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未公開写真編 〜秘蔵ネガフイルムから

昭和36年 冬

2. 鴨子ヶ原団地

渦森台からの眺望(撮影:2012/1/20)

 川西 英さん一行が、この日2番目に訪れた場所は鴨子ヶ原です。その中に2コマですが、鴨子ヶ原の団地をスケッチしている川西 英さんの姿が記録されていました。おそらく昭和36年初頭のものと思われます。

【日本住宅公団 みかげ住宅】

日本住宅公団 みかげ住宅(左)1961年頃(右)2012年

 昭和36年当時、ここは「日本住宅公団 みかげ住宅」という団地でした。現在は「UR都市機構 グリーンヒルズ御影」という名称に変わっています。当時、すでに「みかげ」という地名を使っていますね。なのに川西 英さんは、『鴨子ヶ原』とタイトルを付けています。ここにも川西流のこだわりがあるような気がします。モノクロ写真で背後に見える山は、渦が森と呼ばれた山でした。昭和36年頃から、この山を削った宅地造成が行われ、現在は渦森台という地名になっています。

日本住宅公団 みかげ住宅(左)1961年頃(右)2012年

【鴨子ヶ原3丁目付近(車窓から)】

鴨子ヶ原3丁目付近(左)1961年頃(右)2012年
鴨子ヶ原3丁目付近(左)1961年頃(右)2012年
鴨子ヶ原3丁目付近(左)1961年頃(右)2012年
鴨子ヶ原3丁目付近(左)1961年頃(右)2012年
鴨子ヶ原3丁目付近(左)1961年頃(右)2012年

 調査で鴨子ヶ原を訪れた際、偶然にも同じ景色を発見しました。モノクロ写真で、運転手さんが眺めている方向にある建物は、今も残っています。

【御影深田池付近(車窓から)】

御影深田池付近(左)1961年頃(右)2012年

 鴨子ヶ原から閑静な住宅街を南下すると、阪急御影駅手前で深田池にでます。ご存じのように「みかげ」は御影石で有名ですね。大きなお屋敷の外塀には、必ずと言っていいほど、この御影石が使われています。

 実際に、描かれた画は『18.鴨子ヶ原団地』です。今回、川西画からは、はっきりしなかった団地の姿が、このモノクロ写真の出現によって鮮明になりました。中央奥、そして右手前は、スターハウスといわれるタイプの建物だということが分かりました。また、給水塔のようなものが描かれていますが、写真では、それを確認することは出来ません。当時としては、斬新なつくりの住居、また、そのライフスタイルがあこがれの的でもあったのでしょう。それから50年、団地の果たす役割も変わろうとしています。

(左)スケッチ中の川西 英さん(右)神戸百景18.鴨子ヶ原団地
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