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最終更新日:2023年9月21日
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第3回神戸市都市デザイン賞では、2016(平成28)年に市民のみなさまから推薦された作品の中から、選考委員会の選考を経て、まちのデザイン部門7件、地球にやさしいCASBEE建築部門3件、まちの魅力発信部門10件の受賞作品を決定しました。
第3回神戸市都市デザイン賞受賞を記念し、以下の日程でパネル展を行います。
建築主 | 公益財団法人 竹中大工道具館 |
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設計者 | 株式会社 竹中工務店 大阪本店 |
施工者 | 株式会社 竹中工務店 神戸支店 |
建築主 | 学校法人上智学院 六甲学院中学校・高等学校 |
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設計者 | 株式会社 日建設計 |
施工者 | 株式会社 錢高組 |
建築主 | 六甲山観光株式会社 |
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設計者 | 三分一博志建築設計事務所 |
施工者 | 株式会社 鴻池組 大阪本店 |
建築主 | 株式会社 川上商店 |
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設計者 | 森崎建築設計事務所 |
施工者 | 株式会社 一級建築士事務所 山本工務店 |
建築主 | 大前 延夫 |
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設計者 | 株式会社 いるか設計集団 |
施工者 | 有限会社 あかい工房 |
建築主 | 神戸市教育委員会 |
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設計者 | 株式会社 エーアンドディー設計企画・株式会社 桝谷設計 共同企業体 |
施工者 | 柄谷・中田特定建設工事共同企業体 |
建築主 | 鹿島リース株式会社 |
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設計者・施工者 | 鹿島建設株式会社 |
建築主 | 三井不動産レジデンシャル株式会社 |
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建築主 | JR西日本不動産開発株式会社 |
設計者 | 株式会社 アクアス設計 |
設計者 | 大鉄工業株式会社 一級建築士事務所 |
施工者 | 大鉄工業株式会社 |
大賞
「暮れ行く」神垣 智直
準大賞
「愛を語る場所」新谷 晃
佳作
「掬星台」小田 広志
「高取山から空・海・神戸」冨山 綾子
「Rainbow time」前中 茂樹
佳作
「未来へ発進」上杉 裕昭
「幻想的な六甲アイランド・リバーモールと神戸ファッション美術館」後藤 正
「長田の街並みと海と電車」櫻井 勇仁
神戸市内の市民に親しまれている、または神戸にふさわしい建築物に与えられる賞です。
神戸・六甲山の麓に建つ、創設30周年を機に移転・新設した日本で唯一の大工道具の博物館。
背後の六甲山からつながる緑の豊かなロケーションを活かすため、建物は地上1階、地下2階として存在感を抑え、敷地にあった茶室は残し、樹木の伐採も最低限に留めている。
消えつつある伝統的な大工道具とその技術を民族遺産として収集・保存し、さらに研究・展示を通じて、職人の技術を後世に伝えていくことを目的としていること、建築自体が、構造的にも、意匠の面でも、先進性に富むと同時に、敷瓦・土壁・漆喰壁・名栗板扉など、伝統的な技術を現代の建築技術に応用することで優れた内外の空間を生み出していることから、文化賞にふさわしい建築である。
神戸市灘区の山麓に建つ中高一貫教育の私立男子中学校・高等学校。
創立75周年を機に耐震化と機能充実を目的として旧本館を建替えた。
建替えにあたり、六甲の山並みを背に建つ神戸ならではの佇まいを踏襲し、長年親しまれた風景が変わらぬよう工夫されている。
建物のデザインは六甲の山並みと調和しており、内部空間からの眺望がすばらしい。
廊下の床仕上げに洗い出し仕上げをもちいるなど、内装材料も旧校舎と変わらぬ手仕事による仕上げを採用し、吹き抜け部分北側の壁には旧校舎の教室床材を使用するなど、旧校舎の印象を巧みに継承している。
「山の上に立つ一本の大きな樹」をコンセプトとした自然体感展望台。
六角形を基本としたヒノキの枠(枝・葉)により構成される葉脈状の網目のドームが覆い尽くす独自の形状で、六甲山の山並みのなかでオリジナリティのある景観スポットとなっている。
ほとんど電力を使わず、太陽光、風力などの自然エネルギーを活用されており、内部の氷室には冬季に氷が蓄えられ、夏季には空調を利用せずして吹き抜ける風により涼しさを体感できるよう工夫されている。
建築後、時間をかけて人々に親しまれ、六甲山のシンボルとして定着したことで、この度の受賞となった。
有馬・湯本坂にある室町後期創業の老舗佃煮屋『川上商店』の新店舗として建てられた山椒専門店。
周辺のまちなみのスケールに応じて、勾配屋根を採用し、木製の建具を使用することで有馬の雰囲気を醸し出すなど、湯本坂の伝統的なまちなみに調和した外観の意匠に配慮している。
一方、火災時の延焼止めとして敢えて鉄筋コンクリート造で建築されており、地域全体の防災施設としての役割も担う。
景観形成や防災拠点など、新しい建築物が伝統的なまちなみのなかで、担うべき役割を示唆するものとして評価される。
既存建築物を転活用・改修するなど、全部あるいは一部をうまく活用している建築物に与えられる賞です。
神戸市の登録文化財である大前家住宅は、新名神高速道路の建設のために移築されたもので、近隣の茅葺民家が次々と姿を消す中、文化財としての価値を守りつつ、現代の住まいとして今後も永く住み続けられる家として、移築によりよみがえった。
伝統工芸、自然素材、古材を可能な限り採用し、地域に根ざしてきた茅葺民家を現代に受け継ぐ一方で、若き職人たちにより、内部の細かなところに遊び心や新しい形、色彩の工夫がなされ、未来につながる積極的なデザインが導入されている。
また、専用住宅でありながら、お茶会やコーラス・伝統民家の改修事例としての公開などイベントを開催し、地域のシンボルとして茅葺民家の保存活動を広める拠点となっている。
神戸市内で実施している景観まちづくりに関する取り組みなどに与えられる賞です。
美しい街岡本協議会は、1982(昭和57)年の発足以来、景観まちづくりに取り組んでおり、2009(平成21)年度から屋外広告物のルール&ガイドラインの検討に着手し、2016(平成28)年3月に施行された。
建築物に関するガイドライン策定はこれまでもあるが、広告物に関するガイドライン策定は、例がなく、景観まちづくりの成果として意義がある。
このルール&ガイドラインは、屋外広告物の種類や通りごとに、設置位置、設置数、サイズ、文字の大きさを定めるなど詳細な事項にまで及んでおり、協議会による主体的な取り組みと合意形成への持続的な努力が基礎にあるからこそできる内容となっている。
地域住民が主体となって景観まちづくりに取り組み、最終的に神戸市の景観計画として定められた点が評価できる。
神戸市の「まちなか防災空地整備事業」を活用し、3つの連担する敷地において、老朽空き家を撤去した跡地を広場にし、空き地対策の一環としてうまく活用しているとともに、1m程度しかなかった通路を拡幅し、緊急車両が通れるようにするなど、日常の生活環境を改善するとともに、防災面の向上を図った取り組みである。
地域住民の地道な取り組みによって、段階的に防災空地が広がっていった点、そして地域住民の維持管理が常に行き届いている点から、この空間に対する地域住民の想いが感じられる生活景の形成が実現されており、景観まちづくりの成果として評価できる。
おおむね3年以内に完成した神戸市内の建築物で、神戸市建築物総合環境評価制度で定める基準による評価が優秀であるとともに、環境配慮等の点で特に優れた取り組みを行っていると認められるものに与えられる賞です。
兵庫区北部東地域および中央区の4小学校を統合した小学校である。
敷地内には自由通路が設けられており、植栽を有効に配置することで、地域と一体となった開放的な空間を創り出している。
校舎棟は、教室の南側採光を確保するために、E字形の校舎配置となっており、中庭から教室に安定的な採光を確保すると共に、中庭となる部分には低学年の遊び場としての機能をもたせている。
周辺環境及び教育環境への対応など、CASBEE建築賞として高い評価を得た。
祇園小学校の「祇」は、正式にはネ偏となります。
神戸医療産業都市を推進するポートアイランドにおいて、革新的新薬の創造に取り組む企業の本社である。
CASBEEによる評価では、最高ランクのSを獲得している。
1階は全面ガラス張りで光が差し込む開放的な空間とし、2階から上階は分節化したボリュームとリブデザインで力強さを表現している。
建物の周辺には豊かな緑を配し、近隣に潤いのある景観を形成している。
また、緊急事態に備えた事業継続計画(BCP)のために、免震構造・液状化対策プレストレスRC杭・72時間非常用発電設備等を採用している。
これらの優れたデザイン・景観・構造の共存が、CASBEE建築賞の受賞につながった。
おおむね3年以内に完成した神戸市内の集合住宅等又は一戸建て住宅で、神戸市建築物総合環境評価制度又は神戸市すまいの環境性能表示の重要項目において特に優れた取り組みを行っていると認められるものに与えられる賞です。
2016(平成28)年3月に開業した摩耶駅から徒歩数分のところに位置する分譲マンション。
空の筋雲や爽やかな透明感をイメージした白いライン状のフレームで構成され、山並みに呼応する六甲の自然に溶け込んだデザインとなっている。
屋上には太陽光パネルが設置され、昼間の共用部電力を削減するとともに、各戸にはエコジョーズを採用し、省エネ・地球温暖化対策に貢献している。
また、敷地内の一部には打水ブロックを採用し、温度上昇を抑えるなどの地球環境への負荷を抑制する配慮もおこなっている。
これらの摩耶シティ一体の取り組みがすまいの環境性能賞に相応しいものと高く評価された。
「神戸らしい眺望景観50選.10選」のうち、ビューポイントサインが設置された場所から撮影された写真で、市民にその魅力を伝え、ビューポイントに誘うもの
ビューポイントサインの存在を広めることができ、「このビューポイントに行ってみたい!」と思える、今回のテーマが十二分に表現されている作品。
ビューポイントサインを巧みに構図に取り込み、なおかつ雲の流れで臨場感たっぷりに表現されている。
ビーナスブリッジがハートを連想させるアングルが秀逸で、カップルを風景として取り込んでいるところがポイント。
夜景の美しさがよく表現されている。
一般的に撮影するスポットとは違う視点で切取られていて、ちょうどポートタワーが見えるポイントから撮影されており、新たなビュースポットとして紹介できる作品。
夜景の印象が強い掬星台で朝の風景(初日の出)はインパクトがある。
ビューポイントを表現する為に、そこに集う人々を撮影したところが面白く、初日の出のオレンジからブルーのグラデーションの色合いは、朝の空気が澄んだ様子を感じることができる。
登山家・加藤文太郎が見ていた風景として感じた、長い間あり続けたビューポイントを改めて表現している。
山から撮る景色として高取山からのアングルは、鳥居を取り込むことで、神戸の「和」をあらためて感じることができる。
市民にもあまり知られていない雌岡山からの夜景がよく表現されており、新しいビューポイントを発掘し、素敵な構図に仕上げている。
明石海峡大橋が虹色にライトアップされる時間に合わせて撮影しているところに、応募者の想いが感じられ、手前の溜池が西区らしい。
テーマ1以外の場所で撮影された写真で、神戸の景観の魅力を再発見できるもの
群衆が入ることで躍動感のある写真となっており、手前をシルエットにしたところが映画のワンシーンの様。
雨の日にこの構図で切り取っていることがすばらしく、まさに新しい景観の再発見となっている。
ビューポイントというテーマとしてはどうか?という意見も出たが、何気ない日常の神戸らしさがでている作品。
船から見た神戸のアングルが、今から上陸するというワクワク感をうまく表現できており、ビュースポットして提案した作者の発想がいい。
船の舳先を入れ込むことで一人称視点が表現されており、神戸の景観を大パノラマで見ることができる作品。
インパクトのあるアングルで、橋の伸びていく様子がタイトルによくあっていて、躍動感がある。
神戸のシンボルになる橋といえば「神戸大橋」と思える、新たな魅力が表現できている。
長時間露光によって時間の流れを感じることのできる作品で、全体をハイキーにすることによって未来感がよく表現されていて幻想的。
六甲アイランドの夜を散歩して出会う、ライトアップの風景を綺麗に表現していて、水面に映る光が美しい。
クリアな空気感がよくでている作品。
神戸の特徴的な地形が写真にうまく納まっており、神戸にこのような場所があることを再発見できる作品。
さりげない風景ながら、神戸市民にとってはザ・神戸的な写真に仕上がっており、作者の意図通りに表現されている。
神戸市都市デザイン賞では、受賞作品を表彰しています。
第3回神戸市都市デザイン賞では、2016(平成28)年12月10日(土曜)に表彰式を行いました。
また表彰式とあわせて、プロのカメラマンによるまちの魅力を伝える撮影方法等をお聞きする写真学校と、受賞作品である竹中大工道具館の見学会を実施しました。