「おうちで!親子防災料理教室」概要
中央区では、災害時に備え、地域防災力の向上を図るため、地域と
神戸学院大学 “防災女子”によるローリングストックを用いた料理教室など「地域防災力アッププロジェクト」を2017年より実施しています。
2022年8月28日(日曜)、神戸学院大学 栄養学部の伊藤智助教監修の下、現代社会学部社会防災学科に所属する女子学生で結成された防災女子と栄養学部生にご協力いただき、「地域×防災女子 防災力アッププロジェクト『おうちで!親子防災料理教室』」を開催しました。
昨年度に引き続き、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、対象地域にサテライト会場を設置のうえオンラインでの開催となりましたが、家庭での食糧備蓄の啓発を行うとともに、子育て世代の地域防災訓練への参加を促しました。
災害時に役立つ「ローリングストック法」
「ローリングストック法」とは、無理なく備蓄し、備蓄した食料を無駄にしないために、備蓄食料を普段の食事に使いながら(ローリング)、備蓄する(ストック)方法のことです。非常時専用の非常食ではなく、レトルト食品や缶詰など普段食べている食材を災害時に活用します。
備蓄する食料は定期的に使うことを前提としているため、保存期間は半年程度です。そのため、備蓄する食品の幅が広がり、自分好みでおいしい食品を備蓄したり、高血圧や糖尿病など持病がある人やアレルギー体質の人も安心して食べられる食品を備蓄しやすくなります。

優秀レシピ
料理テーマ「ごはんに合うおかず(1品)」
参加者のみなさんが作ったレシピの中から、地域ごとに優秀レシピを決定しました!
若菜地域 優秀レシピ
『いろいろ蒸しパン』
材料【2人分】
・ホットケーキミックス 100g
・水 50cc
・牛乳 50cc
・ベーコン(缶詰)
・にんじん 適量
・芋けんぴ 適量
・砂糖 小さじ1
作り方
① ポリ袋に材料を全て入れ、手で揉みこむように混ぜ合わせる。
② ①を軽く空気を抜いてポリ袋の口を輪ゴムで止める。
③ 沸騰した鍋に②を入れて15~20分加熱する。
※ポリ袋調理の注意事項※
神戸学院大学 栄養学部 伊藤 智助教 コメント
蒸しパンにいろいろ入れて、おいしくなった!というレシピですね。災害時に不足する野菜も入っていますね。芋けんぴ、ベーコン、にんじんの甘みと塩味が混ざって新しい発見でした。
『親子丼』
材料【2人分】
・卵 2個
・玉ねぎ 適量
・鶏のオリーブ漬け(缶詰)
・無洗米 150g
作り方
①玉ねぎを調理ばさみで切る。
②ポリ袋に材料を全て入れ、手で揉みこむように混ぜ合わせる。
③別のポリ袋に無洗米と水を1:1.1の割合で入れる。
④沸騰した鍋にポリ袋の口を輪ゴムで止めた②と③を入れて20~25分加熱する。
※ポリ袋調理の注意事項※
神戸学院大学 栄養学部 伊藤 智助教 コメント
災害時に不足しやすいたんぱく質を、卵と鶏肉から食べられるレシピになっていますね。卵、鶏肉は発災直後であれば、喫食可能ですし、味付けにめんつゆなどを使えば、ポリ袋調理でも美味しくできます。刻みねぎで緑色が入って、盛り付けも綺麗にできています。
雲中地域 優秀レシピ
『ベーコンレーズンピラフ』
材料【2人分】
・無洗米 150g
・水 215cc
・ベーコン(缶詰)
・レーズン 適量
作り方
①ポリ袋に米、水、ベーコン、レーズンを入れて、ベーコンを少しつぶしながら袋の上から揉むように混ぜる。
②①を軽く空気を抜いてポリ袋の口を輪ゴムで止める。
③沸騰したお湯に②を入れて、25~30分加熱する。
※ポリ袋調理の注意事項※
神戸学院大学 栄養学部 伊藤 智助教 コメント
調理に使った道具が「ポリ袋」のみで、災害時にぴったりなレシピです。どの家庭にも必ずあるローリングストック食材のお米と、缶詰のベーコン、レーズンをピラフにしたのがとてもユニークでよかったです。
『トマトと鶏肉のショートパスタ』
材料
・ショートパスタ 適量
・鶏のオリーブ漬け(缶詰)
・トマト缶
・ブロッコリー 適量
・水
作り方
①ポリ袋に鶏のオリーブ漬け、トマト缶、ブロッコリーを入れて混ぜる。
②別のポリ袋にショートパスタと水を入れる。
③沸騰したお湯にポリ袋の口を輪ゴムで止めた①と②を入れて、①は10分、②は25分加熱する。
※ポリ袋調理の注意事項※
神戸学院大学 栄養学部 伊藤 智助教 コメント
早ゆでのショートパスタを使うことで、短時間に栄養バランスが整った食事ができる良い例です。鶏のオリーブ漬けの缶詰を使うことで特別感が出て、食べる時にワクワクしますし、いつも食べ慣れているトマト、ブロッコリーが入っているので、気が張り詰めた災害時でもほっとできますね。
- 使用するポリ袋は、ハイゼックスや高密度ポリエチレン製(※厚さ0.01mm以上、耐熱温度110度以上のもの)を選びましょう。
- ポリ袋を使用する前に、必ず耐熱温度などを確認してから使用しましょう。
- 調理の時、鍋にポリ袋が触れないように、鍋底に金網や皿などを敷きましょう。
- 加熱すると袋が膨張するので、空気を抜いて袋の口を輪ゴムで止めましょう。
- みりんやアルコールを入れると揮発し、袋が膨張して破裂することがあります。
神戸学院大学 現代社会学部 社会防災学科の女子学生有志のグループ。
女性目線で防災を考え、ローリングストック食材を活用したアレンジレシピの提案など、新鮮なアイデアで防災啓発活動に取り組んでいます。
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