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食品の栄養成分表示を活用しましょう

最終更新日:2023年8月22日

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栄養成分表示とは

栄養成分表示の例食品に「どのような栄養成分」が「どのくらい含まれているか」を、一目でわかるようにしたものを『栄養成分表示』といいます。(左の画像参照)
栄養成分表示には、【熱量、たんぱく質、脂質、炭水化物、食塩相当量】の5項目が基本的に表示されていますが、5項目に加えて、他の栄養成分が表示されている場合もあります。

お店に並ぶ多くの食品の中から、健康や栄養を考えて食品を選ぶ際、目安となるのが『栄養成分表示』です。
自分に必要な量のうち、選択した食品からどの程度摂取しているかなど、栄養成分表示を上手に活用することが健康的な食事の摂取につながります。

2015年(平成27年)4月より、食品表示に関して新しい制度(食品表示法の食品表示基準)が始まり、【容器包装に入れられた加工食品や添加物】には、栄養成分表示が必ず表示されるようになりました。(対象外のものもあります)
ただし、2020年(令和2年)3月31日までに製造されるものには、以前の制度(健康増進法の栄養表示基準)に基づく表示もあります。

栄養成分表示の活用方法

性・年齢・日常の活動量などによって、必要なエネルギー量や栄養量が異なります。自分に必要な量を把握し、栄養成分表示を活用することで、バランスのよい健康的な食生活を心がけましょう。

ここでは、「健康な30歳代女性、立位の接客業をしている人」の場合を例としてみてみましょう。

自分に必要なエネルギー量及び栄養量の算出

熱量(エネルギー)

熱量(エネルギー)は生命機能の維持や身体活動に利用されます。エネルギー摂取量がエネルギー消費量を上回る状態が続けば体重は増加して肥満や生活習慣病の原因になり、逆に、エネルギー消費量がエネルギー摂取量を上回る状態では体重が減少してやせの原因になります。健康の保持・増進や生活習慣病予防のためには、エネルギー摂取量とエネルギー消費量のバランスが大切です。

1.自分に必要なエネルギー量の目安を知りましょう。
1-1:普段の活動量は、次のうちどれにあたるか確認しましょう。

各身体活動レベルとその内容
身体活動レベル 日常生活の内容
Ⅰ(低い) 生活の大部分が座位で、静的な活動が中心の場合
Ⅱ(ふつう) 座位中心の仕事だが、職場内での移動や立位での作業・接客等、
あるいは通勤・買い物・家事、軽いスポーツ等のいずれかを含む場合
Ⅲ(高い) 移動や立位の多い仕事への従事者、あるいは、スポーツ等余暇に
おける活発な運動習慣を持っている場合

→身体活動レベルは、「ふつう」と推定される。

1-2:自分に必要なエネルギー量の目安を確認しましょう。

推定エネルギー必要量*(キロカロリー、1日あたり)
性別 男性 女性
身体活動レベル
18~29歳 2,300 2,650 3,050 1,700 2,000 2,300
30~49歳 2,300 2,700 3,050 1,750 2,050 2,350
50~64歳 2,200 2,600 2,950 1,650 1,950 2,250
65~74歳 2,050 2,400 2,750 1,550 1,850 2,100
75歳以上 1,800 2,100 1,400 1,650

→1日に必要なエネルギー量の目安は、2,000キロカロリー

たんぱく質、脂質、炭水化物

たんぱく質、脂質、炭水化物は体内で熱量を産生します。栄養成分表示の熱量もこの3つの栄養素から算出されています(たんぱく質1グラム=4キロカロリー、脂質1グラム=9キロカロリー、炭水化物1グラム=4キロカロリー)。熱量は量だけでなく質も大切であり、どれかの栄養素に偏らないようバランスよく摂取しましょう。

1.自分に必要なたんぱく質、脂質、炭水化物の目標量*を算出しましょう。(男女共通,18歳以上)

目標量*(パーセントエネルギー)
  18~49歳 50~64歳 65歳以上
たんぱく質 13~20 14~20 15~20
脂質 20~30
炭水化物 50~60
たんぱく質:エネルギー量の16.5パーセントを目標量とすると、

→1日に必要なたんぱく質の目安は、2,000キロカロリー×(16.5/100)÷4キロカロリー=約83グラム

脂質:エネルギー量の25パーセントを目標量とすると、

→1日に必要な脂質の目安は、2000キロカロリー×(25/100)÷9キロカロリー=約55グラム

炭水化物:エネルギー量の58.5パーセントを目標量とすると、

→1日に必要な炭水化物の目安は、2,000キロカロリー×(58.5/100)÷4キロカロリー=約293グラム

食塩相当量

食塩の摂り過ぎは高血圧と関連し、心疾患や胃がんのリスクも高めるなど、生活習慣病の原因となります。新しい食品表示制度では、「ナトリウム」の量が「食塩相当量」(ナトリウム(ミリグラム)×2.54÷1,000=食塩相当量(グラム))で表示されるようになり、食塩の摂取量を管理するのに役立てやすくなりました。食品に含まれる食塩相当量を確認し、食塩を摂り過ぎないよう注意しましょう。

1.食塩相当量の目標量を確認しましょう。(18歳以上)

食塩相当量目標量*(グラム)
男性 女性
7.5未満 6.5未満

→1日の食塩相当量の目標量は、7.0グラム未満

*参照:「日本人の食事摂取基準(2020年版)」(厚生労働省)

栄養成分表示の活用方法例

本例「健康な30歳代女性、立位の接客業をしている人」の昼食の場合

A弁当とB弁当の栄養成分表示例

A弁当とB弁当の比較表
  1日の目標とする量 〈A弁当を選択した場合〉
1日の目標量に対する割合(パーセント)
〈B弁当を選択した場合〉
1日の目標量に対する割合(パーセント)
熱量 2,000キロカロリー 41 35
たんぱく質 83グラム 40 36
脂質 55グラム 57 33
炭水化物 293グラム 34 36
食塩相当量 6.5グラム未満 51 32

〈A弁当を選択した場合〉
1日の目標とする量の約半分の「脂質」や「食塩相当量」をとってしまう。

〈B弁当を選択した場合〉
1日の目標とする量の3分の1程度の量でバランスもとれている。

→B弁当を選ぼう!
でも、A弁当を選ぶ場合は、夕食は脂質や食塩相当量が少ない食事になるよう気を付けよう!

活用ポイント

栄養成分表示は、「100グラム当たり」や「1食(○○グラム)当たり」、「1包装当たり」など表示単位が様々です。
食品選択の際は、表示単位を確認してから比較しましょう。

栄養強調表示

食品の容器包装に、「○○たっぷり」や「○○入り」、「低△△」、「ノン△△」などの表示を見たことはありませんか?
これらは栄養強調表示と言い、対象となる栄養成分がそれぞれの基準を満たしていれば表示できるようになっています。

「ノンカロリー」って本当に0キロカロリー?

容器包装に「ノンカロリー」と記載がある場合の栄養成分表示の例必ずしも0キロカロリーとは限りません。
食品100ミリリットル当たり(100グラム当たり)「エネルギー5キロカロリー未満」であれば「ノンカロリー」と表示できます。
また、食品100ミリリットル当たり「エネルギー20キロカロリー未満」(食品100グラム当たり「エネルギー40キロカロリー未満」)であれば「カロリーオフ」と表示できます。

「うすしお味」って食塩相当量の基準値はある?

ポテトチップスに「うすしお味」と記載されている例基準値はありません。
「うすしお味」や「甘さひかえめ」などの表示は、塩味が抑えられている、又は、甘さが抑えられているという【味覚に関する表示】であるので、栄養表示にあたりません。
「あま塩」、「うす塩」、「あさ塩」や「糖類控えめ」などの表示は、食塩が少ない、又は、糖類が少ないという栄養表示にあたるので、それぞれ基準値を満たしている場合に表示できます。

活用ポイント

容器包装に「ビタミンA供給」と記載されている例「△△が入っていないから大丈夫。」や「○○がたくさん入っているから体によい。」と思ってその食品をたくさん摂取していませんか?必要以上の摂取は、栄養強調表示されている栄養成分やそれ以外の栄養成分の過剰摂取につながる可能性もあります。
栄養強調表示の文言だけにとらわれないよう注意し、バランスのとれた食生活を心がけましょう!

食品表示についてさらに詳しく知りたい方は

栄養成分表示の活用について、わかりやすく動画で紹介しています(消費者庁)

お問い合わせ先

健康局保健所医務薬務課