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記者資料提供(2025年6月12日)
環境局脱炭素推進課
神戸市は、積水化学工業株式会社および積水ソーラーフィルム株式会社、関西エアポート神戸株式会社と連携し、神戸空港の制限区域内でペロブスカイト太陽電池の実証実験を開始します。
なお、空港制限区域内におけるペロブスカイト太陽電池の設置は、国内初の取組です。
2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、再生可能エネルギー(以下、「再エネ」)の導入拡大が求められている中、本市を含む都市部においては再エネ導入の適地が限られており、従来技術では設置が困難であった場所でも導入が期待されるペロブスカイト太陽電池が注目されています。
また、国においては「空港の再エネ拠点化」が掲げられており、今後、既存製品では設置できなかった空港施設(耐荷重上設置が困難とされる格納庫、着陸帯など)に、技術的検証を踏まえた太陽電池の導入拡大が期待されています。
本実証は、空港制限区域内の緑地帯に地上設置するものであり、軽量・薄型で柔軟性を有するペロブスカイト太陽電池の特性を活かし、空港機能を維持・確保しながら将来的な再エネ導入の拡大を見据えた取組です。
〇参考:国土交通省「空港脱炭素化事業促進のためのマニュアル」(概要)
(https://www.mlit.go.jp/koku/koku_fr9_000040.html)
ペロブスカイト太陽電池の設置状況
本実証を通して得られた知見等も活用しながら、ペロブスカイト太陽電池の市域への更なる導入拡大に向けて、引き続き、関連事業者さまとの協議・連携を進めていく予定です。
重量がある一般的な太陽電池「シリコン系太陽電池」に対し、「ペロブスカイト太陽電池」は、軽量・薄い・柔軟であるなど、既存の太陽電池には無い特性を有しており、従来の技術では設置が困難であった場所にも導入が期待される日本発の技術です。一部企業では2025年度から事業化が開始される予定です。
また、ペロブスカイト太陽電池は、材料をフィルムなどに塗布・印刷して作ることができ、製造工程が少なく、大量生産が可能なため、将来的な低コスト化が見込まれています。さらに、主な原料であるヨウ素は、我が国の生産量が世界シェアの約3割を占めており、原材料を含めた安定的なサプライチェーン構築にも寄与するとされています。
本市のような都市部においては再エネの適地が限られており、2050年カーボンニュートラルの実現を牽引する次世代型技術として期待されています。
ペロブスカイト太陽電池(出典:積水化学工業)