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/インタビュー/地域住民が協力して子どもの安全を守る『見守り隊』が今日も街の平和を守ります。

地域住民が協力して子どもの安全を守る『見守り隊』が今日も街の平和を守ります。

平成30年2月15日現在

Q
いつごろ、どういったきっかけで活動を始められたのですか。

須磨区清水台に大規模マンションが建ち始めた20年前頃から、たくさんの子どもたちが花谷小学校へ通い始めました。通学路には道路を横断する危険はないものの、花谷小学校・東落合中学校への坂道と、地元で「160階段」と呼ばれる一角は、見通しが悪い上に勾配がきつく、児童・生徒以外の人通りがほとんどありませんでした。見通しが悪く不審者が発生することもあったことから、保護者からは不安の声が上がり、平成17年、清水台の各自治会が中心となり「花谷小学校の学童を見守る会」を発足させました。県立須磨東高校の敷地内に見守りの拠点となる「学童交番」を開設し、PTAと協力して登下校見守り活動を始めました。

以後「学童見守り支援会」として活動を続け、平成27年に活動とメンバーを引き継ぎ、「清水台防犯委員会」を設立しました。さらに平成29年からは清水台の敬老会「清寿会」メンバーの協力も得て、保護者と共に有志十数人がローテーションで毎日2人ずつ見守り活動に参加しています。

Q
現役世代の男性が活動の中心になっているのは珍しいケースですね。

子どもたちの安全を見守るのはお母さん方を中心にした女性の役目?そんなことはない!現役世代の男性にも何かできることがあるはずと考え、通学路の清掃や草刈り、樹木の伐採活動を始めました。落ち葉で滑ったり、茂った樹木が視界を遮ったりするのを防止するのはもちろん、綺麗にすることで犯罪の抑止力になるのは間違いないと考えたのです。
その翌年からは、朝の声かけ挨拶運動を始めました。有志が出勤時間を30分だけ早めて、出勤途中に見守りの腕章を付け、駅へ向かう道で子どもたちに「おはよう」と声をかけるというほんの小さな活動です。忙しいからできないと言ってしまえばそれで終わりですが、できる人が小さなことでもいいから続けていくことに意味があると思っています。その他、お祭りやイベントなどの警護活動も続けています。
働き盛りの男性にとって自分が住む街でコミュニティを作るのは難しいことですが、こういった活動を通して顔見知りになり輪が広がることで、万が一の災害発生時等にも協力体制がつくりやすくなるのではないでしょうか。活動後の親睦を兼ねた一杯も楽しみのひとつです(笑)。

Q
防犯カメラの設置はいつから始めたのですか。

平成27年から通学路に防犯カメラの設置を開始し、神戸市や兵庫県からの補助のほか、自治会、各種団体からの支援、個人の寄付などで、2年間で20台以上の設置が完了しました。
設置後のメンテナンスには、「清水台防犯委員会」メンバーが積極的に参加し、通勤途中などに目視して不具合を発見した場合は連絡してくれます。
3カ月に1回の定期点検は脚立を持って2人1組で回っています。

Q
休憩所も設置されていますね。

雨の日も風の日も、夏の炎天下も、極寒の日も…見守り活動に天候は関係ありません。PTAの方は、学童交番のモニターで監視しながら、子どもたちが通る時間になると持ち場に就きます。「天気の悪い日などは、学童交番があるお陰でとても助かっています」と言っていただいています。
ところが、清寿会の持ち場は坂の途中で、休憩できる場所が何もありませんでした。そこで、神戸市にベンチ設置をお願いし、平成29年5月に完成しました。さらに地元住人の協力と支援を得て、同年11月上屋も設置しました。幹線道路から見通しが良く、坂の下からもよく見える場所にあるこのベンチは誰でも利用できます。清寿会会長の久山さんは、「ここに人が居るというだけでも、犯罪を抑止できるはずです。」とおっしゃっています。

Q
地域の皆さんに協力いただくようになった経緯は。

地域の活動に熱意を持ち、子どもたちの安全・安心を守ってくれる現役世代の男性を見つけたら、白羽の矢を立てます(笑)。井上さんは、通学路にある酒屋さんのご主人です。防犯カメラ設置の依頼を受けたことをきっかけに、清水台防犯委員会の活動に参加いただくようになりました。「店に置いているお菓子を買いに来るので、子どもたちとは顔見知りです。中には、用事もないのに入って来る子もいますけどね」と笑っておられます。通学路でも「おじちゃん、なにしてんのー?」とたくさんの子どもたちが集まってくる様子から、その人気ぶりがうかがえます。井上さんは店番の合間を見て、防犯カメラのメンテナンスや見守り活動、清掃活動に積極的に参加していただいています。

地元企業で働く安藤さんは、「大人が活動に参加して地域のことを知ることで、子どもたちも自分たちが暮らす街に愛着を持ってくれる」と協力いただいています。子どもさんが小学生低学年のころ、通学路の階段で転んで泣きながら帰ってきた経験があり、大人の目で見守ってあげることが大切だと感じたのだそうです。自身が育った須磨区内の地域でも住人たちが協力するのは当たり前だったので、特別なことをやっているとは思わないとのこと。安藤さんは今年度、「須磨区防犯リーダー」の認定を受け、今後の活動の中心になっていただけると期待しています。

花谷小学校の先生も、「私たちは週1回、木曜日だけしか付き添えません。学校側からお願いしたわけでもないにもかかわらず、防犯委員会やPTA、敬老会の皆さんには自主的な防犯活動を行っていただけることになったと聞いています。感謝しています」と言っていただいています。

Q
今後の活動についてお聞かせください。

現在「清水台防犯委員会」は、約65名の現役世代の男性が中心になって活動しています。今後は、自分の子どもがいる、いないにかかわらず、見守り活動をはじめ、防犯活動に意欲を持ち地域の安全・安心を考えていただける人を、小学校区を越えて広く募集していこうとしています。

防犯カメラの設置によって犯罪抑止力はかなり強固なものになったと自負しています。しかし、それだけに頼ることなく、地域一体となって心が通い合う防犯活動を続けていきたいと思っています。

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