では、社人研が公表する自治体単位または行政区単位の「地域別将来推計人口」を活用しています。

社人研の推計は、5年に1回実施している国勢調査をもとに全自治体のデータを分析していることもあり、調査時点(直近は2020年10月)から約3年後の公表(2023年12月)となっています。

どうしてもその間に人口移動があることや、行政区単位の算出であること、また地域個別の事情を加味することもできないことなどから、大きな自治体が具体的な政策を検討するには、誤差や粒度の面で課題が生じます。

そこで、神戸市は独自に、市内の出生率や住宅開発予定など、神戸の“実情”を加味するとともに、住民基本台帳に基づき、“毎年”1歳階級別、163小学校区別に分析することで、より地域実情を把握できる推計を算出しています。
子どもたちが触れ合う画像

客観的に現状を把握した上で、全力で未来に挑戦する

このような緻密な分析の結果、市独自の将来人口推計は、社人研の推計よりも少なく算出しています。社人研による全国一律の推計よりも、あえて市でより少ない推計を公表する必要があるのか、と思われるかもしれません。しかし、これまでの検証では、市の推計は社人研よりも誤差が小さく、より実情を見通すことができています。

日本全体の人口減少の大きな要因が、死亡数が出生数を大きく上回る「自然減少」であることをふまえると、高齢化や出生数の急速な減少が続く中、国全体で人口増加に転じることは非常に難しいのが実情です。この現実を直視した上で、客観的により的確に将来を見通すことが大切です。

かつての人口増加時代とは異なる新たな価値観、斬新な発想をもとに、まちの活性化や経済政策、切れ目のない子育て支援など、人口減少を少しでも抑制する政策に全力で取り組むとともに、既存インフラや増加する空き家の活用など人口減少時代にしっかりと適応していくことが、未来にわたってこのまちを引き継いでいく持続可能な自治体経営である、と神戸市は考えています。
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