[2019年4月1日]Yahoo!JAPAN連載「データで探求!神戸ってどんな街?」

【第1回】
神戸ってどんな街?~おしゃれをして街歩きを楽しむ、おいしい街~


こんにちは!ヤフーデータフォレスト・神戸市担当チームです。

ヤフーは、神戸市との「神戸市とヤフー株式会社とのデータドリブンな市政課題解決に関する事業連携協定」にもとづいて、データを活用した新しいまちづくりに取り組んでいます。そして、ヤフーではこういったデータ活用を通じた連携をデータフォレスト構想と呼んでいます。

その取り組みの中では、神戸市に関するさまざまなデータ=ヤフーデータやオープンデータを使って街の診断を行います。すると、今まで気づかなかった、あるいはなんとなく気づいていたけど客観的には示されてこなかった神戸の街の魅力に気づくことがたくさんあります。ここではそのデータで示された神戸の街の魅力を、みなさまに随時お知らせしていきます。
 

検索クエリマップ

さて、神戸と聞いて、みなさんはどういったイメージを思い浮かべるでしょうか?記念すべき第一回(と第二回)はヤフーの検索データを使った分析をお届けします。

みなさんが検索を行うとき、どういう検索ワードを入力するでしょうか?たとえば次のお休みに神戸を訪問したいとき、まず最初に「神戸」で検索するとします。そうすると、神戸に関するさまざまな情報が検索結果に表示されます。たとえば神戸公式観光サイトや、神戸市–Wikipediaが表示されます。でも、もしみなさんが神戸に行ってパン屋巡りをしたい場合(神戸はパンのおいしい街ですね)は「神戸 パン」というように、検索キーワードを追加します。この2番目の検索ワード「第2検索ワード」が神戸のイメージや、神戸でやってみたいことを理解する手がかりとなります。

この「第2検索ワード」を使って、街のイメージを焙り出すために、ヤフーでは「クエリマップ」と呼ぶデータビジュアライズツールを開発しました。仕組みを簡単に説明しますと、一定期間、たとえばある一ヶ月間の検索ワードを集計します。そして、あるテーマとなるワードに対する第2検索ワードを、検索頻度が高いものほど大きな円で描きます。さらにそれらの第2検索ワードどうしのつながりが強いほど太い線で結びます(長さに意味はありません)。

「クエリマップ」の見方

  • 多くの人が何度も検索している=円の大きさ

  • キーワードのつながりの強さ=中心点を結んだ線の太さ

  • 色分け:女性が検索=赤・男性が検索=青・両方が検索=紫
     

検索にあらわれる神戸のイメージ

この仕組みを使って「神戸」について見ていきましょう。2018年11月のデータに対して「神戸」と入力します。すると、大小さまざまな検索ワードの塊が生成されますが、まず私たちが注目したのは、この大きな検索ワードの塊です。

検索にあらわれる神戸のイメージ

真ん中に、「観光」「お土産」「グルメ」「ランチ」「カフェ」「ステーキ」といったアクティビティの大きな円とともに、「元町」「中華街」「異人館」「北野」「オリエンタルホテル(メリケンパーク)」といった個性ある街やスポット、さらに「おしゃれ」「子連れ」「女子」といった言葉が見えます。「ランキング」や「おすすめ」といった検索が多いのは、選択肢が多様であることを示しています。そして全体に赤色が強く、女性からの関心が高いことがわかります。おしゃれな女性や家族連れが街歩きを楽しみ、多様な食を楽しんでいる様子がイメージできます。

また、このクエリマップは11月のデータをもとにしていますが、「紅葉」「ルミナリエ」「クリスマス」などの季節ごとの彩りを楽しめる街であることもわかります。

詳細をみていきましょう。この図の青い円は男性が、赤い円は女性が、紫は両方が検索する傾向が強いことをあらわしています。青は「ラーメン」「焼肉」「ステーキ」「餃子」ガッツリと豪快に楽しめる食、赤は「カフェ」「スイーツ」「ケーキ」「お菓子」「モーニング」「朝」「パン」といった上質な時間をおもわせるキーワードがならびます。紫は万人に愛される「中華街」「南京町」「中華」と、まさにテッパンのラインナップですね。

他都市とざっと比較すると、「観光」「グルメ」などは共通する要素となりますが、「カフェ」「スイーツ」「ステーキ」「おしゃれ」「子連れ」「女子」女性からの関心の高さが特徴といえそうです。

新しい市政のプラットフォームであるUrban Innovation KOBEでは、「洋菓子の街歩きを楽しくする!神戸スイーツの革新的プロモーション実証実験」が提案されています。主催する神戸市経済観光局によると、神戸市の人口一万人あたりの店舗数は1.8店と群を抜いて多いようです。確かに神戸といえばスイーツの印象がありますが、実際に検索され、また店舗も多いことがわかると説得力がありますね。

洋菓子の街歩き
 

そして、さらに細かく見ていくと、そこかしこに見逃せない動きが。たとえば「もつ鍋」。もつ鍋といえば福岡博多というイメージがあり、実際に福岡という検索に対して非常に大きな関連性を持っていますが、神戸にも出現。歴史ある中華(中国から)や洋菓子(ヨーロッパから)のみならず、このように美味なるモノがあちこちから流入しています。それは神戸が歴史的にも交通の要衝で、さまざまな地域の人が交流する場所であり続けてきたからでしょう。

次回は、この交通の要衝である神戸を、引き続き検索クエリマップで解剖していきます。お楽しみに!