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常設展示のご紹介

奈良・平安時代:地方の役所

役所の建物と働く人々 7世紀ごろになると、法律がまとめられ、都がつくられました。そして、全国を今の県・市のように国・郡(評)・里に分けて地方に役所が置かれました。
吉田南遺跡は、奈良時代から平安時代の明石郡の役所(郡衙)と考えられ、整然と建ち並ぶ建物の跡や当時の人々が働く姿を想像させる遺物が見つかりました。

役所に関する遺物役所に関する品々

吉田南遺跡出土の木簡 木簡とは、紙が少なく貴重であった時代に、紙のかわりに木の板に字を書いたものです。また、木簡は消しゴムのかわりに小刀で削って、なんども使われたものもあります。 * ご飯(ほし飯)の支給あるいは貯蔵に関する記録で、『『ふじえのさと』の『ふじ』の旧字江里(ふじえのさと)』と書かれているのは、現在の明石市藤江にあたると考えられます。

吉田南遺跡出土の木簡吉田南遺跡出土の木簡

奈良・平安時代:村のくらし

建物と集落 人々は古墳時代までの竪穴住居から、掘立柱建物とよばれる柱を直接地面に埋めて建て、草や板を葺いた家に住むようになります。そして、農業技術などの発達により、市内では平安時代ごろから各地で多くの新しい集落が営まれるようになります。 くらしの道具 農業や漁業、手工業などが発達するにつれ、多くの村でこれらの仕事を専業にする人々があらわれました。そして、さまざまな道具が作られ、使われるようになりました。遺跡からは食器などの日常生活に使われた道具や、農具、漁労具、鍛冶の道具などの生産に使われたものが見つかっています。

集落くらしの道具くらしの道具

まつり 人々は、さまざまな災いをさけ幸福な生活を送るために、いろいろな『まつり』をしていました。遺跡からは、井戸の水が豊かに沸くことや、疫病をさけるために納められた木札や土器などが見つかっています。また、家を建てる時に土地の神のたたりを受けないように納められた銭や土器などが見つかっています。

まつりに使われた道具まつりに使われた道具

奈良・平安時代:祈りと信仰

いろいろな墓 奈良時代になるとそれまでの大きな墓から小さな墓がつくられるようになります。そして、仏教のひろがりとともに火葬も行われるようになりました。火葬の墓は、遺骨を壺などに納めます。また、土葬の墓では、木の棺に食器などを供えたものもあります。

いろいろな墓火葬や土葬に使われた道具

滝ノ奥経塚 経塚は仏教のお経を書き写したものを容器に入れ、供養して土中に納めたものです。滝ノ奥経塚では、経典を入れた容器(経筒)を石室の中に納め、まわりには11面の鏡をはじめ、中国製の焼き物(合子)や鉄製の小刀、銅銭などがいっしょに納められていました。この経塚は平安時代終わりごろにつくられたようです。

滝ノ奥経塚滝ノ奥経塚で発見された経塚

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