
八馬汽船(はちうまきせん)株式会社 経理部 山脇さん(30歳・写真左) 高砂市出身。2015年に入社。前職は倉庫業。一押しランチは、三宮の地下街にある出汁の香り立つカツ丼店。中華街へ行くこともあります。
船舶運航管理部 山本さん(32歳・写真右) 三重県出身。2018年に入社。海沿いの町で、両親が営む釣堀の手伝いをしながら育ちました。一押しランチは、三宮の地下街にあるカウンターだけのハンバーグ店。ソースマヨと月替わりをローテーションしています。
どんな会社ですか?
時代とともに様々な仕事が生まれていきますが、昔も今も「モノを運ぶ」仕事は人々の暮らしを支え続けています。
自動車が登場する以前、物流の中心を担ったのは水運でした。米穀商の八馬屋は江戸時代に灘で仕込んだ日本酒を杉樽に詰め、船で運んでいたこともあり、1878年に本格的に海運業に進出。八馬汽船(はちうまきせん)株式会社は始まりました。
現在は自社船を運航する「船舶運航事業」と、主に筆頭株主である日本郵船グループの保有船を預かる「船舶管理事業」を行っています。
「船舶運航事業」は、紙の原材料となる木材チップ輸送に特化。チップ輸送量では、日本海運業界の大手3社に次ぐ国内第4位を誇ります。出荷元は、世界有数の木材生産地である東南アジアを中心にオーストラリア、チリ、北米など。総重量30,000t 超の巨大なチップ専用船で、日本の製紙メーカーへ輸送しています。また近年では韓国、台湾、中国、インド向けの輸送や、環境負荷の低いバイオマス発電用のチップ輸送を展開しています。

「船舶管理事業」では鉄の原料である鉄鉱石、火力発電に用いる石炭などを運搬する「ばら積船」を中心に、「自動車船」「重量物船」「一般貨物船」など多種多様の船を取り扱っています。他社の船舶をお預かりし、経済的に常に安全運航できる状態に管理しています。2017年には日本郵船の優秀船舶管理会社として表彰されました。
地道ながら、大きなスケールで社会を下支えする仕事ですが、八馬汽船の社員数は約100名。そのうち60名ほどが専門機関で教育を受けた海上社員(航海士・機関士)です。そして管理部門(総務、経理、情報システム)として会社を支え、営業部、船舶運航管理部、船員管理部の一員として安全運航を陸上からサポートするのが陸上社員です。約40名と少数精鋭ながら、大きな仕事に臨んでいます。
どんな仕事ですか?

山本さん:八馬汽船は、オーナーから約70隻の船を委託管理しています。私は船舶運航管理部に所属しており、オーナーへのコスト報告を担当しています。
委託管理する船の多くは欧州・中東・極東・豪州・北米航路など、1回の航海が半年以上に及ぶ外航船です。荷物を積卸しするクレーンのワイヤーロープやエンジンルームのメンテナンスにかかった経費を、毎月とりまとめてオーナーへ報告する仕事です。

山脇さん:私は、経理部に所属して会計と税務を担当しています。経理という仕事には、「日々、黙々と計算する」というイメージが強いかもしれませんね。たしかに日々の作業としては、伝票精査などが主なものです。しかし、私がこの仕事に就いてからは、「お金の流れを通して、会社全体を見る仕事」へとイメージが変わっていきました。
経理部は、伝票を通して全部署とやりとりを行います。貨物運賃や貸船料など、売上の要を担う営業部や船舶営業部、山本くんが所属する船舶運航管理部、海上で働く社員の人事・給与を担当する船員管理部。
経理処理を行う上では、各部署の仕事を知ることも必要です。2016年に新造船が竣工し試運転を行った際は、洋上で3日間を過ごさせてもらいました。
私は、経理は全くの未経験でした。配属直後は「損益計算書って何?」「貸借対照表はどう読むの・・・?」という状態でしたが、上司や先輩に教わりながら、仕事を覚えていきました。会社の補助により簿記も取得しました。
会社の雰囲気は、どんな感じ?
山本さん:入社して気づいたのは、英語に触れる機会が多い点です。世界の洋上から電話やメールが届くのですが船の乗組員の多くは、フィリピン人の方々。そのため、社内で英語が飛び交う場面も珍しくありません。私は、英語をすっかり忘れていたので、最初は戸惑いましたが、周囲の皆さんがわかりやすく話してくれたんです。自分でも勉強をしていく中で、次第に慣れていきました。
私が転職する際、船乗りの親戚から「昔からあって、いい会社やで」と後押ししてもらったんです。
入社後は会社組織としてきちんとしていることに、驚きましたね。海運会社ならではの「ファミリーファースト」という文化。定時退社が原則であること。有給をきちんと消化するよう会社から指導もあります。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、3月には速やかに在宅勤務の指示が出たことにも驚きました。
山脇さん:温かい職場だよね。スケールの大きさに惹かれて入社を決めた私ですが、海運業の実務は何もわかりませんでした。上司や先輩たちが優しく仕事を教えてくれましたね。
どんな時にやりがいを感じましたか?
山脇さん:年度末や四半期、毎月の決算が私たちの仕事です。毎月の決算は、月初の6営業日までにまとめていきます。数字を積み上げた決算書が仕上がった時は達成感と共に、「終わった〜!」という開放感でいっぱいですね。
また社内で行う仕事が多い私ですが、年に一度、株主にむけて発行する株主総会通知に携わる業務は貴重です。作成した事業報告や会社法計算書類が記載された株主総会通知が印刷所から手元に届いたときは、達成感を感じますね。
山本さん:オーナーさんへ1ヶ月分の報告書を提出した時ですね。お金を扱う業務なので、「ミスなくやり遂げる」ことが大切です。報告書作成を行う際は、ほどよい緊張感とともに仕事をしています。
どんな人が合っていますか?
山脇さん:様々な知識や経験を通して多方面に活躍しながら、私生活も充実したい人。私が転職をしたきっかけの一つは、ワークライフバランスでした。定時退社が基本なんです。
山本さん:メリハリの持てる働き方はいいですね。僕も山脇くんも前職で残業が多かったこともあり、そのありがたさは人一倍感じています。入社間もない頃は、「空が明るいうちに退社できるなんて」と感動していましたね(笑)。また、世代をとわず社員同士の仲が良いので、コロナ禍以前は飲みに行くこともありましたね。18時に乾杯できるので、ありがたいです。
うちの会社のここがいい!
- 繁忙期をのぞき、基本は定時退社。仕事とプライベートを両立できる
- 語学や船舶の知識など、仕事を通じて成長できる
- スケールの大きな仕事に取り組める
- 社員を大事にする組織なので、安心して働ける
とある1日
9:00 | 出社 |
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9:30 | メールチェックを終えて、売上の伝票処理。会計システムへと入力をしていきます。 |
12:00 | 昼休憩へ。 |
13:00 | 午後は、経費の伝票処理。不明点があったので、山本くんへコスト報告用会計コードの確認。 |
16:00 | 月末の締め準備。毎月はじめの6営業日は決算業務に追われます。 |
17:00 | 退社 |
決算期は残業をすることがあります。
9:00 | 出社。最初の仕事はメールチェックです。 |
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9:30 | オーナーさんへ提出する月次報告書類を作成。合間にオーナーさんと勘定科目などの確認を行います。 |
12:00 | 昼休憩へ。 |
13:00 | 役員会の資料作成。 |
14:00 | オーナーさんへ請求する保険料の伝票作成。 |
16:00 | 郵便局へ出荷の手配。 |
17:00 | 退社 |
残業をすることはほとんどありません。部署によっては飲みに行くこともあるようです。
※インタビュー内容は、2021年取材当時のものです。
- 八馬汽船株式会社
- https://www.hachiuma.co.jp/
- 業種
- 外航海運業
- 事業内容
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・船舶運航事業(大手製紙会社・商社向けにチップ専用船を保有・船舶管理・運航し、高品質のサービスの提供)
・船舶管理事業(船主より委託された多種多様な船舶を常に安全かつ経済的な運航状態に維持) - 本社住所
- 〒650-0034 神戸市中央区京町74番地 京町74番ビル7階
- 従業員数
- 99名(2020年12月現在)
- 年間休日日数
- 127日(2020年度実績)
- 平均有給休暇取得日数
- 14日
- 社内各種制度
(教育、休暇等制度) -
・毎週水曜日はノー残業デー。
・休業制度(産前産後、育児、看護、介護等)の完備 - 採用選考の流れ
- 応募書類(エントリーシート・履歴書・成績証明書・卒業見込証明書)を本社総務部宛に提出。→書類選考→一次選考(適性検査・面接)→二次選考(役員面接)
※選考プロセスは変更となる可能性があります。