[2020年12月7日]Yahoo!JAPAN連載「データで探求!神戸ってどんな街?」

【第8回】
新型コロナ影響で三宮市街地の人流はどう変化したのか2
~ビッグデータで見る地元志向の高まり~


こんにちは、ヤフー・データソリューション神戸市担当チームです。

前回に引き続き、新型コロナウイルス影響下における三宮市街地の人流について見ていきましょう。

 

まちのにぎわいとは

神戸市とヤフーでは、ヤフーのビッグデータを元に三宮市街地の人流を可視化し定点観測することで、再整備事業の効果検証を行っています。そこでまずは「まちのにぎわい」を表す定量的な指標を定義しました。

「まちのにぎわい」を表す指標
 

にぎわいの総量を「来訪者の総滞在時間」とし、「来訪者数」と「一人あたりの頻度・滞在時間」に分解します。これらの数値は必ずしも多ければ良いというものではなく、季節性も含めて増減を継続的に観測し、傾向をつかんで基本的なコンディションを知る点に意味があります。

 

人流が戻りつつある神戸のまち

上の指標の値を見てみましょう。点線は同月前年の水準です。3月~5月は、総滞在時間でも来訪者数でも大きく減少していたことがわかります。ただ10月の時点ではほぼ前年水準と同様です。なお一人あたり日数は3月~5月にむしろ伸びていましたが、これは不要不急の外出が減り本当に来訪しなければいけない人だけが残った結果、普段よりも高頻度に見えているものと考えられます。現在は一人あたり日数・時間の基準は安定しつつあるようです。

三宮市街地の来訪者数(指数)
図1)三宮市街地の来訪者数(指数)
資料:神戸市まちのダッシュボード(ヤフー・データソリューション)抜粋


 

データで見る地元志向の高まり

ひとくちに人の増減と言っても一様ではありません。来訪者を来訪元別に分解してみると、実は神戸市内からの来訪者は前年より上回り、近隣エリアからの来訪はほぼ前年並み、遠方県からの来訪者が大きく前年を下回っていることがわかります。Withコロナ時代の地元志向が定量データにも現れています。

来訪元別の三宮市街地来訪者数(指数)
図2)来訪元別の三宮市街地来訪者数(指数)
資料:神戸市まちのダッシュボード(ヤフー・データソリューション)抜粋

 
 

10月の三宮市街地のにぎわいの対前年比をヒートマップで見てみましょう。青い部分は前年よりも少なく、赤い部分は前年より多いことを表しています。前年並み以上に人流が戻っている赤いエリアも多い一方、新神戸駅から南下するルートの人流は前年割れしており、新幹線利用の遠方客の減少影響が見てとれます。

2020年10月来訪の対前年比ヒートマップ(指数)
図3)2020年10月来訪の対前年比ヒートマップ(指数)
資料:神戸市まちのダッシュボード(ヤフー・データソリューション)抜粋
 
 

基本指標の定点観測によるコンディションの把握は、施策検討の材料や効果検証の基盤となります。これからも、よりよいまちづくりをデータの力でサポートしていきます。