廃棄処分になる疾病

最終更新日:2020年10月29日

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廃棄処分には、病変の原因等によって、部分的な廃棄(肝臓だけなど)で済むものから枝肉、内臓問わず全部を廃棄する場合があります。
ここでは、当センターで発見された病変等を一例にご紹介します。

全部廃棄処分となるもの

牛白血病診断名:牛伝染性リンパ腫
牛伝染性リンパ腫とは、牛伝染性リンパ腫ウイルスの感染が原因である地方型と、原因不明な散発型に分けられます。発症するとリンパ節が腫大することがあり、写真のように、生体時に分かる場合もあります。

敗血症診断名:敗血症
敗血症とは、菌血症やほかの感染症に対する重篤な全身性の反応です。心臓内部に写真矢印にあるような菌塊を発見することで判明する場合が多いです。多臓器で同一の菌種を分離し、確定診断としています。

黄疸診断名:高度の黄疸
黄疸とはビリルビンという色素が何らかの原因で血液中に増加し、その結果、全身の皮膚や粘膜に過剰に沈着した状態です。
写真のように高度に沈着している場合に全部廃棄処分とします。

筋間水腫診断名:全身性の水腫
水腫とは、異常に組織液が溜まった状態です。特に、筋間に余分な体液が溜まっている状態が全身に及んでいる場合には全部廃棄処分とします。
写真の矢印部分は特に顕著な部分です。

膿毒症診断名:膿毒症
膿毒症とは、化膿菌が病巣から血液中に入って広がり、他の部位に化膿巣を多発する状態です。写真では胸膜や腎臓周囲にまで膿瘍が及んでいます。

部分廃棄処分となるもの

肝蛭診断名:肝蛭
牛の胆管に寄生する寄生虫で、肝臓に病巣をつくることもあります。

肺炎診断名:肺炎
写真矢印部分のように明らかに色調が異常の場合や腫瘤が複数見られる等、原因により症状は様々です。

腎石診断名:尿石症
写真矢印部分にあるような砂粒状から小石状の大きさの尿石が腎臓や膀胱などから発見されることがあります。

脂肪壊死症診断名:脂肪壊死症
写真矢印部分にあるようなこぶし大の腫瘤を脂肪部分に形成している状態です。腸間膜に症状が多発すると場合によっては腸管を圧迫して下痢症を引き起こすこともあります。

皮下組織の出血診断名:外傷
写真矢印部分にあるように皮下組織や筋組織にまで出血が及ぶものもあります。

お問い合わせ先

健康局保健所食肉衛生検査所