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記者資料提供(2025年9月16日)
地方独立行政法人神戸市民病院機構
神戸市民病院機構における医療事故の公表に関する指針に該当する事案(医療側に過失が認められるレベルA以上の事案等)は以下のとおりです。
レベル |
件 数 |
態 様 |
A |
1 |
予期しなかった、もしくは予期していたものを上回る濃厚な処置や治療の必要性が生じた場合 |
B |
0 |
予期しなかった、もしくは予期していたものを上回る永続的な障害や後遺症が残り、 有意な機能障害を伴う場合 |
C |
0 |
事故が死因となる場合(原疾患の自然経過によるものを除く) |
※ すでに公表している事案を除く。
(1)レベル:A
(2)患者:神戸市在住 50歳代 女性
(3)発生年月:2025年2月
(4)発生場所:神戸市立西神戸医療センター
(5)発生状況と経緯:
患者は2024年9月に当院産婦人科を受診。右卵巣腫瘍と診断されたが腫瘍径が小さかったため経過観察となった。同年12月の再検査にて腫瘍の増大が確認され、手術適応と判断。2025年2月に入院・手術を予定した。
手術は腹腔鏡手術により、腫瘍のある右卵巣と右卵管を摘出することとした。また、病変のない左卵巣と左卵管に関し、予防を目的とした機会的卵管摘出を提案し、左卵管を摘出し左卵巣を温存することとした。
患者は2025年2月に入院。手術当日は患者情報および手術内容を確認していたが、右卵巣と右卵管を摘出後、誤認により左卵管のみでなく左卵巣も摘出した。
(6)対応・処置:
担当医師から患者本人・患者家族に対し経緯の説明と謝罪を行った。
両卵巣の摘出により、ホルモンバランスの変化に伴う更年期症状が出現する可能性がある。術後に実施したホルモン検査では、更年期症状の出現リスクは低いと考えられる数値であるが、症状が出現した場合には、ホルモン補充療法を実施する方針である。
(7)今後の対策:
・手術前の内容確認に加え、臓器摘出操作前に執刀医と助手とで再確認した上で操作に着手することとした。
・医療安全推進室から、一件ごとの手術内容確認の徹底や再確認の必要性について、関係職員への情報共有と教育の機会を設けた。
卵巣がんの多くが卵管の上皮から発生するという近年の研究結果に基づき、卵巣や卵管に病変がなくても、自然妊娠を目指さない場合は、子宮摘出術等の腹部手術を受ける際に卵管を摘出することが推奨されている。
公表に当たっては患者ご本人及びご家族が特定・識別されないよう、個人情報の保護に最大限の配慮を行いつつ、事案の内容について一定の範囲で公表を行っています。
神戸市民病院機構における医療事故の公表に関する指針は、神戸市民病院機構のホームページをご覧ください。
<公表に関する指針>