石棒(せきぼう)
時代 | 弥生時代前期 |
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出土場所 | 大開遺跡 |
使用用途 | 祭祀具 |
素材 | 石(結晶片岩) |
寸法 | 全長96.5cm(復元)、最大幅8cm |
この資料についての説明
大開遺跡は、六甲山南麓の沖積地内の標高約4メートルの微高地上に立地しています。発掘調査の結果、短径40メートル×長径70メートルの楕円形の環濠集落であることが明らかになりました。
石棒は、縄文時代から弥生時代前期頃の祭祀(さいし)に使われたと考えられている棒状をした磨製石器です。子孫繁栄や豊穣(ほうじょう:穀物などが豊に実ること)を祈願した呪術的な道具であると思われます。
この石棒は、結晶片岩製で、粉々に割れた状態で出土しています。これは、石棒を放棄する際に、細かく破砕してから、土器などと一緒に捨てられたと考えられています。復元すれば、全長は1メートル前後になると推定できます。
石棒は、神戸市内では、大開遺跡の他に、縄文時代のものとしては、篠原遺跡・北青木遺跡・淡河中村遺跡、弥生時代のものとしては、戎町遺跡などで出土しています。