PROFILE

都市局
都心再整備部都心三宮再整備課
平成27年度入庁/環境人間学研究科修了

兼松 愛佳

KANEMATSU AIKA

QUESTION.1

なぜ特別枠を受けようと思いましたか?

学生のときは建築学を専攻し、「伝統的建造物の保存」や「空き家問題」などの研究に取り組みました。就職活動ではハウスメーカーや設計事務所を中心に検討。研究室の教授から「公務員のほうがあっている」と勧められましたが、「公務員は地味で面白くなさそう」という偏見から検討しませんでした。それでも、研究室の教授が特別枠の資料を持ってきて、「神戸市なら公務員試験対策をしなくても受けられるぞ」とあまりに強く勧めてくださる、それならちょっと調べてみようかなと。そこではじめて「デザイン都市の推進」や「北野の景観整備」などをしていることを知り、「行政にしかできない建築分野の仕事をしてみたい」と、公務員に進路を切り替えました。

QUESTION.2

今どんなお仕事をされていますか?

阪神・淡路大震災から25年以上が経過し、復旧復興を成し遂げた神戸では、官民一体となって新たなまちづくりに取り組んでいます。それが、都心・三宮の再整備。三宮駅を中心に半径500mのエリアを対象に、「新たなバスターミナルの整備」や「新たなランドマークとなるビルの建設」など、いくつもの計画を進行。その中で私は「えき≈まち空間の整備」を担当。現在の三宮駅周辺は人のための広場空間がないことや、幹線道路によってえきとまちが分断されていて「乗り換え動線がわかりくい」「駅から周辺のまちへのつながりが希薄」など、いくつか課題があります。そこで、周辺の建物や道路を一体的に整備し、「三宮クロススクエア」を創ることで、歩行者の回遊性を高めたり、憩いの場を創り出すことが狙いの一つです。私は神戸市役所の建築担当として、庁内外の関係機関や鉄道事業者などの民間企業の方々と日々協議や調整をおこなっています。10年以上にわたる大きなプロジェクトなので、日々成果が見えるわけではありませんが、神戸の玄関口ともいえる三宮のまちづくりに自分が携わっていることに誇りを感じます。

QUESTION.3

これまでで一番成長を感じた仕事は?

入庁2年目のとき、若手がプロジェクトチームをつくって、やりたいことにチャレンジするという研修がありました。そこで、前々から興味のあった「茅葺(かやぶき)民家」の問題について取り組むことにしたんです。神戸には約800棟の茅葺民家があり、ショップやカフェとして再利用する人たちが増えています。でも、実は古民家の再利用には「消防設備をつけないといけない」「このエリアでは物販禁止」など、さまざまな法規制があり、簡単ではありません。もしそれらの法規制をわかりやすくまとめた取扱説明書があると便利だなと思い、全国の茅葺民家の先進的な取り組みを1年かけて調査し、翌年は実務として取扱説明書をつくることができました。大変でしたが、私自身、法令に詳しくなりましたし、完成した「こうべ茅葺トリセツ」は他府県の方からも問い合わせがくるなど、庁内外から高く評価していただきました。

QUESTION.4

神戸市職員になって良かったことは?

仕事の面でいうと、幅広い業務を経験できることです。設計、まちづくり、文化財、法令など、一口に建築といっても、幅広い業務に携わることができます。神戸市はだいたい3年周期で異動があるので、最初は浅い経験しか積めないかもという不安がありましたが、建築をいろいろな切り口で経験できるのでしっかり成長できます。 あとは、ワークライフバランスが取れているので、プライベートも充実しています。
 フットサル、ゴルフ、釣り、キャンプ、バイクなど、趣味が年々増えていきます。

QUESTION.5

これから挑戦してみたいことは?

まずは三宮再整備をしっかりと進めて、新しい神戸の土台をつくっていきたいです。そしてゆくゆくは、学生時代に研究していた「文化財の保全活用」や「空き家問題」にも取り組んでみたいですね。文化財の保全活用に関しては、地域に眠る歴史的文化遺産を発見し、保存し、活用し、まちづくりに活かす専門性を持つ「ヘリテージマネージャー」という資格があり、今はその資格取得に向けて勉強中。成長し続けることで、神戸市の発展に貢献して
いきたいです。