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未収録作品編 〜幻の作品たち

―実際にネガを見ていただき、コメントをいただいた

 森本さんから36枚撮りのネガフィルム9本が神戸市に寄贈されました。このフィルムは、神戸百景をスケッチして歩く川西英さんご本人が写っているとても貴重な資料です。おそらく、1961〜62年にかけて、新百景の構想として、1/3を描き直されましたが、そのとき、スケッチ随行で撮影されたものです。私が撮影したポイントの確認にもなるとても貴重な資料です。  写真を見ながら、須磨水族館の当時の館長井上喜平治さんを見つけて、館長さんの部屋に川西さんの画が飾ってあったが、色があせてしまっていて、なんともいえなかったとこぼしていました。  とにかく、川西さんは、仕上がり時のベタ黒(真っ黒の部分)にこだわった。校正刷りで、川西さんからダメ出しされることもたびたびあった。最終的には、校正刷りを10枚ほどみて、この黒をなんとかしてほしいが、印刷技術のことはどうにもならないだろうからとOKを出して下さった。あとの試刷りは、信頼されてか見ていないと思うと。最終的にOKを頂いて森本さんはほっとされたそうです。

以上の話は、2011(平成23)年7月5日、三宮にある神戸交通センタービルの神戸地下街(株)にて行われた対談内容をまとめたものです。 森本さんのお話を元に精査していますが、史実については、すべて裏付けをとったものではありません。

画集『神戸百景』誕生秘話 こちらの動画からもインタビューの内容をご覧頂けます。

神戸の街のあふれる異国情緒に魅せられ、強い刺激と影響を受け、版画創作に熱中した川西英氏。川西英氏が猛スピードで描きあげた画集「神戸百景」は、制作会社の経営難など幾多の困難を乗り越えて発行されたものです。編集を担当した森本泰好さんに、川西英氏の人物像、神戸百景が誕生した時代背景、発行にいたるまでの苦労話などを語っていただきました。

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