昭和36年1月16日川西英さん一行が最後に訪れたのは、灘区長峰台にあったカナディアンアカデミーです。カナディアンアカデミーは、1913(大正2)年カナダ人宣教師が設立したミッション・スクールで、建築家W.M.ヴォーリズが設計した建物が残っていたことでもよく知られていました。1991(平成3)年、アカデミーの六甲アイランド移転に伴い、体育館やグラウンドなどが、隣接する市立長峰中学に移管されました。また、W.M.ヴォーリズの残した作品は全て取り壊され、建物が建っていた場所には、現在、マンションや介護老人保健施設が建っています。

【小学校校舎】

1953（昭和28）年　小学校舎竣工（W.M.ヴォーリズによる実施設計作品と分類※）
（※参考図書：ヴォーリズ建築の100年　監修：山形政昭、発行：（株）創元社）

【寄宿舎】

1933（昭和8）年　寄宿舎竣工（W.M.ヴォーリズによる設計竣工）

　実際に描かれた画は『24．カナディアンアカデミー』です。スケッチは1963（昭和38）年に松下電器創始者松下幸之助さんの寄付により建設された松下体育館（現長峰中学体育館）あたりからと推測できます。川西英さんは、神戸百景のなかでW.M.ヴォーリズの作品をもうひとつ描いています。それは、神戸ゴルフクラブのクラブハウスです。作品『16．六甲山ゴルフ場』をご覧ください。

神戸百景24.カナディアンアカデミーを見る