ページID:82256
ここから本文です。
記者資料提供(2025年11月14日)
大学・教育連携推進課
(一社)大学都市神戸産官学プラットフォームでは、大学の研究をより身近に感じていただくため、研究者対話型イベント「KOBEアカデミックトーク」を開催しています。
今回のテーマは、「雰囲気の哲学と道徳の問い ― 感情から読み解く人間理解」です。
登壇者は、感情を「雰囲気」として捉える新現象学の視点から研究を進める久山雄甫さん(神戸大学 大学院人文学研究科/神戸雰囲気学研究所)と、復讐という行為を通して道徳の本質を問い直す研究を行う安倍 里美さん(神戸大学 大学院人文学研究科)のお二人です。「感情」や「道徳」といった人間の根源的なテーマを、哲学や倫理学、文化研究の視点から多角的に掘り下げ、私たちの生き方や他者との関わりを新たに見つめ直します。お二人の研究者と語り合いながら“人間を理解するとは何か”を一緒に考えてみませんか。
皆さまのご参加を心よりお待ちしています。
(1)日時:2025年12月18日(木曜)18時30分~20時(開場・受付18時)
プレゼンテーション&ディスカッション 18時30分~19時30分
交流会(軽食付) 19時30分~20時
(2)会場:KOBE Co CREATION CENTER(神戸市中央区三宮町1-9-1 センタープラザ9階/JR三ノ宮駅より徒歩約5分)
(3)対象:企業・団体関係者、行政担当者、研究者、学生、国際情勢に関心のある皆さま
(4)定員:30名程度
(5)参加申込:事前申込制(先着順)参加費無料
申込み締切:2025年12月16日(火曜)
申込先リンク:https://forms.gle/w6Lnf22CHkoAUyEXA
(6)詳細はこちら:https://kobeplatform.or.jp/academic-talk/seminar/s_173/
(7)プレゼンター
ダルムシュタット工科大学Ph.D.(2013年)、京都大学博士(2021年)。ダルムシュタット哲学実践研究所客員研究員、日本学術振興会特別研究員などを経て、2013年より神戸大学大学院人文学研究科講師、2016年より現職。専門分野は近代ドイツ文学・思想史、雰囲気学。息吹や雰囲気に関するヨーロッパおよび日本の文学・思想史を研究してきた。2022年には新学術領域「雰囲気学」を創出・展開するために神戸雰囲気学研究所(KOIAS:Kobe Institute for Atmospheric Studies)を設立し、現在まで同代表をつとめている。
https://kobeplatform.or.jp/academic-talk/cate_researcher/researcher-yuho-hisayama/
「雰囲気としての感情」
新現象学の創始者ヘルマン・シュミッツは、古代ギリシア以来「魂」の存在を前提にしてきたヨーロッパ思想史を批判し、「感情」とは「魂」の状態ではなく、むしろ「雰囲気」として身体に作用するものだと主張しました。「感情」は内面世界に閉じ込められているのではなく、われわれの周囲に漂っているというのです。本発表では、(1)こうした大胆な感情論を中心にシュミッツ哲学のアウトラインをなぞり、(2)この見方をひとつの手がかりとする文化横断的・分野横断的な「雰囲気学(Atmospheric Studies)」の試みをご紹介します。
専門は倫理学、特にメタ倫理学。道徳を単なる行動規範としてではなく、日常生活における世界の見方を構成するものとして捉え、その全体像を描き出すことを目標に研究している。通常、倫理学で探求されるのは「道徳的に正しい行為は何か」という問いであるが、この観点のみでは実践に関する思考を精緻に捉えるには不十分であると考えている。たとえば、人はある行為について「道徳的に許されない」という確信を持ちながら、それでも「それをしなければならない」と考えることがある。このような一見矛盾した判断を一貫したものとして捉えられるかを精査し、厚みのある道徳性の理解に到達することを目指している。
https://kobeplatform.or.jp/academic-talk/cate_researcher/researcher-satomi-abe/
「復讐から道徳を問う」
復讐は、もはや変更の余地のない過去に向けられた行為であり、だからこそ無益です。しかしその一方で、しばしば復讐者は魅力的な存在として描かれてきました。また、何より私たちは復讐者の気持ちを理解することができます。本発表では、復讐という行為の合理性をあえて示すことを通じて、過去を背負う存在としての私たちの尊厳とは何かを明らかにします。
(8)ファシリテーター
安部 孝太郎 さん((株)NTTドコモ クロステック開発部 担当部長)
2000年早稲田大学大学院理工学研究科経営システム工学修了。ドコモの法人部門、コンサル会社出向、R&D部門での新規事業開発経験を経て、2024年より現職。
経営企画部兼務の傍ら、神戸市を中心として、各地方自治体の社会課題に適応した先進技術を実装する取り組みを推進中。
(1) 特設サイト ※随時更新中
https://kobeplatform.or.jp/academic-talk/
(2)年間スケジュール ※変更になる場合もありますので、予めご了承ください。
| 日程 | 内容・プレゼンター ※敬称略 |
|
11月27日(木曜) |
第13回「アジアの国際関係と政治の読み解き―東南アジアと中国の外交から見る日本の現在地」
■木場紗綾 (神戸市外国語大学 外国語学部 国際関係学科) 主な研究:安全保障、国際協力論、東南アジア/フィリピンなど 参考:https://researchmap.jp/saya_kiba/ ■周源(神戸大学 大学院法学研究科) |
| 12月18日(木曜) |
第14回「雰囲気の哲学と道徳の問い—感情から読み解く人間理解」 ■久山雄甫 (神戸大学 大学院人文学研究科 文化構造専攻 神戸雰囲気学研究所) 主な研究:ドイツ文学/思想史、ゲーテ、雰囲気、新現象学など参考:https://researchmap.jp/yuhohisayama ■安倍里美(神戸大学 大学院人文学研究科) |
| 1月29日(木曜) |
第15回「高専発・未来創造の探求-ロボティクス×詩の世界」 ■小澤正宜 (神戸市立工業高等専門学校 機械工学科 主な研究:海洋ロボティクスの開発と運用、環境計測、ヒューマンマシンインターフェースなど参考:https://researchmap.jp/ozawa-m ■田原熙昻(神戸市立工業高等専門学校 電子工学科) 主な研究:ロボットのAI制御、日常作業・産業課題の自動化、ロボット工学、制御工学など 主な研究:日本近代詩、詩のジャンル論、詩と共同体の関係など 参考:https://researchmap.jp/take78 |
| 2月26日 (木曜) |
第16回「多様な時代の子育て支援:いま、社会が育むべき力」 ■ 金沢晃(神戸市外国語大学 総合文化コース) 主な研究:親性準備性教育、子どもの精神分析的心理療法、民族的マイノリティの臨床心理学的研究など参考:https://researchmap.jp/akiraz/ ■ 春木裕美(関西国際大学 教育学部 教育福祉学科) 主な研究:障害児、家族支援、ソーシャルワークなど 参考:https://researchmap.jp/haru_20963060 |
| 3月26日 (木曜) |
第17回「生き方のデザイン—思考と働き方が描くウェルビーイングの未来」 ■横内陳正(神戸大学 大学院人間発達環境学研究科 人間環境学専攻 ウェルビーイング先端研究センター兼任) 主な研究:職場環境、仕事のストレス、ウェルビーイング、キャリア発達など参考:https://researchmap.jp/nobutada_yokouchi ■斎藤元幸(関西国際大学 心理学部 心理学科) 主な研究:思考、推論、合理性など 参考:https://researchmap.jp/7000023954 |
(一社)大学都市神戸産官学プラットフォーム事務局(担当:曽我)
TEL:078-954-6921
Email:info@kobeplatform.or.jp