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株式会社Atomisが神戸医療産業都市に本社・研究所を竣工

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記者資料提供(2023年5月19日)
企画調整局医療産業都市部誘致課

◆趣 旨◆

 株式会社Atomisが、神戸医療産業都市に新たな拠点となる本社及び研究所を竣工し、営業を開始しましたのでお知らせします。
同社は2015年に京都大学発スタートアップとして設立された、多孔性配位高分子(PCP/MOF)(※)の設計評価及び新用途開発を行う企業で、このたび京都市内から神戸医療産業都市へ本社・研究所を移転し、PCPに関する基盤技術を活用して多くの企業へのソリューション提供と、ライフサイエンス・環境・エネルギー分野における新用途開発を実施します。
 ※PCPは微細な孔が無数に空いた素材で、二酸化炭素・水素など特定の気体、小分子を吸脱着するように自在にデザイン可能な次世代の新素材(詳細下記)

◆概 要◆

株式会社Atomis

≪企業概要≫
・所 在 地:神戸市中央区港島南町7丁目4番9(進出先)
・設  立:2015年2月
・資 本 金:1億円
・代  表:代表取締役CEO 浅利 大介
・事業内容:多孔性配位高分子の設計評価及び新用途開発
・従 業 員:22名

≪新施設の概要≫
・事業内容:多孔性配位高分子の基盤技術を活用し、ライフサイエンス・環境・エネルギー分野での新用途開発を実施
・敷地面積:3,000.01平方メートル
・施設内容:事務所、研究所、試作棟
・営業開始:2023年5月1日

≪問い合わせ先≫
株式会社Atomis
代表取締役CEO 浅利 大介(あさり だいすけ)
E-mail:info[at]atomis.co.jp
※メール送信時には、[at]を@に変更してください。

≪位置図≫

位置図


≪新拠点外観≫

新拠点工場

◆開発素材概要◆

≪多孔性配位高分子の特徴  – デザイン性≫
 多孔性配位高分子(PCP)とは金属有機構造体(MOF)とも呼ばれ、金属と有機化合物が規則性を持ち連続的に三次元構造を形成し、ナノレベルに制御された多孔性を有する物質です。金属及び有機配位子を選択する事により自由に細孔空間を設計できる(デザイン性)特徴があります。
デザイン性

≪多孔性配位高分子の特徴  – 多機能性≫
 多孔性配位高分子(PCP)の整列された細孔を用いて、分子の吸着、分離、輸送、整列、合成、触媒等の機能を利用することが可能です。エネルギーや環境ソリューションの業界だけでなく、食品、医薬品、電子部品、電機、建材、化学、半導体、宇宙開発といった幅広い業界で検討されており、産業分野に大きなインパクトを与えることが期待されています。
 例えば、排気ガスや大気からのCO2分離回収や、メタン・水素といったエネルギーガスの運搬貯蔵、砂漠での大気造水、ドラッグデリバリー用途等で世界的に開発が行われています。PCPは吸脱着させたい分子の種類や用途に応じて自由に設計することが可能であり、様々な事業分野においてイノベーションを起こすことが期待される次世代の素材です。
多機能性

 

◆企業関係者◆

 株式会社Atomisのアドバイザーとして、多孔性配位高分子PCP/MOF研究の世界的パイオニアである京都大学高等研究院iCeMS北川進特別教授が参画しています。金属と有機分子を用いた自己集合による新しい多孔性材料を開発し、1997年に世界で初めて、気体を大量に貯蔵できることを立証しました。多孔性配位高分子の学術的・産業的価値を大きく拡げ、「配位空間の化学」という先駆的分野を創造し、これまでに数々の国際賞を受賞するなど、ノーベル化学賞候補にも挙げられています。